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蜘蛛の糸

2008年03月23日 19:45

『芥川龍之介』著 ポプラ社文庫 213ページ

子供向けの日本文学集シリーズの本で、ふりがなが多く読みやすいです。
いや~、日本文学て奥が深いですね(実はよくわかってないだけ)。
家に分厚い日本文学全集がありますが、教育熱心な父に読め読めと言われ、
それに反比例して日本文学が嫌いになっていきましたねえ~。
そもそも、小学生に大人でも難しいような漢字だらけの古書を読めと言っても、無理があるんじゃないでしょうか。ねえ?
まあ、遠回りしたものの、父親の期待通り今では読書好きになったわけで、万事めでたしめでたしです。
芥川龍之介の作品は、学校の教科書に載ってた「羅生門」「鼻」「トロッコ」くらいしか知りませんでしたが、
「地獄変」は今回初めて読んでとても面白いな~と感じました。
本書には、「蜘蛛の糸」「地獄変」「魔術」「舞踏会」「秋」「杜子春」「トロッコ」「漱石三房の冬」「雛」の九編が収録されています。

芥川龍之介といえば自殺したことでも有名なので、おどろおどろしい小説のイメージが強いですね。
そうじゃないのも沢山あるんですが…どうも先入観は抜けません。
地獄変に出てくる良秀は、堀川の殿様に仕えている絵師でした。
腕にかけては超一流ですが、性格が悪く、彼のもとから去っていく弟子も少なくなかった。
そんな良秀には、どこをどうやったらこんな子が生まれてくるのかというほど、器量よしで可愛らしい娘がおり、殿様に仕えていた。

良秀の描く絵はどんなものかというと、それがまるで不気味な話ばかり付きまとう絵ばかりで、
やれ描かれた女房たちが一人一人死んでいくとか、やれ絵から死人の腐臭が漂ってくるだのといった噂が絶えない。
本人もさして気にしていないようで、神様をテキトーに描いた絵を批判されても、
「いいじゃん、どーせ俺の描いた神様なんだし。俺の神が、俺を罰する訳ないない。ノープロブレ~ム」と気楽なものだ。

そんなある日、殿様から地獄変を屏風に描くようにと依頼があった。
さっそく取り掛かった良秀だったが、彼のモットーは自分の目で見たものしか描けないという事だった。
一人の弟子に声をかけて、
「ねえ、きみ、いま暇?ちょっと手伝ってほしいんだけど」
「何用ですか?師匠」
「うん、ちょっと服を脱いでくれたまえ」
師匠のモデルになるのなら、全裸だって気にしない。
忠実な弟子は着物を脱いで真っ裸になりました。すると、師匠はジャラジャラと鎖を出してきて、弟子の体をぐるぐる巻きにし始めます
「何をなさるんですっ」
「う~ん、いいよ~、すごくいいよ、そのポーズ。うへへ」
楽しそうに鑑賞、もとい模写する良秀。間違いありません。現代でいうSMです。

何だか最近師匠の様子がおかしいぞ。弟子の間でも噂が広がり始めたのではないでしょうか。
いや、もともと師匠はちょっとあっちのケがあったけど、最近はよりハードになってるぞ。
その後も何人かモデルが犠牲になり、ついに完成が近づいた頃でした。

良秀は殿に申し出ました。
「殿、どうしても最後に描けぬものがあります」
「なんじゃ、良秀。申してみよ」
「車に乗った上臈です。空から地獄の炎の中に落ちていく姿がどうしても描けません」
「じゃあ、どうすればいいのじゃ?」
「私の目の前で、女を乗せた車を燃やしてほしいのです」
んな無茶苦茶な。いくらなんでもそりゃ無理だろう。周りにいた者たちもびっくり。しかし、殿様は
「うん、いいよ」とあっさりOK。

ここらへんが、いまいち分らない。
お殿様は割と普通の人だったのに、最後の方はちょっと気が振れたかのように、こんな無茶なお願いを承諾してしまう。
車が用意され、いざ燃やされる時も、まるで楽しむかのような表情が文面から見てとれます。
どうしてだろう?実は、車に乗せられて焼け死ぬのは、良秀の愛してやまない娘その人なのですが、
車が燃え落ちる瞬間に、殿様の狂気は消え、替わりに良秀が苦悩の表情から恍惚感溢れる顔に変貌している。
ここらへん、何かが殿様から良秀に乗り移ったとしか考えられませんね~。

最終的に地獄変は完成する。あらゆる身分の人間が牛頭馬頭(ゴズメズ)という地獄の鬼に追い立てられ、
煙と炎にまかれ逃げ惑う姿。あるものは槍で突かれ、あるものは怪鳥についばまれ…
その中でも一際目立つのが、天から落ちてくる牛車の女だった…。

色んな意味にとれるこの作品ですが、芥川龍之介の意図したところは、何なのでしょうか。
しつこいようですが、日本文学は奥が深いですね~。

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