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寓話1

2008年05月15日 22:29

『谷口江里也』著 ギュルダーヴ・ドレ画 アルケミア出版 253ページ

「神曲」のところでも紹介したアルケミア出版のドレ画本。
原文はイソップの寓話をもとにラ・フォンテーヌが書き上げたものを、
現代風に読みやすく翻訳したもの。

寓話とは…ウィキペディアによれば、
「道徳的な教訓を伝えるための短い物語。しばしば、動物などを登場人物とし、
不可解で神秘的な印象を与えることも多い。そのような表現法を寓意と言う」。
童話がその代表例になるのですが、イソップ童話でご存じの通り、有名な話が多いです。

一番最初に来たのが、アリとキリギリス。この本ではアリとセミでしたが。
あとは、ツルとオオカミの話とか。平たい皿と、筒のようなコップでスープを勧めるアレですね。

ちょっとよく分からんなあという作品もありましたが、全部で80話収録。ちなみに3巻まであります。
それにしてもやっぱりドレの絵はすごい!一つの話の最初から最後まで絵で表現していったのは、
今でいうマンガのような感じ。いや、ドラマかな。媒体が紙であっただけで。
寓話は動物の話が多いのですが、それを表現するのに人間を描いたりしています。
そこはドレの判断でしたのでしょうが、そこがまた面白い。
こんな風に、この芸術家は教訓を捉えたのか。。。と。

イソップが最初に寓話を描き上げたのにもモチーフがあり、民話であるとか、
もともとあった「おはなし」をイソップが「寓話」の形態で再構築したそう。
ラ・フォンテーヌに関しては、イソップ寓話形式を継承しつつ、
そのモデルを動物に変えたりして、かなり自由に踏襲している。
そして、その100年後。ドレが挿絵を彼なりの理解と解釈でつける。
そしてさらに、谷口さんが現代風に翻訳して、この本の完成である。

数段変化の賜物である。読んでいるととても楽しい。
谷口さんの軽い口調の翻訳で、動物たちが可愛らしく登場しているのに、
話していることはとてもシュール。教訓を与えるイソップと、表現するラ・フォンテーヌ。
そしてドレ画が添えられて…フルコースの完成といった感じ。

折角なので、私がとても面白いと感じた一話を紹介しますね。

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「中年男と二人の奥様候補」

あるところに独身の中年男がいた。
そろそろ結婚でもしようかなと思った時、お金もそれなりにあったので、
それらしい素振りをするとその気になって女はいくらでも寄ってきた。

やがて二人の女を奥さま候補にして、屋敷に出入りさせるようになった。
一人はうら若い女。一人は年増の女。お互いに競い合って譲らない。

ある日、三人でいる時に、どちらともなく二人の女が男の頭の毛の手入れを始めた。
白髪交じりの髪の毛だったので、どちらの女も自分の年齢との釣り合いを考え、
若い女は白髪ばかり抜くし、年増の女は黒い髪ばかりを抜いて、
しまいには男の頭の毛はすっかりなくなってしまった。

男は内心呆然となったが、そこは年を重ねただけあって、落ち着いてこう言った。
「ありがとうご婦人がた。おかげでようく分かった。
 女というものが、男を自分の都合のいいように好き勝手にするものだという事が。
 これが髪の毛だから良かったものの、知らずにどちらかをめとっていたら、
 遠からず丸裸にされるところだった」

こうして二人は締め出され、屋敷には貧相な頭をした一人の男だけが残った。

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さて、あなたはこの中からどの話に興味を持つでしょうか。
そこも人それぞれ違いがあって、面白いものですね。


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