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ドリアン・グレイの画像

2009年02月03日 00:37

オスカー・ワイルド』著 西村 孝次 訳 岩波文庫 397ページ

<あらすじ>
ドリアン・グレイは純粋で美しい青年だった。ヘンリー・ウォットン卿に出会うまでは無垢そのものであった。
彼はウォットン卿から青春のはかなさを教えられる。それは余りにも残酷な教示だった。

折しも芸術家から自分の肖像画を譲り受けたドリアンは、その描かれた自分を見て驚愕する。
何という美しさ。ただ美しいだけではない。その姿を見ればだれもが彼に微笑みかけ、すべてを許す美しさなのだ。

「なんて悲しいことだ!ぼくは年をとって、ぞっとするような、見るも恐ろしいものになる。
 ところがこの絵はいつまでも若さを保つのだ。(中略)これが逆でさえあったなら!
 いつまでも若さを失わずにいるのがぼくで、年をとっていくのがこの絵の方だったなら!」

自らの美しさに気が付いてからというもの、ドリアンは生きることに突然、性急になった。
激しい初恋も経験した。そして残酷な罪を犯した。
その夜、家に帰りついたドリアンが見たものは、残酷な薄笑いを浮かべた自分の肖像画だった…!

その後も彼は沢山の罪を犯す。それに引き替え肖像画はだんだんと醜悪になっていく。
見た目には彼は美しいままだった。まさかあんな純粋そうな青年がと言われんばかりの美しさだった。
しかし、本当は繰り返さないからこそ青春は「美しい」のではなかったか。罪は許されるのではないのか?

やがて彼の周りにはよからぬ噂が立ち始める。
最後に自分の罪を悔い、改める時がきたとして、はたして肖像画はどんな答えを出すだろう。
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「ドリアン・グレイの肖像」という名前の方で有名かもしれませんね、やはり名作でした。

最後の10ページ、恐ろしすぎます。すごく考えさせられるし、作者が相当深く、罪と罰について考えたんだろうと感服します。
醜いものがあるから、美しいものがある。それが欠けた人間の不完全さが鋭く胸に刺さります。
ワイルドが伝えたかった考えというのは、「罰には浄化の働きがある」という言葉に凝縮されていると思います。

この作品の着眼点のよさ、ユニークさ、共に私的にヒットしました。
「サロメ」などを書いた劇作家で、セリフに重さがあり、この作品のテーマがより引き立ったと思います。
発表したときには大ブーイングを受けたみたいですが、「だからなんだい」と作者は自信たっぷりに構えていたとか。
その気持ちもわからないではない完成度だと思います。
多少、文法的に倒置法が多く用いられていたので読みにくいところもありましたが、内容で充分カバーできると思います。


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