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シャーロック・ホームズの冒険

2008年01月16日 19:19

『コナン・ドイル』著 延原 謙 訳 新潮文庫 394ページ

「ふむ、ワトスン君、君はこの事件をどう思うかね?」

ハンチング帽にパイプを咥え、虫眼鏡を覗きこむ姿はもうお馴染みのもの。
こんな面白い小説を今まで放っておいたのが悔やまれる!というほど面白かったです。

「鋭い推理の運びぶりはまことに驚嘆すべきもので、私としては彼の仕事の方式を研究してみたり、
一見不可解な事件を、テキパキと片付けてゆく巧妙・神速な方法を、
あとからたどってみるのが、何よりも面白くてならなかったのである」

彼の助手であり、よき相棒のワトスン博士はこう言う。
非凡人なホームズと違って、彼は私たち読者に近い存在。
わくわくしながらページを進めていくうちに、ワトスンが橋渡しとなって、
私たちはホームズと一緒に事件を解決することになるのだ。

ある日、帽子を拾ったホームズは、その持ち主はどんな人間かワトスンに訊ねる。
「僕には何も分からない」
「分からないはずはない」
「じゃあ、君はどう推理するか聞かせてくれたまえ」

「この人物は知能がすぐれていて、今は零落しているが、過去三カ月以内にかなり裕福な時期があったこと。
昔は思慮深かったが、今は退歩の傾向がみられる。それにともない、飲酒癖があり、妻には愛想を尽かされている…」
ホームズはひょうひょうと答える。
「冗談ばっかり!」
「冗談なものか」
この帽子の流行は三年前のもの。品物は非常に上等で、その後安物も変えないとしたら、
零落したとみて間違いない。帽子についてる留め具は、買う時に風で飛ばないようにと
特注でつけたもので、当時の思慮深さを思わせる。今は紐が切れたのもつけ替えずにいる。
以前ほどの思慮深さがなく、意志が弱くなったことを物語っている。
妻に愛想をつかされたというのは、長い間ブラシをかけていない事から分かる。

紐解いてみれば何てことはない。その推理が単純なほど、読者はニヤリとしてしまう。
そして、その快感が過ぎると、今度は自分で推理がしてみたくなる。
例えばレストランで食器が片付いていない机を見て、
「食事をしていたのは二人で、仕事関係者に違いない。
タバコの本数が多いし、まだ煙も出ている。帰ってそう時間はたっていない」とか。
こんなどうでもいい推理、意味無いよなあ…。幼稚な推理をして自分に笑う。

しかし、ホームズはどんな小さなことでも見逃さない。
結果的に事件解決に全く関わりない事でも。
ホームズは言う。
「大きな事件ほど単純な事が多い。日常の些細な事に奇怪は潜んでいるのだ」

平凡な毎日をバカにしてはいけない。推理は誰にでも楽しめるものなのだ。
コナン・ドイルはこう伝えたかったのだと思う。
「見ているだけで、君は観察をしていない」
ホームズの一言一言が、生活を変化させてくれるだろう。


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