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エーミールと探偵たち

2009年12月22日 00:35

エーリヒ・ケストナー』著 池田香代子 訳 岩波少年文庫 230ページ

小学4~5年生向けの文庫です。高橋健二氏の訳では、
岩波からケストナー全集として全8巻+別巻で出版されてます。
作品自体が児童向けに書かれていますが、大人でも充分楽しめます。

<あらすじ>
おばあちゃんを訪ねて、一人ベルリンへ出かけたエーミール。
しかし列車の中で、お母さんから預かった大切な140マルクのお金を、
グルントアイス氏という人に盗まれてしまう。
エーミールは泥棒を捕まえてお金を返してもらうため、
一文無しで、知っている人も誰もいないベルリンに飛び出します。

まず彼を助けてくれたのは、いつも車のクラクションを持ち歩いているグスタフ。
事情を聞いた彼は、クラクションを鳴らして少年たちを集めてきます。
少年探偵たちは、電話センター班、待機班、追跡班と役割分担を決め、
それぞれの持ち場について、泥棒を見張り続けます。

はたして、エーミールが取られたお金は、無事に帰ってくるのでしょうか。
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妙に背伸びした子供たちが本当にかわいい。
「だって、僕のものは僕のものだもん。他の誰かのポケットに入ってたってさ」
「道徳的には、お前が正しいよ。だけど、裁判所はお前を有罪にする。
 ここんとこ、大人だって分かってないやつはいっぱいいる。だけどそういうことなんだよ」
こういう、ちゃんと正攻法で取り返さなければならないと知っているところが、純粋だなあ。

深読みする必要がないので、やっぱり児童文学だな~とは思うのですが、
ファンタジーとか○○姫…ではなく、普通の日常生活が舞台で、
ここまでイイ作品が書けるのは、何が他と違うんだろう?と思う。
一つはキャラクターが極めて引き立っている事かな。
子供が、子供の域をでないで、登場人物たちのバランスが取れている。
頭のいい司令塔の教授、「てやんでい」が口癖の大胆なグスタフ…。
ズッコケ三人組のバランスの取れ具合と行ったらいいだろうか。あんな感じ。

もう一つは話のまとまり方。起承転結のつけ方が非常にうまい。
セオリー通りですが、子供のころのわくわく感が持続してライトに終わります。
ケストナー自身も作品中に出てきたり、物語構成を考案する模様を描いた序文など、
小気味いいポイントをいくつか入れてくれています。子供も飽きずに読み終わりそう。

作品の中では、理容師をしている母親が登場しますが、ケストナーの母親も理容師。
彼はマザコンであったらしいですが、この作品中にも母親への愛が溢れています。
ナチ政権下で圧迫を受けるも、亡命せずに活動を続けたことなど、興味深い作家です。
彼の生涯については、ケストナー(ナチスに抵抗し続けた作家)が参考として面白そうですね~。
とりあえず全集に収録されている話を全部を読んでみて、気になるようなら買ってみようかしら。
この作品の続編「エーミールと三人のふたご」は、次回紹介します。


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