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シャーロック・ホームズの事件簿

2008年06月07日 23:53

『コナン・ドイル』著 延原 謙 訳 新潮文庫 333ページ

ホームズシリーズでは後期の作品群。短編10作を収録。
ここまでくると、ワトスンとホームズのコンビも阿吽の呼吸とでもいえばいいか、
ホームズが愛用するタバコやヴァイオリンのように、ワトスンもその思考に
なくてはならない存在になってきたようだ。

今回興味を引かれたのが、ホームズ自らが綴った事件簿が二作入っていること。
回想録という形で、これまでのストーリーはワトスンがホームズと共に解決したか、
または彼から聞いた話を、物語としているのに対し、今回「白面の兵士」と「ライオンのたてがみ」では、
彼が筆を取ったという形式のものだから面白い。

特に「ライオンのたてがみ」は、「小さな農場へ引退したい」と言っていたホームズが、
実際に南イングランドの浜辺へ別荘を構えて、隠居生活を始めてから起こった事件であり、
作者自身も含め、ホームズシリーズの晩年期を思わせる。

少し残念なのは、ホームズの見せる推理が文章的に多く取り入れられなくなったことで、
「つまらないような些細な事からでも、推理を導き出す」という彼の魅力が、紹介されつくされてないのではないかと思う。
ただ、彼の人間味に関しては得るところが多く、例えば「覆面の下宿人」では、顔に大怪我を追った女性が、
自殺するのを押しとどめたりする。それが感情的に説得するのではなく、
いかにも冷静に理路整然と行うのが彼らしい。

そして、彼の人間味が一番出ていたのではないかと思うのが、
「三人ガリデブ」の作品の中で、ワトスンが犯人に銃で撃たれるところ。
ワトスン本人も言うように、「マスクのような冷ややかな顔の影に、こんなにも深い誠実と愛情を秘めている」のだと。
普段は冷静沈着なホームズも、この時ばかりはうろたえ、唇は震え、ワトスンを心配した。
こういった垣間見せる彼の人となりが、楽しめる作品が多かった気がする。

なんだか、明らかに読む順番を間違えてしまっている。正確な発表順というわけではないが、
長編と短編に分けると、流れはこんな感じ。
長編…「緋色の研究」→「四つの署名」→「バスカヴィル家の犬」→「恐怖の谷」
短編…「冒険」→「思い出」→「帰還」→「最後の挨拶」→「事件簿」→「叡智」
最後の「シャーロック・ホームズの叡智」だけは、翻訳時に割愛した部分をまとめたもの。

WEBで調べればすぐ分かることですが、あくまでも参考までに。


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