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食べられた男

2008年10月15日 21:39

『阿刀田高』著 講談社文庫 265ページ

こりゃあ活字嫌いな人も、読んだらハマるんじゃないかな~。
ブラック・ユーモア溢れるショートショート集。全42編。

重い話題も阿刀田テイストで読むと、あーら不思議、こんなにとっつきやすく。
作品みてると、「あ~阿刀田さんっぽいなあ…」と思うものばかり。
シンプルで必要な言葉を厳選した感じ。無駄がない。

基本的に薄気味悪い話が多いので、イメージとしては「世にも奇妙な物語」。
とにかく読みやすいのが今回は一番のポイント。
最近、読書をする時間が減ったせいか、文を目で追うのにいつものスピードが出ず、イライラしてました。
こんな時に読むのはやっぱり阿刀田さんや、赤川さんあたりの作家に限りますねー。

今回も一作だけ紹介を。

夜遅くまで残っていたサラリーマンが、誰もいない廊下を歩いて帰ろうとしていた。
ロッカールームはひっそりと静まり返って薄気味悪い。
ふと、同僚だったN君のことを思い出した。一目見た時から気の弱そうな印象のN君。

N君が配属されたのは、一番底意地の悪いS課長のところだった。
一種のサディズムな新人イビリは、N君を自殺へ追い込んだ。
屋上からの飛び降り自殺だった。遺書はなかったが、言いたいことはきっと沢山あっただろう。

歩いていると、ふと青白い顔が目に浮かんだ。
おや?と思うと、それは次第に輪郭をあらわにしてN君の姿になった。
「…N君!迷わずに成仏してくれ…!」

しかし、N君は黙ってこちらを見つめている。
なんでそんな目つきで私を見るんだ。私は何もしてやしない。見当違いもはなはだしい。
「キミ、お門違いだ。化けて出るのならS課長の所へ出ろ」
怯えながらも私はそう言った。

しかし、N君は悲しげな歌うような声で言う。
「でも、怖くて。オレ、S課長の所へは出られないんだ」

こんな感じのショートショートが続くので、テンポのいいことったらない。
この手のユーモアは、人によって気にいるか気に入らないか分かれるところですね。
私は高尚なセンスだと思っているので、とても気に入っています(笑)。


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