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あやかしの声

2009年08月27日 23:51

『阿刀田高』著 新潮文庫 271ページ

1996年の作品を文庫にしたもの。阿刀田さんはかなりたくさん作品を出してますが、
作品数でいうと後半の方のものになるためか、より目の付けどころが上手い。
阿刀田さんお得意の「不気味」さが後引く。前に紹介した「七つの怖い扉」に似てるかも。

ドスンと落とし込むオチをもってくる話もあれば、奇妙さを漂わせて終えるのもアリ。
地下鉄サリン事件を題材においた「背後の足音」は、最後の追記を読むと、
阿刀田さんらしい事件への想いや、気遣いが感じられる。

計11の作品を収録。
「背後の足音」    「死の匂い」
「愛のすみか」    「車輪の下」
「気弱な恋の物語」 「鼻のあるスクープ」
「灰色花壇」      「弁当箱の歌」
「俺の力」        「鉢伏山奇談」
「あやかしの声」

ところどころに関係のなさそうな伏線を張り、うま味を利かせる…的な事を、
巻末の解説でルポライターの朝山実さんが書いておられますけれど、
その微妙な一スパイスが、同じような数ある短編でも抜きんでる秘訣なんだろうと思う。

「あやかしの声」では、古い書物のつぶやきが聞こえてくる…という内容ですが、
エジプトのアレクサンドリアで、世界最古の図書館跡地へ赴いた主人公が、
不思議な老人に連れられて、重なった石の奥から聞こえるブツブツという声を聞く。
その主軸の脇には、妻の知り合いで本を出版したという人物が…。

こういう伏線が、やっぱりベテランはすごいんだろうなぁ…。
阿刀田さんは直木賞や、乱歩賞などの審査員をやってますが、
やっぱり大衆小説家というカテゴリーになるのかしら…。
人間を掘り下げる…純文学とは違うものの、そういうところまで、
この方なら考えてそうだなあ…。


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