スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

家畜人ヤプー2

2007年10月22日 22:02

『沼正三』著 幻冬舎アウトロー文庫 342ページ

すでに友人から、読み終わったら貸してコールが二件入っている奇作。
切実に待っている彼らがマゾなのか、サドなのかは追及しないでおきます。

前回までの内容は御面倒でも過去の記事を参照して頂くとして、
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-17.html

麟一郎とクララが、白人女権専制社会の未来帝国イースに降り立ったあたりから始まる。

順調に(?)家畜としての処置を施されていく黄色人の麟一郎。
いや、麟一郎はもう過去の名前でしかない。彼はすでに家畜の「リン」として扱われていた。

唯一、恋人のクララに対してこの悪夢から救いを求めていたリンだったが、
彼女の内側にはすでにイース女性としての意識が芽生え始めていた。
そして、それはリンが調教として彼女の「月のもの」を食している姿を見ることで、
彼女のなかで決定的なものになる。

我が家畜の証明としての鞭打ちの儀式をクララから受けるリン。
そして彼女の小水の洗礼に、白人崇拝の信仰の植え付け。
今回もマゾヒスト要素のフルコースでお届けしております。

沼正三の話は、前回紹介したとおり。
今回の巻末の解説に、おもしろい事が載っていた。

「この小説は、サド的な本ではなく、間違いなくマゾ的な本である」
私は、常々この小説は「どちらに偏っていても楽しめる内容である」と考えていた。
それは間違いである。という事がこの解説を読むと思いなおす。

イース社会が下すヤプーへの要請に対し、彼らは「エロス的に」受け入れるのであり、
間違いなく彼らの視点から見れば、それが「幸せ」だからだ。
見方を変えれば、この文明は「ヤプーのエロス的文明」と言い換えれる。

今回の巻では、日本人の根底にある民族の歴史や、神話までマゾヒズムで侵されている。
万葉集や、浦島伝説、天照大神まで。作者は徹底して日本人の根底からヤプー論を植えつけている。
「そこまでやるか!?」と思わざるを得ない。淡々とリアルに説明をつなげていく文章。
一見すると、あまりにしつこい内容に退屈を覚えてしまうかもしれないが、逆にいえば
そこまで世界観を完璧に作り上げたことに、三島由紀夫らが称賛を送ったのだろう。


二巻を読み終えて…私の中で一つの変化があったことに気がついた。
一巻目を読んでた時、「これは、こういう物語なんだ」と、どこか一歩引いた
他人事の視点で見ていた。それが、今は無くなっている。

リンが可哀そうに思うこともなくなった。そういうものなのだ、妙な納得感。
これは、私がイース文明を当然のものとして受け入れたからなのか、
それとも黄色人種として「エロス的に」、家畜思考になり下がってきているのか。

「馬はね、一度増長させたら癖馬になってしまうのよ。こちらのほうが強くて
偉いんだということを、馬にのみ込ませるまでは、徹底的に責めつけなくちゃ」

クララの家畜論はさらに第三巻へ向け、増していく。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://hihidx.blog115.fc2.com/tb.php/27-acf35e17
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。