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仏教(上)第一部 仏陀

2008年08月05日 20:30

『ベック』著 渡辺 照宏 訳 岩波文庫 177ページ

最近モーニング2で連載されている『聖☆おにいさん』という漫画にハマっています。
漫画といえば、横山光輝氏の『三国志』と、『新世紀エヴァンゲリオン』くらいしか
最近は興味のなかった私ですが、友達に勧められたこの漫画にはかなり爆笑しました。

結構人気もあるようで、作者のサイン会とかも催されているそうな。
内容は、世紀末のお勤めを無事に終えたイエス・キリストと仏陀が、
東京のアパートで部屋を借りて生活しているというもの。
宗教を知らなくても充分楽しめる内容ですけど、知っているとなお面白い。
借りて帰ったあと、電車で読んでましたが、笑いを抑えるのに必死でお腹がよじれそうでした。

とまあ、漫画の話は置いといて…。最近は宗教を知ってると随分便利ですね。
ロシア文学がジュンク堂で平積みになっていてビックリしましたが、
読書が流行りに乗ってきた感じがします。これを機に、古典文学の見直しも起こっているようですね。

ただ、仏教とキリスト教では絵的にもストーリー性も、
ドラマチック感が大きく違うのでしょう。仏教を元にした作品はあまり見かけません。
今回この本を読んで思ったのは、いやいや仏教も負けてないよ!ということ。

キリスト教との大きな違いは、仏陀自身が神や教祖となっていないこと。
イエス・キリストは「神の子」として地上に降り立ったのであって、
キリストの像に向かってお祈りするのは、神様にお祈りしているのと同義。
しかし、仏陀は教えを広めただけであって、自らを教祖として崇める事を、むしろ反対している。
「自分が死んだら、教理を師と思って修行に励みなさい」と、死ぬ時にも弟子に言う。

じゃあ教理とは何なのか。意外に仏教の教理って知らないんじゃないでしょうか。
教典がないと仏陀は現れなかっただろうし、仏陀がいないと仏教は世界に広がらなかったでしょう。
この本の第一部は、仏陀の生涯と、仏陀という人間の考察、文献の考察などが主だった内容。
前半部分、仏陀の生涯はストーリー性があって面白いけれど、後半は興味のない人には大学の講義のようでつまらないかも。

先ほど、仏教もストーリー性は負けてないと言いましたが、
なにせその生い立ちがシュールな事と言ったら、キリストに対してもタメを張るでしょう。
生まれた時は、母親の右脇からポロっと出てきて、いきなり7歩歩いたかと思うと、
「天上天下、唯我仏尊」と言い放つ。すごいエラそう(笑)。王子として何不自由なく過ごして結婚もする。
しかし、ある日外に出かけた王子は、年老いた人と、病に苦しむ人、そして死んだ人を見る。

美女に囲まれ、おいしいものを食べ、金銀宝石に彩られ生活してきた王子は、
いずれ行き着く人の運命を見て、虚しさを覚える。
どうせ人は死ぬのだ。しかし、こういう俗世の欲望があるためにまた生まれたいと望む。
そしてまたこの世に生まれ出ては、死という運命を背負って苦しむ。その繰り返しなのだ。

死という苦しみを避けるにはどうしたらいいのか。
ピコン!(クイズ大会のあれ)
そうだ、生まれてこなきゃいいんだ!!

少し乱暴すぎる解説になりましたが、簡単に言うとそういう感じ。
ブッダが苦行を行うのも、俗世の煩悩や官能欲を断ち切って、死を繰り返す輪廻転生を断ち切るため。
輪廻で生まれ変わるのは、私はいいことだと思ってたのですが、認識違いだったようです。

すべての人は「患者」であって、病める精神の持ち主。
仏陀はその人々を救うため(輪廻を断ち切るため)に立ち上がり、仏教を広める。
仏教の基本的な部分を理解するのは、意識的に本を読まないと分からないものですね。
なかなか読む機会がなかったので、今回は勉強になりました。


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