スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

寓話2

2008年05月25日 17:17

『谷口江里也』著 ギュルダーヴ・ドレ画 アルケミア出版 237ページ

先日紹介した、ラ・フォンテーヌの「寓話」二巻。
今回も80話を収録。一巻は下記を参照してください↓
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-123.html

一つ一つは短い話といえど、読み進めながらあれこれ考えていると、
結構読みごたえがあるもの。面白くてすぐに二巻に取り掛かりました。
男の着ている外套をどちらが脱がせることができるか…有名な「北風と太陽」の話とかも載っていて、とても懐かしい。
子供のころ読んだ時には、ただ面白い話と思っただけなのになあ…。
ウサギとカメの話の考察も載っていて、興味深かったです。
勝敗が見えきった勝負をしても、周りからはさげすみの目で見られるだけ。
ウサギは最初からそんな事をするつもりはなく、本当はカメの方から持ちかけた勝負だった。
ウサギはまんまと騙されて…とかなんとか。

80話を読んでみて、不思議なことにウーンと手を止めて考えてしまう話は、どこか似ているものが多く、
私の場合は男女の関係の話とか(笑)、人間はなんて無知でちっぽけなんだろう…というのを示唆している話に惹かれるようです。
心のどこかで、そういうのを反省している自分がいるんでしょうか?そう思いたいものですね。

今回も一話だけご紹介します。

-----------------------------------------------------------------------------

「ハゲワシと戦争」

ハゲワシは何故か戦争好きだ。
それもしょちゅう仲間同士で戦争をする。
もちろん負傷者が出るし、死者だって出る。
なのに戦争をする。

どうして戦争が好きなのかも、その原因もよく分からない。
必ずお互いを悪く言い、それぞれが正当性を主張する。
悪いのは相手側であって、それも徹底的に凝らしめないといけない程ひどいらしく、
だからこうして戦争をするのだという。
そうしないと、善悪の基準や社会ルールが成り立たないのだとか。

では、その戦争でどちらかが勝ったとして、
勝った方の言い分が優先されたとしよう。
すると負けた方が間違っていたと反省して、
勝った方のルールに合わせていくのかというと、
そう上手くいったためしはない。
むしろ、相手に屈した悔しさが次の戦争を引き起こす
要因となってることだって少なくない。

そうして戦争は繰り返され、繰り返されて、憎しみだけが深まっていく。
だからハゲワシはこれから先も激しく憎み合うのかというと、
一羽一羽に聞く限り、どうもそれを望んでいるわけでもないらしい。

戦争の主役は男のハゲワシだが、妻もいれば子供もいるし、あるいは恋人もいる。
むろん傷ついたり、死んだりすることで嘆き悲しむハゲワシはたくさんいる。
どんなに怖い顔をしても、傷つけば血を流し、悲しければ泣く。

考えてみると、うんざりするほどの血が流れた。
なのにどうして、ハゲワシは戦争をするのだろう。
血や涙をいつまでも流し続けるのだろう。

-----------------------------------------------------------------------------

歴史で繰り返してきたことを、こんな端的に愚かしいことだと表現できたものでしょうか。
動物がしているのを見ると笑えてしまうのに、私たちは武器をもって真剣にやっているのですね。
ドレはこの話に、戦争に行く一家の主を描いています。家族がその人にすがっています。
ドミノを止めるように、どこかでこの連鎖をストップできたらいいのですが…。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://hihidx.blog115.fc2.com/tb.php/127-14c22dc5
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。