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ヘルマンとドロテーア

2009年06月29日 23:19

『ゲーテ』著 国松 孝二 訳 新潮文庫 112ページ

久々のゲーテ。思えば読書にはまりだした当初、
ギリシア神話に傾倒していたためか、「ファウスト」が異常に面白くて、
メフィストと若返って恋に夢中なファウストとのやり取りが楽しかった…。

そして雰囲気は変わって「ウェルテル」。あれもイイ。
あの作品を読んだのと読んでないのとでは、
ゲーテの印象が全く違ってくるでしょうね。

今回の作品は、今までの「悲恋」とは打って変わって、
苦しい革命のさなか、希望に満ちた男女の愛が牧歌的に描かれます。

原題になったのは、1731年にあった実際の事件。
ある金持ちの息子が、プロテスタントの避難民女性に恋をし、
女中として雇うという名目で、家に連れて帰ってきた。
やがて、息子は本当のことを打ち明け、二人は結ばれるという話。

純粋な青年ヘルマンは、フランス革命によって住所を追われた避難民へ施しをしに赴く。
そして、その中から美しく気丈で、誇り高い娘ドロテーアを見出す。
父親は元来、金銭的に見栄を張るところがあった為、
持参金も持たない避難民の娘に対して訝しがるが、反対に優しい母親は、
息子の悩みを聞いてやり、そして父親との仲介役を務めてくれる。

最終的に二人は結婚することになり、話としては単純と言えば単純。
しかし物語の中に、格言が散りばめられている。
派手さはないのに、やっぱりゲーテはさすがだなあと思わせる。
登場人物一人一人がとても良く、その中でもドロテーアと母親がすこぶる魅力的だ。

女性…これが一つのキーワードになっている。
母親の像は、ゲーテが愛してやまなかった母親がモチーフになっているし、
また、ドロテーアは「ウェルテル」に登場したロッテを思い起こさせる。
ゲーテの中で美しく誇り高い女性は、こんな理想像だったのかな?
というのが、いくつかの作品を見てると共通点が感じられる。

話の流れも、翻訳も非常に読みやすい。
基本的にゲーテは難産のイメージが強い作家で、
この作品も熟慮を重ねた上での完成だったようです。
そのせいか、文章が美しい、無駄がない。

予備知識が要らないので、ゲーテの入門としては入りやすいのでは。
それぞれの歌章にタイトルが付き、女神の名前になっているけれど、
注釈があるので知らない人でも問題なしです。


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