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イワンのばか

2008年01月19日 18:11

『レフ・トルストイ』著 木村 浩 訳 講談社青い鳥文庫 251ページ

トルストイが晩年になって書き上げた民話を3話収録。『戦争と平和』とか、
難しいのばっか書いてる人かと思ったら、牧歌的なものも書いてるんですね~。
イワンのばか。イワンのばか。イワンのばか。いやん、ばか。昔言いませんでした?(笑)
小学校時代にはやってたんですが…。イワンのばかって、意味不明な言葉だと思ってましたが、
文豪の作品でしたか。失礼致しました。

イワンは三人兄弟で、一番上の兄セミョーンは兵隊を指揮する将軍でした。二番目の兄タラスは商売人で富豪でした。
イワンはお父さんと口のきけない妹の三人で、畑を耕して暮らしていました。
ある日、悪魔小僧三匹が集まって兄弟の仲たがいをしようと企みました。
それぞれ一匹目の小僧は、セミョーンを戦争でボロ負けにし、二匹目の小僧はタラスを破産させました。
二人の兄は、農家のイワンのところを頼ってきましたが、イワンはそれを快く受け入れました。

さて、三匹目の小僧も同様にイワンの農作業の邪魔をしようと、腹痛をおこしたり、
犂を押さえたりしましたが、イワンは妨害にへこたれずに一生懸命働きます。
「このばかには参っちまう。いくら邪魔をしても仕事をやめない」
そのうち邪魔をしているところを悪魔小僧は見つけられてしまう。

「このやろう、憎たらしい奴め」
「ダンナ、許してくだせえ、何でもしますから」
「じゃあ、この腹痛を治してくれよ。痛くてたまらない」
悪魔小僧は、イワンにどんな病気も治す根っこのありかを教えてやる。
三つに割れた根っこの一本を食べると、あら不思議。瞬時に治ってしまった。
「じゃあ逃がしてやる。神様と共にあれよ」

悪魔に「神様」という言葉は、幽霊に「南無阿弥陀仏」というニュアンスと似てるのか、その言葉を聞くと悪魔小僧は死んでしまった。
兄弟達を陥れるのに成功した他の二匹の悪魔小僧は、仲間が死んでいるのを見てびっくり。
仇討ちだ~!とばかりに同じようにイワンの仕事の邪魔をするが、結局失敗して見つかってしまう。
どんな邪魔をされても、イワンはしゃにむに仕事をしてやめようとしない。
また悪魔小僧を捕まえたイワンは、兵隊を作る方法と、お金を作る方法を聞き出して、
「神様と共にあれよ」と言って悪魔を殺してしまう。無知ほど怖いものはない。

しまいには悪魔の親玉、悪魔じじいが出てきて「ふふふ、わしの出番じゃな」とばかりにイワンを苦しめようとする。
悪魔じじいはイワンに言う。
「お前さんはばかだな。そんな汗を流して働かなくても、頭で働いたらいいじゃないか」
そりゃそうだ。だってイワンは兵隊もお金も自由に作れるんだから。
しかし、イワンは兵隊は音楽隊のため、お金はキラキラしてきれいなものくらいの認識しかない。
「頭で働くことなんてできるんですかい?ひとつ教えて下さいよ」

そこで悪魔じじいは頭で働くことで、どれだけ楽かを懇々と演説し始める。
「何だ、あのじいさんは。早く頭で働いておくれよ。頭で働くと、もっと簡単にパンが食べられると思ったになあ」
しまいに悪魔じじいは空腹で演説台から落っこちて頭をぶつけてしまう。
「やや、じいさんやっと頭を使って働き出したな。どんな方法で小麦を育てるんだ?」

しかし、悪魔は落っこちて死んでしまった。
「なあんだ。また悪魔だったのか。ちぇっ、憎らしい奴らだなあ」
その後、イワンはこんな調子で幸せに暮らしましたとさ。

…金もいらない、人の物も欲しがらない。他人のために世話を焼く。
欲がなくて、価値あるものが分からないばかたち。
しかし、悪魔にはつけ込むスキが無いのです。
人間らしいとは何か。紙切れに振り回される人間は「賢い」のか。
イワンのようにはなれないが、ちょっと今の自分を振り返る良い機会になった本です。


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