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恐怖の谷

2008年10月23日 00:23

『コナン・ドイル』著 延原 謙 訳 新潮文庫 258ページ

シャーロック・ホームズの長編シリーズ第4弾。
これで最後の長編になる。一番完成度が高いと言われる前作の「バスカヴィル家の犬」より、
私はこちらの方が好きかも知れない。少し打ち解けた話し方のホームズがGOOD。
シャーロック・ホームズのシリーズは、カテゴリー「コナン・ドイル」を参照してください。

今回の事件は、宿敵モリアティ教授の影が見え隠れする。
表面上はきわめて立派な教授で、学問もあり才能もあり、問題ない人物に見える。
「シャーロック・ホームズの思い出」で、その対決が語られるが、今回は横へ置いておこう。

事件はホームズの元に届いた暗号の手紙から始まる。
いつもの鮮やかさでその解読に成功したホームズとワトスン。
「内容はバールストンのダグラスに危険が迫っている」というものだった。
時同じくして警部のマクドナルドが、全く同じ内容を伝えるためにやってきた。
かくして、彼らはバールストンへ赴く。

死んだダグラスという男は、散弾銃で顔を打たれて悲惨な死に方をしていた。
生々しい死体の腕には謎の刻印。暗号のメモ。片方しかないダンベル。
地元警察が事件に有力な情報をつかみ、調査に進展を見せている中、
あくまでも自分の仮説を曲げないホームズは、今回も彼流の調査で犯人に迫る。

犯人逮捕のために、彼がした行動といえば…。
殺人現場の書斎に、一晩こもること。ワトスンから借りた大きなこうもり傘を持って。
結果が確定するまでは明確な答えを披露しないホームズ流に、周りはイライラしっぱなし。
しかし、それに従うしかないのも事実。一晩をすぎて彼の下した結論は…。

ワトスンはホームズのことを「実生活における劇作家」だという。

「私の内部からは芸術的な素質が湧きおこって、好演出をしつこく求めるのですな。
 われわれの職業というやつ、ときに結果を美化すうような膳立てでもしないことには、
 まったく単調で目も当てられないものになりますよ。(中略)

 電光的な推理や巧妙なわな、起こりうべき事柄への鋭い洞察、大胆な仮定のみごとな的中。
 こうしたものこそわが生涯の誇りであり、生きがいというものじゃないでしょうか?」

こうして、劇的な結末が見事に披露されるのである。
長編シリーズはその背景の深さがもう一つの楽しみ。
深い因縁に基づいた事件で、今回もその説明のために本編の半分が取られている。
長編シリーズがここで終わってしまうのは非常に残念なところ。

次はモリアティ教授との対決を楽しみに取っておこうと思います。
そういえば、ホームズが映画化されるようで…。コミック版のを元にしたアクションっ気の強いものになるとか。
「ボヘミアの醜聞」で出てきたアイリーン・アドラーが出たり、モリアティ教授が出たり、
割りと原作とは違った内容のようですね。うーん、見に行くかは微妙なところ。
ホームズはあのガリガリな体躯と、ちょっと変人気味の性格がイイと思うのですが…。
そこを監督にはぜひ表現して頂きたいものです。


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