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恋愛指南-アルス・アマトリア-

2008年11月27日 23:57

『オウィディウス』著 沓掛 良彦 訳 岩波文庫 214ページ

恋愛技術は、オレが教えちゃる!とばかりに自信満々の真打登場。
ローマの一大詩人、オウィディウスの教授はギリシア神話の神々も
ダメ出しをくらうほど手厳しく、そして楽しい。

そもそも、この本はパロディ。真面目腐った題材を、面白おかしくもじるのは、この時代すでに始まっていた。
題材になったのはウェルギリウスの「農耕詩」。ウェルギリウスと言えば、古代ローマの詩人では
一番有名といっても差支えなく、ダンテの神曲にも案内役として出てきていましたね。
いたって真面目な彼。きっとA型の男でしょう(笑)。それを一変して恋の手引き本に変えてしまった。
この手法が一般市民に受けたのは言うまでもない。

とにかくローマは性愛に自由だった。どこかで触れたかもしれないけれど、ポンペイは特にその傾向が強い。
ローマ市民にとって、軽井沢の別荘のようなイメージだったポンペイ。そこでは所謂、色町があり、
公然とそれが認められるような風習で、街にはペニスをおっ立てた彫像が堂々と立っていた。
カエサルの人気が高かった当時、あの有名な「来た、見た、勝った」のセリフをもじって、
「来た、やった、帰った」なんていう落書きが残されているというのだから、なんとも愉快。
(ちなみに本書の表紙を飾っている写真もポンペイの壁画である)
そんなローマを思い浮かべながらこの本を読んでいると、何ともいえない歴史の楽しさを感じる。

「女がさわられてよろこぶ場所をつきとめたら、恥ずかしいからということで、
 そこにさわるのを遠慮しないことだ。(中略)哀願の声が発せられ、
 耳をくすぐるささやきが洩らされ、甘いうめき声と愛のたわむれにふさわしい言葉が聞かれよう。」

この人にかかると、神様だって恋愛の道具の一つになる。
「ユピテル(ゼウス)にかけて!」と、大いに神様を証人にして女を口説け!
こんな感じなもんだから、全くあんたはもー…という感じ(笑)。

キリスト教の起りによって以来、性的なものの多くが破壊され、資料も随分減った。
この「愛の技術(原題)」も例にもれず、そのテーマ性のために禁書とされる。
しかし、ルネッサンスの意味が「再生」であるように、絶大な人気を博して
本書がまた読まれるようになった。このことは、内容の面白さを語るに十分すぎる証拠だろう。


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