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ヴィヨンの妻

2009年03月24日 00:47

『太宰治』著 新潮文庫 173ページ

なんだか知らないけれど、不思議な魅力のある作家。
今回ので太宰の本は、新潮文庫にして3冊目になるけれど、
楽しい気持ちになる作品が少ない割に、妙に気になる作家だ…。

収録作品は以下の8作品。

・親友交歓   ・トカトントン
・父        ・母
・ヴィヨンの妻  ・おさん
・家庭の幸福  ・桜桃

正直、私の読みが浅いので、太宰が何を言いたかったのか、
8作品を通してあんまり理解することができなかった…。

表題作の「ヴィヨンの妻」は、放蕩者の夫がしでかした盗みをきっかけとして、
妻は料理屋で働くことになる。新しい生活に喜びを見出す妻と、変わらず酒を飲み続ける夫…。
最後に妻は他の男に犯されるが、「生きてさえいればいいのよ」と
夫に何も話すことなく、いつものように働き続ける。

暗いストーリーの割には、あっさりとした妻の態度が印象的。
太宰の作品はどれもそうだが、女がとても力強いと思う。
夫の遊楽にもめげず、子供を育て、なんとかやりくりしている。

戦争のさなかも芸術意欲を燃やし、作品を書き続けた作家というのは少ない…と、
どこかで読んだことがあるけれど、太宰はその数少ない作家の一人。
無条件降伏の後の虚脱感、それを作品にも読み取ることができる。

作品の中の女は力強いと書いたけれど、引き換えに男の方は変わらない。
戦後の新しい日本の歩む道、希望の道を女性の力強さに見る反面、
常に付きまとう虚脱感が、作家のもがいている心情を投影していると思った。
テーマが分かりづらいな…と思うのも、そこかもしれない。
迷っている気持ちが分かるからこそ、救いようのない夫の行動も憎めない。

太宰治の作品は、その作家の家庭生活を垣間見れるものが多いが、
もしまあ、これが半分でも実話だとすると、大変な人だったのだろうなあ…。
「家庭の幸福は諸悪のもと」と言ってのけるように、決して純粋に家庭生活を楽しめる人ではなかったようだ。


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