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バスカヴィル家の犬

2008年08月20日 22:27

『コナン・ドイル』著 延原 謙 訳 新潮文庫 266ページ

ドイルの長編では3作目。
これまでのように二部構成でなく、一つの流れで進み、
事件が最初から最後までスピードを失わない。

西部イングランドの荒野に忽然と現れた怪物。
らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす犬の伝説が
その土地では語り継がれてきた。村人たちは、「バスガヴィル家の呪いの犬」だという。
はたして、魔犬は本当に伝説の怪物なのか?

新しくバスカヴィル家へ領主としてやってきたヘンリ卿に魔の手が迫る。
依頼を受けたホームズとワトスンの二人は、それを防ぐことができるのか…??

他の推理小説と違って、情景豊かに繰り広げられるドイルの長編シリーズ。
今回は特に舞台となるデヴォンシャの自然を大いに活用した作風が良い。
泥沢地であるとか、土地の起伏、底無しの大沼、濃い霧、
ホームズ本来の面白さに加えて、そういった「フィールド」が話の奇抜さを更に一段押し上げる。

特に今回注目すべきところが、犯人の手強さ。
基本的に長編はその長さだけあって犯行の手口やトリックも複雑になる訳だが、
それにプラスして、今度の犯人は狡猾。馬車を尾行したホームズが珍しくそれに失敗。
御者に乗っていた人間というのを問い詰めてみると、犯人はホームズという名を騙って馬車を降りていったと証言する。
漂う「してやられた」感。しかも今回は一度きりではなく、数回出し抜かれる。

ただ、このホームズという男、やられっぱなしで黙っているような人間ではない。
むしろ、犯人の知能が高ければ高い程、目を輝かせて、嬉しそうな顔をする。
何度か犯人に網を張るが、逃げられてしまう。
しかし、次第に網を手繰り寄せる力は強くなり、その範囲も狭くなっていく。
シャーロック・ホームズの手腕がここら辺から光り始める。

ホームズの新しい一面は見られなかったけれど、
王道を行く展開に、流しソーメンのごとくスーッと読み終わってしまいました。

それにしても、長編はほのぼの感がなく本当に残酷な殺人で生々しさがあります。
こういう(まぁ本来の推理小説的な)事件を読んだ後は、
短編の軽い(?)事件もまた読みたくなりますなぁ。


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