スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アンの青春

2009年05月31日 14:57

『ルーシー・モード・モンゴメリ』著 村岡 花子 訳 新潮文庫 380ページ

「赤毛のアン」から少し大人になったアンの青春時代の物語。
前作はコチラ→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-258.html

17歳になったアン。新任教師として子供たちに勉強を教える傍ら、
村を美しくするというモットーのもと、「改善委員会」を立ち上げ、
寄付を募ったり、改善計画を立てたりと忙しい毎日を送っていた。

アンは子供時代の想像力を今でも持ち合わせていて、
その大切さを知っているため、前作の「自分のための想像」から、教育を通してそれを教える立場になった。
森を散歩したり、自由に作文を書かせたり…勉強だけにこだわらないアンの方針は、子供たちの人気者になる。
反抗的な子供もいて、悩みの種は尽きないけれど、持前の前向きな性格と忍耐強さで、それも乗り越えていきます。

「青春」という内容にピッタリで、教育の他にも改善会の仕事、
それに引き取った双子の世話、そしてロマンスのお手伝い…と目まぐるしく毎日を送っていきます。
これ!といった主軸のストーリーが無いのは前回と同じで、たくさんの仕事の中でトラブルが待ち受けています。
アンは絶望的な事態に陥っても決してあきらめず、
「曲がり角をまがったさきには何が起こるか分からない」という信念を持ち続けます。

不思議なのは、色々と悩んできたことが、気がつかない間に解決していって、
読み終わる頃にはすっかり何もかも片付いていること。
アンのような生き方をすれば、まるで人生はどうとでも幸せにできるかのように。

最後にアンは友人ギルバートと一緒に大学へ行くことになります。
双子の世話や、教師の生活を捨て、新しい世界へ行くのは決心が要りますが、
自分の人生のため、彼女はさらなるステージへと旅立っていきます。

アン・ブックスは「赤毛のアン」から「アンの娘リラ」までの10作品。
まだまだ彼女の人生は道半ばです。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

スポンサーサイト

魔女の宅急便

2009年05月31日 13:17

『角野栄子』著 林 明子 画 福音館書店 261ページ

言わずと知れたスタジオジブリの「魔女の宅急便」の原作。
シリーズものの第一巻で、5冊セットでも販売してます。
(09.10.07に6巻が発売されて完結しました!「6冊セット」で購入可能です)

<あらすじ>
13歳になった魔女のキキは生まれ故郷の街を出て、
修行のために一年間、よその街で生活しなければなりません。
昔の魔女は色々な魔法が使えたそうですが、キキは飛ぶことしかできません。
一年を通してキキと、相棒のジジの成長を見守ります。
-----------------------------------------------------------------------------
基本的なコンセプトはアニメと一緒なんですが、ストーリーは少し違います。
アニメはこれを読んでると読んでないでは面白みが全く変わってきます!
ジブリの「魔女の宅急便」が好きなら、絶対一度は読むべきですね!

ジジの言葉が途中で分からなくなったのは、魔法の力が
弱くなってしまったからだと思ってたんですが、それ以外にも理由があるみたいです。
他にも「贈り物の蓋を開ける時みたいにわくわくしてるわ」とか、
セリフがそのまま採用されてたりするのがたまらなくイイです。
勘違いしてたのが、「明日になったら白猫になってると思うよ…」というジジのセリフ、
おソノさんに借りた部屋はホコリがすごいのかと思ってたら、
パンの粉置場の上の部屋だから、その粉が一面に覆ってたんですね。

今の世に合わない現代の魔女…という設定が、この作品のポイントです。
キキがお届けもの屋さんという仕事を思いついたのも、必然だったのかも。
「この街の人は魔女があまりお好きでないみたいですね…」
このセリフが、今の世の中全体を象徴しているみたいで意外に深いです。

はたしてキキの一人立ちは成功するのでしょうか?
児童書でも、児童書以上の価値をもった作品っていうのは、こういうのを云うのでしょうね。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

旅ボン 北海道編

2009年05月29日 00:47

『ボンボヤージュ』著 ゴマブックス 137ページ

おなじみ「ちびギャラ」のボンボヤージュさん、旅ボン第三弾。
長年の付き合いの某嬢から、第一弾のイタリア編を借りたのが2007年12月…。
月日がたつの早うございます。こうして年齢は霜柱のように重なっていくのですね。。。

「旅ボン イタリア編」→ http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-45.html

ちなみに第二弾は「富士山編」ですが、本屋で立ち読みしただけなのでパス…。
今後は第四弾として「沖縄編」も予定しているとか。

読んでるとかなり旅行行きたくなります。
北海道と言えば、食べ物がおいしい!というイメージがやっぱり強いですよね。
この旅行メンバーの食欲が豪快なことも手伝ってか(笑)、非常に魅力的です。
メロン食べたい…じゅるり。バケツにゴロゴロ入って売られているのだとか。た、たまらん。
私はウニとかつぶ貝とか苦手なんですが、本場のおいしぃのを食べたら、
好きになれちゃったりするんでしょうか。鰻はそのパターンだったので…。

それにしても普通人の旅行とそう変わりはないんでしょうが、
この人の手になると、ネタ旅行みたいな感じがしますね(笑)。
イタリアの時は文化の違いがあって、ネタになるんだろうと思ってましたが、違いました。素でした。
突っ込み具合も前回よりパワーアップしています。

ちなみにこの旅は、日本一のイラストレーターになるため、
日本で一番北の宗谷岬と、東の納沙布岬へ到達する目的があるらしいけれど、
そこには思わぬフェイントが待ち構えていて…。

ファンの方には待ち遠しい一冊だったようで、内容も充実です。
個人的に一番気になるのは、「ケンとメリーの木」ですかね。
スカイラインで走ったらさまになるでしょうか。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

ファーブルの昆虫記

2009年05月26日 19:58

『アンリ=ファーブル』著 中村 浩・江口 清 訳 講談社青い鳥文庫 241ページ

毒グモと毒針を持つハチの戦い、
巨大蛾がメスのもとに集まる夕べ、
ホタルはカタツムリをどうやって食べる?

子供のころの読書感想文で読んだ記憶があります。いやあ懐かしい。
本当の「昆虫記」はもっと難しいのかもしれませんが、青い鳥文庫なので簡単。

今思えば、この観察記を書くのはかなりの忍耐力がいる仕事ですね。。。
死んだふりをする虫の話なんて、動き出すのに50分も待っていたとか。
目で見て、書きとめるしかなかった時代には、偉業だったのでしょう。
特にファーブルは貧乏だったので、教師の仕事をしながら研究を続けていたのだとか。
時にはおしべとめしべの講演がカトリック教会からバッシングを受けてしまうことも…。

そんなことにもめげずに研究を続けたファーブル。
著書はその成果によって、今までにない詳しい内容で高く評価されます。

それにしても、虫の本能というのはすごいですね。
人間が霊長類だなんて言ってうかうかしてられません。
どんなに科学で研究をしても、虫の本能の方が正確なこともたくさんあるのだと云う事を教えられました。

「昆虫の詩人」と言われたファーブルの名著。
「シートン動物記」と合わせて子供には絶対読ませたい一冊。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ

2009年05月25日 11:53

『シェイクスピア』著 福田 恆存 訳 新潮文庫 310ページ

久しぶりにシェイクスピアを読みましたが、今更ながら言葉の美しさに感動しました。
この二作品は、どちらかと云えば初期の方ですが、すでに才能を余すところなく見せてくれています。

シェイクスピアは何度も紹介したとおり、いろんな話を盛り込んで
一つの作品に仕上げる傾向がありますが、それが最も顕著なのが喜劇。
ご多分にもれず、今回もストーリーがあちこちで展開されて賑やかな話になっています。
最終的にそれが一つにまとまって、ハッピーエンドになるのですが、
初期の作品ということもあって少し話のつながらないところなどもありました。

経歴でいえば、習作時代→喜劇時代→悲劇時代→浪漫劇時代になりますが、
「じゃじゃ馬ならし」は習作時代で、「空騒ぎ」は喜劇時代。
個人的には前者の方が楽しくて好きでした。
その名の通り、「じゃじゃ馬ならし」は手に負えない娘カタリーナを、
機智に長けたペトルーキーオーが良妻に変えてしまう恋の駆け引き。
他の恋模様も入り混じって、最終的に「どれが本筋?」となってしまう感はあるけれど…。

余談ですが、今回とにかく名前が覚えにくかった…(笑)
ヴィンセンショー、ルーセンショー、ホーテンショーあたりならまだしも、
グレミオー、グルミオー、トラニオー、あたりになるともうダメ。
最後の方になっても、巻頭の登場人物紹介を見直さないといけませんでした。

ところで、昔は何の気なしに読み飛ばしていた文章の美しさですが、
ここにきて福田訳はやっぱりすごい!と再確認しました。

おお、あの女の方こそ私を、木石の忍耐すら超ゆる程に侮辱したのです。
枯れなんとする檞の木も、梢になお一葉の緑を残していたなら、
恐らくこのまま黙って引っ込みは致しますまい(以下略)。
                            「空騒ぎ より」

訳者泣かせと言われるシェイクスピアですが、
福田氏は相変わらずいい仕事をされてます。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

津軽

2009年05月20日 23:24

『太宰治』著 新潮文庫 212ページ

太宰治にこんなにハマるとは思わなかったなあ。
彼の人生が作品に大きく影響していることを知れば、
一つ一つがとても面白くなることは前に書きましたが、
この「津軽」こそ、太宰治の人となりが分かる作品です。
今まで読んだ中では、一番面白かったです!

太宰治の人生については前回を参照↓
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-293.html

津軽風土記を書くために帰郷し、東海岸から西海岸、北は竜飛まで
ぐるりと巡る旅であった。途中、生まれ故郷の金木へもより、
久しぶりに兄弟、親戚と再会している。

作品を読んだ上で津軽人の印象を述べるとすれば、「不器用」の一言に尽きる。
愛情表現が下手で、苦労の割には損をするタイプ。

たとえば蟹田のSさんなんかは、その気質を大いに表していて、
友人を接待するときに、どうしていいやらわからず気だけが急いて、
あれやこれやとチンプンカンプンな振る舞いをした揚句に、
後で行いを恥じて、すいませんと謝るようなことになってしまう。
太宰治も作品の中で読者に対して気を使っているが、
Sさんの不器用さと同じようなサービス精神が伺える。

故郷にも立ち寄っているが、そこでは気を揉み、よそよそしい。
しかし、旅の最後に立ち寄った小泊では、幼いころ母のように慕っていた
女中の「たけ」に会い、心の底から安心して何でも話している。
六男坊として生まれて、劣等感の塊のような生い立ちを持つ太宰の、
飾らないありのままの姿を見て、作品は幕を閉じる。

基本的に太宰治は酒飲みで堕落している自分に、
「俺はなんてダメな奴だ」と嘆いている節がある。
親類と縁の薄い太宰にとって、すべて受け止めてくれる「たけ」との再会が、
ひとしお感動を誘い、いつのまにか読む側までもが安心してしまうのだ。
よく、後書きなんかで「読者は太宰と同化し、魅了される」と書かれているが、
ああ、これがそうなのか、とやっと実感しました。

しかし、どうして、この太宰治という人…憎めないキャラだ。
この作品で「津軽人」の気性を知れば、なぜ彼が憎めないのかとても理解できます。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

ルパン対ホームズ

2009年05月16日 12:47

『モーリス=ルブラン』著 保篠 龍緒 訳 講談社青い鳥文庫 229ページ

これには手を出すまいと思っていたのになあ…。
子供向けな割には夢中になって、寝るもの忘れて読んでしまいました。

青ダイヤをめぐって、10日間の約束で二人が攻防を繰り広げる。
実はこれ以前に二人はすでに対峙しており、その時ホームズはルパンに
一杯食わされている。(「おそかりしシャーロック・ホームズ」1906年)
今回は2回目の対決ということになる。

ホームズの作者ドイルはルブランにとって先輩にあたるから、
この対決をルブランが書くのは不公平な気もするけれど…。
イギリスとフランスの歴史的事情もあって、ルパンを勝たせたい気持ちが強かったでしょう。

探偵小説とは少し違うので、トリックや推理はドイルのそれとは少し落ちるが、
まあ、この作品では対決がメインなので…。
二人のいいところは、双方が紳士であることにつきるでしょう。
ルパンは「怪盗紳士」の名の通り、金持ちしか狙わず、血を流すことなくエモノを狙う。
ホームズもあくまで紳士的に正々堂々とルパンと対決する。
互いの力が互角だから、スレスレのやりとりが実に面白い。
途中で本を閉じることができない。

しかし…この二人を対決させるなんて、卑怯ですよね!
だって、世紀の戦いですよ。誰もが見てみたいと思うにちがいないですよね~。
私なんかは、これまで読んできてホームズに愛着がありますから、
どちらかと言うとイギリス寄りですが、ああ、でもヴェルヌはフランスですね…
う~ん…どっちもいいですねえ~~(どないや)。
ルパンの文庫20巻セット、12600円…買うべきか…悩んでます。うむむ。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

夜間飛行

2009年05月15日 00:00

『サン・テグジュペリ』著 堀口 大學 訳 新潮文庫 283ページ

「星の王子さま」とはガラリとイメージが変わって、
これがサン・テグジュペリの本来の作風なんだろうなあと思える作品。
「星の王子さま」が有名すぎて、これが埋もれてしまうのは非常に残念。
詩的な美しい文章が私の苦手とするところで苦労しましたが、
これを読まずして、サン・テグジュペリを語りえません。

「夜間飛行」と「南方郵便機」の短編2篇を収録。
個人的には後者の方が好きですが、有名なのは前者ですね。

サン・テグジュペリが生きた時代は、まさに飛行機械の発展期。
1930年にヨーロッパ、アフリカ、南アメリカの三大陸の空路が開たばかりで、
まだまだ商業飛行は生と死を懸けて望む仕事であった。
サン・テグジュペリ自身は幼い頃から飛行士の夢を抱いており、
飛行連隊の経験も得て、郵便飛行業へも従事している。
彼の経歴で有名なのは、リビアの砂漠に不時着した時のことだろう。
飲まず食わずで生死をさまよった4日間は作品に大きな影響を与えている。

「夜間飛行」では一人の操縦士が帰らぬ人となる。
支配人リヴィエールは、その場面へ直面しても厳粛に仕事を遂行した。
彼には冷静に判断する必要があった。飛行をする操縦士以上に、
彼の命令はつらく、責任が重いことを知ったとき、この作品の良さに気づく。

死んだ飛行士の妻がリヴィエールを訪ねてきたとき、
さすがの彼も同情心が揺らぐ。しかし、それは一瞬の出来事だった。
このシーンに関しては、もう非常に詩的で悲しい美しさに溢れています。
そしてまた、リヴィエールは次の命令を下すのだった。愛以上の義務を持って。

先日ジブリ美術館へ行ってきましたが、この本が置いてありました。
宮崎駿氏がカバー装画だったことに、その時気がつきました。
なるほど、大先生がお好きになるのも分かる作品です。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

トニオ・クレエゲル

2009年05月12日 21:37

『トオマス・マン』著 実吉 捷郎 訳 岩波文庫 98ページ

難しいテーマであります。

真の芸術家は、「アウトサイダー」としての一面をまぬがれえない。
したがって芸術家は、その性格の根柢において病人や狂人や
犯罪者と数々の面でつながりをもつことになる。

それゆえに芸術家は、つねに「やましい良心」を持たなければならないし、
また同時に「尋常で端正で貞潔な」平凡な人々に対して、
「つまり凡庸性の法悦へ向かっての、ひそかな烈しい憧憬」を抱き続けなければならない。
「あるとことのもの」、すなわちありのままの自分に完全に「満足」しきった
芸術家などというものは、真の芸術家にとって「嘔吐」の対象でしかない。
                                (解説より:実吉 晴夫)

んー…なんじゃ??これだけ読むと、なんのことか分からないですが、
内容を読むうえでは、このテーマの意味がしっかり生きてくる。

芸術を愛するトニオの少年時代から物語は始まり、
親友ハンスや金髪のインゲボルグへの恋心などが語られる。
しかし、彼の芸術気質はそれらの好意を寄せていた人々には相合わずに終わってしまう。

彼の父は堅気の平民気質だったが、母は南のボヘミアンな気質を持った女だった。
父が死んでからほどなく、母は他の男と再婚し、彼方へ去ってしまった。
トニオは作家として有名になりつつあったが、真の芸術家になりきれずにいた。
つまり、「芸術と俗人」との間で揺れ動いていたのだった。
彼は作品の中で、女流画家のリザベタへ手紙でこう告白している。

「僕の父は、御存じでしょうが、北方的な気質の人でした(中略)。
 母は漠然と外国的な血があって、美しく官能的で無邪気で、
 投げやりであると同時に情熱的で、また衝動的なだらしなさを持っていました。(中略)」
 この混合から生まれ出たのはこういうものでした。芸術の中に紛れ込んだ俗人、
 よき子供部屋への郷愁をいだいているボヘミアン、やましい良心をもった芸術家でした」

そこらへんのジレンマが上の解説のようなテーマへ繋がってくるというわけです。
結局、トニオは故郷へ帰ってきて、そこでかつてのハンスとインゲボルグに会い、
そこで再び彼ら、いわゆる「俗」への嫉妬を覚えるのでした。
つまり、自分が目指していた「真の芸術家」には、なりきれなかったのです。

芸術と俗との間で揺れる作家、トオマス・マンの自画像がそこにはあります。
そういった悩みを持つことが無益だと感じるならば、この作品は全く面白くないでしょう。
訳は全体的に美しく、定評のある実吉訳はマンはじめにはお薦めできます。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

コーヒー党奇談

2009年05月07日 22:53

『阿刀田高』著 講談社文庫 348ページ

阿刀田さん出現率高いですね。忙しいとついつい手が伸びる…。
短編12篇を収録。いつもの奇をてらった様なのではなく、
物悲しいような、不思議な雰囲気を醸し出す作品集でした。

アムステルダムでふらりと立ち寄ったカフェ。
そこで飲んだアイリッシュ・コーヒーが抜群に美味かった。
店主は「東京においしいコーヒーの名前をつけた街がある」という。
主人公の隆二はその街で10年後の同じ日に再開すると約束する。
東京のどこかな…というのが分かったときには「あ~~」と思う。

今回は日本の話が多くて、「新諸国奇談」とはまた違った面白さがある。
基本的に落ち着いた作品が多いので、予想できないようなオチをつける
阿刀田さんが好きな人には、少し物足りないかもしれません。

「新諸国奇談」→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-255.html

私も、まさか!という展開を期待する傾向の人なので、
印象に残る作品はそんなになかったかなあと残念に思いました。
哀愁を楽しむには、まだ早すぎるというところでしょうか。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。