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家畜人ヤプー3

2008年01月21日 21:23

『沼正三』著 幻冬舎アウトロー文庫 402ページ

麟一郎は人間ハンモックとなり、宙吊り状態でクララへの祈りをささげていた。
クララはその時、人間スキー(プキー)に跨り、黒人狩りをしていた。

未来世界イースに連れてこられた恋人たち。彼らの関係は順調に?「家畜とヒト」へ変化していた。
戦後最大の奇書、第三巻。前回までのあらすじはこちら↓
家畜人ヤプー1巻→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-17.html
家畜人ヤプー2巻→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-27.html

家畜としての洗礼を受けたリンは、クララへの信仰を強要されていた。
前述したハンモックは、両手両足の力で宙吊りの体を支える。
当然ながら痛む体が、クララへの思念によって和らぐという装置で、強制的に信仰を植えつけられる。
思念が一定以上に満たされていると、クララの装着しているブローチを通して、
彼女の見るもの、聞くものが脳に送られてくる。まさに彼女と一体となる訳だ。
しかし、一たび雑念を生じると、ハンモックの苦痛が襲いかかる。

彼がクララを通して知った事実は、信じがたいものだった。
日本神話の天照大神は、未来のイース人であったこと。
また、イザナミ、イザナギに至るまでが、未来人が実験的に放ったヤプーであった事。
信じがたいが、これは事実なのだ…。リンは次第に人間としての自覚を失っていく。

一方、クララはポーリーンの子宮畜(ヤプム)選びのため、フジヤマへ降り立っていた。
子宮畜というのは、白人の出産を替わりに行うヤプーである。
女性の身体的苦痛を取り除くという意味では、イースの女権制に拍車をかける契機になった。
しかし、その方法は必ず帝王切開で行われる(卑しいヤプーの性器を通過して人間が生まれる事があってはならない)。
その選び方も強烈で、放尿演技やら、逆立ち状態から大開脚しての局部検査など。

後半は、黒人奴隷の食生活事情。白人の放屁を含んだ尿ビール。
(食糧配給管に、尿成分が酩酊効果を発生させる薬を入れてあるため、尿がおいしく感じる)
嘔吐物ソース、さらに白人の衣料を調理加工した下着ステーキ等々。やりたい放題(笑)。
白人のアンドロイドが、放尿・放屁という形でビールサービスするが、そのロボットの名前が
「バッコちゃん」という。何故か、私が星新一さんに申し訳なくなってしまった…。
まあ、説明はこれくらいにして、あとは本編を参照されたい。

説明が長すぎて、ストーリーが進まない。三巻を終えて、二人がイースに来てまだ3日もたっていない。
少し読むのに疲れが出てくるかな?一部の作品評価を見ていても同意見が多いようです。

読書とは、その作品の意図、作者の主張を読み取るのが楽しみの一つでないかと思います。
カミカゼや、ハラキリなど、日本の負の文化を批判した作品であると思っていたのですが、
ここまでくると、単に日本文化を完全なるマゾ文化に仕立て上げる意図なのかと、勘違いしてしまいます。

しかし、作品の中で天照大神が語る「慈悲(チャリティ)主義」には、マゾの極域が読み取れます。
つまり、最初は肉便器(セッチン)を強要しても、嫌がって飲まない。
だが、白人崇拝を植えつけることによって、それが「快楽」へ変化するのである。
私達人間は、黄色人ヤプーに対して「信仰」を与えてやってるのであって、
本来苦痛な家畜の仕事に、快楽・誇りをもたせてやっている。
まさに、これこそ「慈悲」である…という主張だ。

う~ん、とってもS的ですねえ。。。
ヤプーの立場になってみると、初めて「人間とは何か」という哲学が、
「人間のため」だけにあって、他の動物の上に成り立っていると思い知らされます。
この物語、いつかクララはリンを迎えにきて…というハッピーエンドを期待してしまうが、決してそれはあり得ない。
最初こそ、クララが他の男にすぐ恋したのを、少しムカつきながら読んでいたが、
今ではそれも感じなくなってしまった。なぜなら彼は「家畜」だから気にすることはないのだ。

今ではもう、彼は全裸で局部にハンドバッグ用のチェーンをつけられ、犬のようにクララに引かれている。
そして、大人しく彼女の横に「お座り」している。
『これから、どんな家畜にしようか。家具かしら?それとも舌人形?肉便器はちょっと可哀想よね』

家畜として生きる、一生の行方を彼はまだ知る由もなかった。


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