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食卓はいつもミステリー

2009年02月26日 22:35

『阿刀田高』著 新潮文庫 243ページ

阿刀田氏の作品といえば、「~を楽しむために」、「~を知っていますか」などの
解説書シリーズが私の阿刀田始めでした。
新・旧の聖書からスタートして、アラビアンナイト・コーラン…
最近ではダンテやチェーホフといった個別の作家の入門書が出てるので嬉しい。

本来短編小説の天才といわれている作家のショートストーリーをあまり読んでないのは
失礼にあたるかもしれないですね。阿刀田さんの才能は他のジャンルにも及んで、
エッセイ・長編なども書いておられる。

今回のはジャンルにすればエッセイになるのだと思う。
そのタイトルにもあるように、「食」に関する色々な意見を4~5ページほどの短い文章の中に綴っておられる。
全部で45話あるけれど、1つのテーマでよくここまで多岐にわたった話題を広げたものだなあと。
ここはやはり、「閑話休題」がお好きな阿刀田さんらしい。
よくネタに困らなかったものだと野暮な意見は無用ということか。

話はそりゃもう枝葉のように広がり、「食欲」、「食事の夢」、「消化」、「美食」、「語源」、「習慣」と
いささか無理やりな気がしないでもない(笑)。ただ、話はあちこちに飛ぶ割に、
最後はなぜかうまいこと調和して形が整っている。生ハムとメロンを最初に食べたとき、
初めは本当にあうのかしら…と疑ってかかる感じから、ほほぅ…これは旨い、と変化する妙に似ている。

作家ならではと思う話として、エッセイの中で「柿の種」が好きだと書けば、
知人やメーカーから大量の柿の種が送られてくる。紅茶が好きだと書けば、
お歳暮に大量の…チョコレートが好きだと書けば友人が…。
と、目下何年分かの贈り物が届けられる。
いくら好物でもここまでくると…と、この先はハッキリ「きらいになる」とは書いてない。
けれど、タイトルは「好きな物を嫌いにする法」。
締め方は「おや、また玄関でブザーが乱暴に鳴っている」と、さすがに上手い。
送ってくれた人に失礼にあたらない、憎めない落とし方。

物語ではないのでストーリー性はないものの、起承転結の妙技が光る。読みやすい。
気軽に手にして、サクッと終わる。あいかわらず子気味よいです。
こういう作品を読むと、作家の人となりがよく分かりますね。


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