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ドグラ・マグラ 上

2009年01月30日 18:55

『夢野久作』著 角川文庫 324ページ

一人の精神病患者が、白い部屋で目を覚ます。
自分が何者なのか。今はいつなのか。ここはどこなのか。
一向に判らない。隣の部屋からは自分の許嫁だという少女の叫び声…。

日本三大奇書といわれる本作の最初のシーンだ。
ここからしてすでに普通の推理小説とは違うな…という印象。

自分が何者であるのか、それを思い出すことによって「ある実験」が成功するという…。
つまるところ、その記憶喪失の男はある教授の実験材料として、
今の状態におかれているらしいのだが、すでにその教授は自殺しているとのこと。
そして、その教授の残した論文や遺書などをもとに、記憶の回復を試みる…。

一体何が思い出されるのか。
拍子に負けず劣らずの異様な雰囲気をかもしつつ、私たち読者も
その論文や遺書を読んでいくことになるのだが…。

その内容はたしかに、普通の人間には思いつかない。
夢想家というに相応しい。多少難しくしつこい内容に取れるところもあるが、
上巻の段階ではなんとも評価しがたい。
「キチガイ地獄外道祭文」、「脳髄論」、「胎児の夢」など、
精神科学研究の内容考察がいろいろ出てくる。タイトルからして異様。
…そして、内容も異常。文章の表現が独特なためか、いっそう薄気味悪さは増す。

「狂人の書いた推理小説」、「読んだら一度は精神に異常をきたす」という宣伝文句ですが、
この段階ではその評価には届かないかと思います。
夢野久作氏は、私的には推理小説以外の作品が評価が高いので、
この作品でその見方が変わるかどうか興味深いです。

以降、下巻へ期待…といったところでしょうか。


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星の王子さま

2009年01月27日 18:27

『サン・テグジュペリ』著 河野 万里子 訳 新潮文庫 158ページ

挿絵がすっごいかわいい!!
表紙からして、惹かれるものがあります。
一体誰が描いたのかしら?と思ってカバーをめくってみると、作者本人だったのでびっくり。
本文中に、主人公が自分の絵について話すことが多いので、そのイメージを伝えるのに、
自分で書いちゃえ~てな感じだったんでしょうか。

主人公の少年が飛行機で砂漠に軟着陸し、途方に暮れているところに
不思議な少年が現れていろいろなお話をする。。。
少年は違う星からやってきた王子さまらしい。
その星はとても小さくて、夕陽を見ようと思えばいつでも見れる。

王子さまがどうしてその星を後にしてきたかというと、
どうやらその星に咲いた一本のバラの花と折り合いが合わなくなったかららしい。
地球にやってくるまでには、6つの星を旅してきた。

1番目の星には王様がいて、なんでも命令しないと気が済まない。
2番目の星には大物気どりの男がいた。
3番目の星には酒びたりの男。
4番目は足し算ばかりしている実業家。
5番目はガス灯の点灯人。でも、星が小さくて回るのが早いから、
1分おきにつけたり消したりしなくてはいけない。
6番目は地理学者だったけど、一度も自分の足で土地を見に行ったことがない。

王子さまは、こうしていくつもの星で変な大人たちを見てきた。
そして、最後に地球にやってくる。
地球でもいろいろなものに出会ったけれど、
そこで大切なものは何か、気がつくのでした。

絵本には教訓が含まれているけれど、それは多くが「大人が読むべき」ものだったりする。
この話も例外にもれない。押しつけがましい伝え方ではなくて、
ファンタジックなストーリーの中で、時折はっと気がついたりする。

本編にあふれる挿絵が本当にかわいらしい。
文庫ではあるけれど、絵本として子供に読ませることもできる。


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夜は短し歩けよ乙女

2009年01月26日 22:30

『森見登美彦』著 角川文庫 320ページ

某嬢から借りた本。このブログを始めてからは、7冊目の紹介。
結構幅広く、色んな本を借りてますね~。彼女はセンスいいですよ、常に「新」を求めつつ、
古き良きものを大事にする、温故知新ガールです。好きなものは万華鏡と金平糖と…。
なので、読んだ時にもふと、彼女らしさを垣間見ました。

この作家さん、人気ありますね。独特の文体だからでしょうか?
昭和初期の作家風をイメージしているのだと思いますが、
本書の中に「メール」という言葉が出てくるように、内容は現代。
昭和風の書き方を「気取り」だと見ればそれまでで、人によるところ。
「~かしらん」とか、「オモチロイ~」とかいった表現は芥川とか、
太宰治とかあそこらへんの年代を彷彿とさせる。
私は少なくとも読むに抵抗なく、斬新でありました。

「どこまでも暴走する己のロマンチック・エンジンをとどめようがなく、
 やがて私はあまりの恥ずかしさに鼻から血を噴いた。
 恥を知れ。しかるのち死ね。」

内容は若干ファンダジーな恋愛小説。「黒髪の乙女」に思いを寄せる「先輩」が、
彼女を追い求めて、京都は先斗町を、古本市を、学園祭をと、珍事件を引き起こしつつ駆け回る話。
その先輩のストーカー…もとい誠実ぶりに声援を送り、
胸打たれ、笑いを引き起こされつつ、ストーリーは息つくことを許さない。

行く先々で起こる「偶然の出会い」に、黒髪の乙女は「奇遇ですねえ!」というばかり。
その天然っぷりがとてもカワユイです。この作品は、なんといっても
キャラクターの立つこと立つこと。個人的には、パンツ総番長と、李白翁が好きです。

京都は京阪沿線沿いの話だけに、身近な駅名や、神社、川や山が出てきて、情景が目に浮かぶようでした。
いつも影ながら当ブログに貢献してくれている某嬢に今日も感謝。
ちなみに彼女に借りた作品で紹介してきたのは以下の6冊です。

『お仕事のマナーとコツ』 …  http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-6.html
『インストール 』 … http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-28.html
『失はれる物語』  … http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-29.html
『宇宙の声 』 … http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-43.html
『旅ボン イタリア編』 …  http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-45.html
『恋愛辞典』  … http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-63.html


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タオ 老子

2009年01月24日 01:27

『加島祥造』著 ちくま文庫 284ページ

老子とは何ぞや?
その入り口の部分がとてもよく分かります。
小学生でも読めそうな詩の中に、とても深い意味がこもっています。

老子といえば、道家。私的には、孔子が学校の先生なら、老子は用務員のおっちゃんのイメージ。
先生みたいに、小難しいことばっかりじゃなくて、なんか一緒にいたら落ち着くというか、安心する感じ。
まあ、この口語訳がそういう印象を与えるからかもしれませんが。

老子で説いているのは「道(タオ)」。
これを説明するのはちょっと難しい…本書の中の言葉を借りれば、

「 タオの在り方にいちばん近いのは
  天と地であり
  タオの働きにいちばん近いのは
  水の働きなんだ。
  タオの人がすばらしいのは
  水のようだというところにある。
  水ってのは
  すべてのものを生かし、養う。
  それでいて争わず、威張りもしない。
  人の厭がる低いところへ、先に立って行く。
  水はよほどタオの働きに
  近いんだ。                   」

訳がかなり口語的で、英単語とかも入っているから斬新。
原文とは印象が違うけれど、思想を平易に理解するだけなら充分かなと。
この本のいいのは、口語詩文になっているのに(その内容が深いだけに)、
最初の一章を読んだだけで、そこいらの詩とは違った感動を受けること。
忙しくて仕事に疲れて凹んでた私も、元気をもらいました。

なんかね…用務員のおっちゃんが語りかけてくるんですよ。
混沌の中から天と地が生まれて、その間に命が生まれた。
私たちは犬や猫とおなじだよ、同じ命だ。
天を目指して上に行きつきゃ落ちるだけだし、
どん底に落ちたらあとは上るだけだ。
なんでもバランスが大切さ、まんなかでゆっくり漂えばいいんだ。
あくせくせず、水のように生きようよ…。

そうやって語りかけてくる。だから、仕事が忙しくても、
「アカンあかん。バランスや、バランス…」と自分に言い聞かせると、楽になる。

この本はゆ~っくり読んでほしいです。
仕事に疲れたサラリーマン、OLの方、本書でほっとする時間をどうぞ。


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グレート・ギャツビー

2009年01月20日 21:37

『フィッツジェラルド』著 野崎 孝 訳 新潮文庫 262ページ

ギャツビーて、あの整髪料の…?
調べてみたら、やっぱりそうでした。これが語源だったんですね。ダンディ~!(?)

アメリカ文学というのは、どうも抵抗がある…。
そう意識し始めたのは、おそらくヘミングウェイからだったと思う。
とても評価の高いものでさえ、どうにも人物像がつかみにくいというか…
終わってからも、「結局何だったんだ…」みたいな印象が多い。

グレート・ギャツビーも、最初のうち読んでいると、
「あ~、アメリカ的やなー」という感じで、情景は浮かぶんだけど、
どこか人間味が湧かないというか、私に合わないなあと思っていた。

面白くなってきたのは、先に後書きを読んでから。
私はいつも、本は最後のあとがきまで読んで、初めて読んだといえる!と思ってるんですが、
著者の生涯や、訳者の想い、時代背景などが綴られていて、
それが作品にどう反映されていたのか、そこを感じ取れるのが実にいいと思うからです。

フィッツジェラルドについては、その生涯が「グレート・ギャツビー」を作り上げたといってもいい。
著者の生きざまそのものであり、長い年月の末に気がついたことの集大成のような気がする。
フィッツジェラルドの生涯をここで語ることはしないけれど、
この作品を読むに当たっては知っておきたい情報だと思います。

謎の男、ギャツビーは絢爛豪華な邸宅に住み、夜な夜なパーティーを繰り広げていた。
深くつながり合うことをしない人々の群れ、楽しそうに見えて乾いている笑い声。
彼は何かのためにその催しをしているのだが…。

文章はアメリカ的なのに、内容はアメリカ的空虚感を皮肉っている。
常に付きまとう空しさが、払いのけようとしても粘っこくまとわりつくような感じで作品を覆う。
著者自身の感じていた上流社会の虚しさが、見事に書きあげられている作品だと思います。


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孫子

2009年01月17日 00:21

『浅野裕一』著 講談社 289ページ

カテゴリーどこに分類すればよかったか分からず、とりあえず「古代文明」にしました。
分かりやすく、読みやすく、底本の考察などもあるので、初心者~少し知ってる人にオススメ。

孫子はとても抽象的な書だ。
兵法書というからには、具体的戦術を詳細に説いてるものを想像しがちだが、孫子においてはそうではない。
「呉子」などは、同じ中国兵法であっても、詳しく戦術を述べているため、こちらのほうが有益だとの評価もある。
戦争は時代とともに形態が目まぐるしく変化する。今すぐ役に立つものは、一度その手を使わば、すぐ役に立たなくなる。
それに反して、いくつもの奇策は一つの抽象的な基盤から生まれ、常に新しい。
事実、歴史上の著名な人物、たとえばナポレオンであるとか、毛沢東などは、孫子を読んでいたという。
どの時代にも用いることができる、これは孫子の大きなポイントだろう。

この本は一種の心理学である。
人間は~である…という書き出しが至る所で見られるように、
人の本質を逆手に取った戦術は、意表を突き、退屈しない。
西欧近代兵法は、軍隊のぶつかり合いであったことを考えれば、
古代中国で、既に奇策を持って戦うを良しとする兵法が説かれていたのは驚異である。

日本と言えば、武士道という言葉があるように、軍の勇将が名乗り出て、
「いざ、いざ!」と戦う、”正直もの”の戦いであった。孫子は戦国時代の日本にも渡ってきたが、
そういった戦い方は”卑怯もの”だとして、合わなかったのであろう。
もし、日本文化が孫子に融合していたのであれば、第二次世界大戦の特攻などは存在しなかったと思う。

孫子が奇策を用いることに重きを置くのは、「できるだけ戦争をしない」(戦わずして勝つ)ことを、第一にしているからだ。
多くの犠牲と浪費を要する戦争は、最終的な外交の手段である。
ここで一つ一つの内容を詳しく述べることはできないが、戦争だけでなく、
最近ビジネスマンにも孫子が注目されているというのも頷ける内容。
これもやはり、その抽象さゆえか。

前に紹介したビジネス書もその一つ、コチラは参考までに。
→ 『孫子の兵法』 守屋洋著 三笠書房


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八十日間世界一周

2009年01月14日 21:54

『ジュール・ヴェルヌ』著 田辺 貞之助 訳 創元SF文庫 316ページ

なんという感動。なんたる作家だろうか。
こんなに興奮する本を読んだのは久しぶりです。
はやる動機も治まらず、このすばらしい感動を表現する言葉を探しながら、
こうしてPCの前に座っている有様。ああ、どうしたら、この感動を伝えれるでしょう。

時は1872年、イギリス・ロンドンのフィリアス・フォッグ卿は、
八十日間で世界一周してみせると、友人たちと賭けをした。
鉄道や汽船が発達した時代とはいえ、それはとても実現不可能に思われた。
しかし、冷静沈着で論理的な計算に基づき、卿は「可能である」と断言したのだ。

ロンドンからパリ、スエズに入り、インドを経由してシャンハイ、ヨコハマを通過、太平洋を渡り
サン・フランシスコからアメリカを横断、ニューヨーク・リヴァプール間の船に乗るという旅順であった。

順風にいったと思えたのもつかの間、汽車の遅れなどの生易しい問題ではないトラブルが、
旅急ぐ旅行者に襲いかかる。フィッグ卿は恐ろしく冷静な男だった。
彼のお供をしていた下男のパスパルトゥーは、何度この紳士の的確かつ大胆な判断に驚かされたことだろう。
長い長い行程を確実に歩み、時に自分の破産がかかっている賭けを顧みず人を助けたり、
命の危険にさらされ、突発事故に見舞われながらも進んでいく。
途中、ゾウで道を進む必要もあった。船の出帆に遅れたことも一度ではない。
厄介なことに彼には間違った逮捕状が出ており、それが障害になることもあった。
しかし、計算されつくされた行程には、逮捕状の郵送が追い付かない有様だ。

ロンドン証券取引所では、フォッグ卿の試みが成功するかどうか、
賭券が取引され始めた。国民は並々ならぬ気持ちで、卿の帰国を待ちわびた。

はたして…この試みは成功するのだろうか。
旅を終えたとき、彼はどうするのだろうか。
喜んでいるだろうか、悔しがっているだろうか。
それとも、いつもの冷静な表情で、普段の生活を繰り返すだろうか。

早く!早く!!早く!!!
手に汗握るとはこのことだ。間に合うのか、間に合わないのか。
イギリス人の誇りに掛けて。名誉にかけて。
支流が大河へ合流し、水量が増えていくように胸がつまり、クライマックスへ!!
最後の締め方がイマイチ…という批評もあるようですが、私は好きです。これもアリかなと。

多くの映画にもなり、一度は聞いたことがある音楽で日本人にも親しまれた名作。
しかし、この原作を読まずして、それらが何になるだろうか。
ヴェルヌの作品群のなかでも、1、2を争う傑作です。

これは本当に、胸を張ってすべての人に薦めたい一冊!是非読んでください!


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奇妙におかしい話 どきどき編 寄せられた「体験」

2009年01月12日 22:32

『阿刀田高』選 光文社文庫 254ページ

この本は、読者から寄せられた短編小説を、
最優秀作、優秀作10作、佳作20作集めている。
テーマはタイトル通り「奇妙におかしい話」。
専攻は短編小説の達人、阿刀田高氏。

まあ、読者から寄せられたものだから…と、甘く見ていたけれど、
思ったよりすごい。文章も上手いし、テーマがアレなだけに面白い。
特に最優秀作は、「阿刀田さんが書いた」と言われても、
ふうん、と納得してしまいそうになるくらい上手い。

体験に基づく話なので、書いた人の身に起こったことで、
妙な偶然の話から、ちょっと薄気味悪い話、笑える話など、色々。
共通して言えるのは、やっぱり阿刀田さんの作風に似てるということ。
あの文章力や表現力は憧れますよねえ…。

個人的に思ったのは、年配の人の作品は「なんか、味があるな…」ということ。
文章も飾りがなくて、見せるための文章でない感じがしたので。
ラジオのリスナーから寄せられた話の高尚版といった感じでしょうか。
こういうの書ける人っていうのは、ホントすごいですね。それに、性格出ますね(笑)。

私はあんまりこの手の本は読まないタチですが、
軽くて読書に疲れた時に、気分転換になる本ですね。


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文学全集を立ちあげる

2009年01月10日 01:52

『丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士』著 文藝春秋 327ページ

この本は、『古本買い日記』のえむさんに、
「わたし、日本文学苦手なんです、どうしたもんでしょう」
と、こぼした時、「これなんか、どう?」と薦めてもらったのです。
日本文学、てんでダメっ!の私が、やっべこれ読みて~~~となるんだから、スゴイですよ。

えむさんの素敵ブログはこちらからッ! → 『古本買い日記』

三人の文学者が、「もし、全集を作るなら」あれを入れよう、これは落そう…と、
対談形式で検討したのをまとめた本。読書欲の塊みたいになりますよ、これは。
この人たち曰く、文学全集というものは、入れる数が決まってくるので、
読む人がスタートの段階で、すでに「いい作品を選んでもらってる」。だからいいんだ…と。
全集は各出版社のが出てるので、新しいテーマでやるんですが、「読んでて面白いこと」。
現代文学の動向も取り入れつつ…SF、童話、推理物なども入れる…。

関係ないですが、ウチにも河出書房の日本文学全集があります。
よくよく見てみると、「監修:谷崎潤一郎、志賀直哉、武者小路実篤、川端康成」…って、おいっ!!
父親に小学生の頃、ゴリ押しされて読んでみたものの、まず漢字が読めないし、二段組みで量も半端ない…。
「こんなん読めるかっ!!」とトラウマになり…。
私の日本苦手意識は、ここから来てると思うんですよねえ。(父よスマン…)
最近この全集も手に取るようなりましたが、ここに立ち戻るまで年月かかりましたよ(笑)。
って、私の話はどうでもいいですね。

前半:海外もの。後半:日本もので構成されていて、
うん、やっぱり読んでる数は海外の方が断然多いなと再確認。
日本文学は後半に入ってくると、知ってる作家もパラパラ…くらい。
うっ…し、知らん…!!ヤバイ、自分、教養ないっ…。一人焦る。

いや、かなりすごい全集なのはわかるけど。
それに、古典なら誰の訳がいいとかいう意見が参考になりましたね。あとは、自分がどういうの好きそうか…とか。
「平家物語」と「太平記」なら、俗的な要素の強い「太平記」とか。本文中の言葉を使えば、サブカルチャー的な方。
「とりかへばや物語」とか、「今昔物語」とか、ああ…自分好きそう…ってね。
とにもかくにも、「高橋是清自伝」はさっそくアマゾンで買います。超おもしろそー!!

海外のは知ってるのが多かったので、かなり楽しめましたね。
意外だったのは「クリスマス・カロル」のディケンズが評価が高かったこと。
ふ~ん、読むには楽しいけど、そうなんだあ…と、色々参考になりました。
ていうか、文学の好みは人によってスゴい別れるのが、改めて実感。

この三人の文学者が、あ~だこ~だいいなら選んでるのが、微妙に笑える。
好みの作家を推したり、地元びいきだったり、なんかおもちゃを自慢する子供を彷彿とさせるような…。
残念なのは、この中に女性が入ってれば面白そうだなと思ったことぐらいでしょうか。
とにかく勉強になりました。えむさんに感謝です。この場を借りて改めてお礼申し上げます~~。


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赤毛のアン

2009年01月07日 19:43

『ルーシー・モード・モンゴメリ』著 村岡 花子 訳 新潮文庫 425ページ

「グリン・ゲイブルスのアンこそはあの不滅の生命をもつ『不思議の国のアリス』以来の
 愉快きわまる、そしてもっとも強く人の心に迫ってくる存在だ」
こう評価したのは、「トム・ソーヤーの冒険」で有名なマーク・トウェイン。
まったくその通り!心をかき鳴らされた作品に違いありません。

次に口を開けばアンは何を言うだろう?
アンの周りの人たちはこう思っていたはず。わくわくしながら彼女の口許を見つめていたはずなのです。

手違いでクスバート家にやってきた孤児のアン。やせっぽっちで赤毛頭のひどくみすぼらしい少女。
マシュウとマリラの兄妹は、働き手として男の子が欲しかったのだが、なにかの手違いで女の子が来てしまった。
初めは迷惑がっていた兄弟でしたが、アンの明るい性格と豊かな想像力の前では、魔法をかけられてしまうのです。

「曲がり角をまがったさきになにがあるのかは、わからないの。
 でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。
 それにはまた、それのすてきによいところがあると思うわ」

アンには何もありません。孤児院からやってきて、持っているものと言えば鞄一つに、灰色のみにくい服、茶色の水兵帽。
本当に何もないのに、彼女は幸せになることができるのです。それも想像の力で。

作品中、何回この「想像」という単語が出てきたでしょうか。
現実に起こる出来事も、いくらでも幸せに変える想像力を持っているアン。
読み終えたあとには、必ずこの少女が愛すべき子供だとあなたも思うでしょう。

ストーリーは単純なもの。一人の少女が引き取られて教師になるまでの日々。
けれども感情移入の具合がハンパなく強い。あんまり感動のストーリーを読んでも
泣かない私ですが、これにはボロボロと涙を流しました。
その悲しい場面に泣いたのではないのです。アンの気持ちと同調したから泣いたのです。

本当にいい作品とは、仰々しいストーリーに頼らなくても、いい作品になるのだなと感じました。
「あしながおじさん」のジーン・ウェブスターに似た女性的な、陽だまりのような愛を感じる作品でした。


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