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インド王妃の遺産

2009年11月13日 00:47

ジュール・ヴェルヌ』著 中村 真一郎 訳 集英社文庫 238ページ

普仏戦争でフランスがドイツ(プロイセン)に負けた後に書かれた作品。
ヴェルヌは超・愛国者ですから、もともとフランス贔屓なところがありますが、
かなりこの作品ではドイツに敵対心を持った書き方がされてます。

ソーセージと、酢漬けキャベツ、そしてビール…という典型的なドイツ食に対して皮肉ってみたり、
何かを新発明するということは、基本的にはゲルマン人には向いてないとか…あららら(笑)。
あとがきで三木卓氏も書いてましたが、ふとヒトラーが説いたゲルマン人の優秀性について、
作品を読みながら考えずにはおられませんでした。どっちもどっちな事してるなァ…(汗)。

<あらすじ>
インド王妃にまつわる莫大な遺産が、二人の相続人に山分けされることになった。
フランス人のサラザン博士は、その遺産を用いて、アメリカ東海岸に理想都市
(というより衛生都市…)を建設し、科学者、芸術家などの、あらゆる教育環境を整備した。

ドイツ人のシュルツ教授は、鋼鉄都市(シュタールシュタート)を創設し、
鉄を精錬し、大砲を生産し各国に兵器の供給を行っていた。

やがてシュルツ教授は理想都市を、ある新兵器で壊滅させる計画を立てる。
鋼鉄都市に潜入捜査のため潜り込んだマルセルは、その秘密を嗅ぎ付ける。
はたして、彼は生きて理想都市に帰れるのか。そして、その野望を阻止できるのか。
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印象としてはアッサリ終わった作品。冒険というより、ヴェルヌの科学趣味の典型。
人間関係の描写も浅く、潜入捜査、科学戦争を中心に置く、近未来SF。

何かの本で、ドイルホームズやヴェルヌの作品は、今から見れば設定が時代遅れ…
という解説を読んだことがありますが、「そりゃ、あたりまえでしょう!」と私は言いたい。
だって、19世紀ですよ。当時は未知の世界のSFという事で熱狂されたでしょうが、
それを現代に当てはめるのが無理だというもの。当時の世界観に合わせて読まなければ。

あらすじを読んでの通り、インドは全然関係ないです。
シュルツ教授が、理想都市を破壊するのが、「民族の自然な生存競争に従うため」という、
かなり一方的な恨みによるので、あまりストーリー性には期待できない。
おおまかに言うと、ゲルマン人がラテン人に理不尽な攻撃をしかけるという話ですから(笑)。

脱走シーンのアイデアとかは切迫感があってGood。
セリフではなく、淡々とした描写によってリアルさを描く、ヴェルヌの手腕が光ってます。


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