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必死の逃亡者

2009年11月24日 23:31

ジュール・ヴェルヌ』著 石川 湧 訳 創元推理文庫 281ページ

お次の舞台は中国。ヴェルヌ自身は旅行も頻繁にした人ですが、
中国に行ったことは無く、地名間違いなども見られる作品。
(と言っても、読んでる分には何が間違いなのか分かりませんが…)

当時の先進国がこぞって中国へ進出している時代のこと、
まだ未知の世界だった中国は大衆の関心を引いたでしょうね。
「八十日間世界一周」にしてもそうだし、ヴェルヌの小説が成り立つ理由は、
「中途半端にしか世界が知られていない」というのがポイントになるのだと思います。

<あらすじ>
大金持ちの金馥(キンフー)は、何不自由しない生活を前に、人生に退屈を覚えていた。
婚礼を前に控えたある日、その全財産の大部分を占めるカリフォルニア中央銀行の株が
大暴落したという一報を受ける。しかし、彼は動揺しなかった。

まずは許嫁に、この哀れな男を忘れてくれるように手紙を出した。
彼は、裕福こそが許嫁を幸せにできるのだと信じて疑っていなかった。
そして、保険会社へ赴き、彼の自殺をも保障する(すごいな!)多額の保険に入る。
しかし、意外な結末は、今度は彼を死から逃げ出させることを余儀なくさせる。

やがて、金馥は苦労を知り、生きる事に幸福を見出す男へと変わっていく。
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人生に無頓着だった主人公が、苦労を通して幸福を知る…という筋立ては、
教訓小説として素直に面白いですし、スタンダードだったと思います。
ただ、人生に飽きて…という設定は、およそ中国人気質に合わない気がしますが…。
そして、「必死の…」というほど必死でもなかったですね~。サメと戦うところくらいでしょうか。
「チャンセラー号の筏」を読んだ後では、どうも悲壮さのレベルが違うので比べちゃいますね(笑)。

サブキャラクターの保険会社社員二人(アメリカ人。最後の別れの淡白さはまさにアメリカ的)、
召使いの孫(スン)を連れての4人旅。人間ドラマが苦手なヴェルヌらしく、今回も淡々としてます。
これはヴェルヌの良いところでもありますが、悪く言えば「単純」な傾向。
子供向けに編集されやすいという理由もそこにあるのかもしれないですね。
わずかに「アドリア海の復讐」や「チャンセラー号の筏」で、人間ドラマが描がかれるくらいでしょうか。

巻末の解説を書いてる石川布美さんは、翻訳をされてる石川湧さんの娘さん。
解説の内容はともかく、ヴェルヌの生涯について、簡潔にまとまってあったので、
ヴェルヌの少年時代から、晩年の変化についてざっと知りたい方にはお薦め。


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