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オセロー

2009年09月10日 23:01

『シェイクスピア』著 福田 恆存 訳 新潮文庫 214ページ

いわずと知れたシェイクスピアの四大悲劇の一つ、オセロー。
オセロゲームの名前の由来になった作品ですね~。
黒人のオセローと、白人の妻デズデモーナの物語が、二転三転するからなんだとか。

<あらすじ>
数々の武勲を立ててきたムーア人のオセローは、美しく貞淑なデズデモーナを妻をして迎えた。
しかし、彼を憎む旗手のイアーゴーは、奸策を用いて仲を引き裂こうと試みる。

オセローの副官を務めるキャシオーを罠にかけ、免職にさせてしまうと、
復職を望むなら、オセローの妻に取りなしをお願いするのが良いと、アドバイスするイアーゴー。
そしてオセローには、「奥様とキャシオーがデキている」とそそのかす。
猜疑心に囚われたオセローは、妻が必死にキャシオーを庇うのを訝しく思い始める。

さらに一計を用いたイアーゴーは、オセローが妻に送ったハンカチーフを、
キャシオーにあげてしまったのだと思わせることに成功する。
高潔な人物だったオセローは嫉妬に狂い、デズデモーナを絞め殺す。
そして、すべて罠であったことが判明すると、悲しみのあまり自殺をするのだった。
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ムーア人という位置づけがポイントになってるんですが、ムーア人といっても広範囲で、
もともとは北アフリカにすんでいた人種で、主に黒人のことを指していたようです。

人種差別とかそういうのではなく、「気性が荒い」とか、「真っ正直」とかいう性格的な部分で、
この作品では扱われているんですが、どうも読んでるとオセローの浅はかさが目につく。
いや、だって、すごい奥さんを愛してたんでしょ?いくら「正直」でも簡単に騙されすぎだなぁ…と。

相変わらず翻訳者の福田さんは良い仕事をされてて、解題がすごいこと、すごいこと。
オセローは個人的な嫉妬の物語であって、リア王マクベスなどに比べて、
スケールが小さいのだとか。悲劇の主人公らしくなく、イアーゴーに振り回されっぱなし。
リア王なんか、始終「俺はなんて不幸なんだー!」と独白しっぱなしだけど、
オセローには最後に詩的なセリフがあるくらいで、その「悲劇の主人公らしい悲痛な叫び」が無いんだとか。
シェイクスピアは限りなく解釈論が出てるけど、福田さんの解題は無理がなくて
いつも納得がいく。ちょっと「自分、シェイクスピア語れるかも…」とかいう生意気な気もしてくる。

逆にイアーゴーは「悪者らしい」いい味を出してる。
上手い具合に策略の手配が終わり、オセローを罠にはめる前のセリフ、
「やっとお身籠りあそばしたぞ。あとは地獄と闇夜の手を借りて、
 この化け物に日の目をみせてやるばかりだ」
なんてのは、私も結構気に入ってたりします(もともと悪役が好きなので…笑)。
ただ、あくまでもイアーゴーのセリフは脇役にすぎず、ひょうきんな俗っぽさが抜けない。

だから、現代人には楽しくすらすら読める代わりに、詩的美しさが、やや欠ける作品になってます。
私も、「なんかあっという間に読み終わってたな…」という印象。二回目というのものありますが…。
シェイクスピアの例によって、もとはツィンツィオの「百物語」に原作があるのですが、
イアーゴーの悪役っぷりがさらに輪をかけられて、劇作向きになってるようです。
シェイクスピアは、こういう超悪いやつを登場させるの大好きですねー。


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