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アドリア海の復讐 上

2009年11月06日 23:58

ジュール・ヴェルヌ』著 金子 博 訳 集英社文庫 364ページ

ヴェルヌ版、「モンテ・クリスト伯(巌窟王)」です。
これも、集英社のジュール・ヴェルヌ・コレクションの一つ。

冒頭に小デュマに宛てた手紙が紹介されてまして、そこに
「この作品で、わたしはマーチャーシュ・サンドルフを
 <驚異の旅>叢書における モンテ・クリストたらしめようと試みた」
と、書かれています。大デュマを尊敬してたんですね。

作品は全部で第五部。そのうちの、一部、二部が上巻に、三~五部は下巻に収録されています。

<あらすじ・第一部>
1867年、イリリア地方の中心都市トリエステにて、三人のハンガリー人が
独立を取り戻すために陰謀を企てる。その三人の首謀者とはつまり、
エチューヌ・バートリ教授、ラディシュラシュ・ザトマール伯爵、
そして主人公のマーチャーシュ・サンドルフ伯爵だった。

サンドフル伯爵が中心メンバーとなり、決起の合図が出されれば、
ただちに各地で指導者たちが立ち上がることになる手筈が整った。
そして実行に移される前夜、首謀者の三人は突然、警察に逮捕される。

利欲のため、彼らを密告したのは、ならず者サルカニーと、銀行家のシーラシュ・トロンタル。
世間には秘密裏に有罪の判決が出された後、裏切りの事実を知った三人は、復讐を心に誓い、脱獄する。
しかし、バートリとザトマールは再び捕えられ死刑に処せられる。
サンドルフ伯爵も、逃走中に弾丸を受け、アドリア海の藻くずと消えた。
彼らが誰によって裏切られたのか、どうやって密告されたのかは世間に知られる事なく、事件は葬られた。

<第二部>
事件から15年後。アドリア海の東岸のラグサの街に、アンテキルト博士という大金持ちがやってくる。
博士の過去は謎に満ちており、どこから来たのか、どこへ行くのか誰にも分らなかった。

彼はこの街に、かつて自分を陥れた一人、銀行家のトロンタルと、
さらには仲間だったバートリの息子ピエール、母親であるバートリ未亡人が住んでいることを知る。
運命の巡り合わせは皮肉なもので、ピエールと、トロンタルの娘サヴァは愛し合っていた。

アンテキルト博士は彼らの仲を引き裂く決心をする。よりによって父親を殺した人間の娘を愛するとは。
その頃にはすっかり密告の報酬を使いはたしていたサルカニーは、
身の安泰を図ろうと、トロンタルに娘との結婚させてくれと要求する。
お互いに過去の秘密と持ち合うため、トロンタルはそれに承諾せざるを得なかった。

サヴァがサルカニーという男と結婚する事を知ったピエールは自殺を図る。
しかし、そこにアンテキルト博士が現れ、彼を眠らせる催眠をかける。
一度死んだと思われたピエールは埋葬されるが、博士は彼を墓から救い出し、
自分が、かつて父親と共にハンガリー独立の陰謀を企てたサンドルフ伯爵であることを明かすのだった。
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いつも淡々としている冒険譚を読んでるので、およそヴェルヌ風ではないですね。
かといってデュマ風かと言えば、そうでもない。音の反響とか、危機迫る描写とか
細かいリアルさは、やはりヴェルヌ的。催眠術が出てきたことにはビックリしましたが…。
ここにきて、そういうオカルト的な手法使っちゃいますか…(笑)。

復讐劇なので、王道ではありますが、そのため土台となる人物の関係がより巧妙にできています。
ストーリー構成も熟成されてきている感じがあって、初期の作品より「文学的」になったイメージ。

モンテ・クリストの復讐劇はこれからが本番ですね。どうヴェルヌ風に料理されるのか。
興奮でハァハァしながら読んでる、気持ち悪い人にならないよう気をつけます。


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コメント

  1. 履歴書の書き方の見本 | URL | -

    とても魅力的な記事でした。
    また遊びに来ます!!

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