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人魚の姫 童話集Ⅰ

2009年12月20日 23:22

アンデルセン』著 矢崎源九郎 訳 新潮文庫 259ページ

寒過ぎて、パソコンデスクの前に座るのが億劫だわぁ…。
本は読んでるんですが…更新頻度が遅くてすいません。

12月はクリスマスも迎えるという事で、優しくなれる本が読みたくなりますね。
…と言っても、アンデルセンの童話は悲しい結末の方が多いですが…。

いわずと知れた人魚姫。子供向けの本で誰でも読んでいる作品ですが、
実際今読んでみても、ちょっと涙ぐんでしまうほど悲しい話です。
あらすじは、いまさら紹介する必要もないですね。
私が読んだ新潮のは、最後に泡になって終わるのではなくて、
人間の魂を手に入れるために、空気の精として生まれ変わるという結末でした。

この本には、全部で16話が収録されています。
・すずの兵隊さん    ・ナイチンゲール
・のろまのハンス    ・イーダちゃんのお花
・モミの木         ・雪だるま
・アヒルの庭で      ・人形つかい
・幸福な一家       ・ペンとインキつぼ
・ほんとにそのとおり!  ・いいなずけ
・わるい王さま(伝説)  ・眠りの精
・アンエ・リスペット   ・人魚の姫

タイトルから分かりますが、人間が主人公でないもののほうが多いです。
ツリーや雪だるまなど、季節もので、人に忘れられてゆくものなど、
それらの視点から見れば、悲しい定めな事に気が付きます。

アンデルセンは、そういった悲しい物語を、ラストに救うことなく、
「そういうものなのです」と半ば諦めのような結末で描く。
読み終えた後に、幸せになった物語はほとんどなかったので、なんでかなぁと思ったのですが、
もともと貧しい家の生まれで、失恋も何度か経験していた…という作者の生い立ちを読んだときに、
なるほどなぁ~と思いました。アンデルセンが信心深い印象を受けるのも、
「死んで天国に行く」、「現世はつらい事ばかり」という所へ行き着く前提なのか。

ユーモアに関しては、小説ならではの醍醐味でした。
本文一ページ目の「すずの兵隊さん」の書き出しから印象的。

「あるところに、二十五人のすずの兵隊さんがいました。
 この兵隊さんたちは、みんな兄弟でした。
 なぜって、みんなは、一本の古いすずのさじをとかして作られていましたから」

児童書では省かれてしまうような比喩や揶揄が、盛りだくさんで楽しめました。


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