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海底二万マイル

2007年09月30日 00:35

ジュール・ヴェルヌ』著 南本 史 訳 ポプラ社文庫 198ページ

東京ディズニーシーの中央に位置するアトラクション、「海底二万マイル」をご存知でしょうか。
そう、あれの原作ですね!あれって、結構人によっては賛否両論で、
「面白かった~!」という人もいれば、「あんなに長時間並んでこんなものか」という人も。

一つ言えるのは、原作を知っているか知っていないかで、
このアトラクションは随分と面白さが変わるという事でしょうか。
映画化もこれまで沢山されている魅力ある作品です。

<あらすじ>
話は謎の一角クジラ出現の話題から始まる。
「海に得体のしれない、大きな怪物がいる!」
その真相を確かめるため、船に乗り込んだアロナックス教授。
しかし、実際に見つけたのは鉄板で覆われた潜水艦だった!

船が沈没して溺れるところを、潜水艦ノーチラス号ネモ船長に助けられ、
潜水艦に乗り込んだアロナックス教授、助手のコンセーユ、もり打ちのネッド。
彼らを乗せて、ノーチラス号は神秘に溢れた海底旅行へ出かける…。
-----------------------------------------------------------------------------
みどころがたくさんあって困りますが、海底の古代都市「アトランティス」や、
沈没船の見物、大ダコとの戦い(ディズニーシーでは電流でやっつけるヤツ)、
スエズ運河の地下を通って、紅海から地中海へ抜けてみたりと、
児童向けの平易な文庫でしたが、充分楽しめました。次は創元SF文庫ので読みます!
海はまだ現代人にも探索し尽くされてないというのが、想像の余地があってイイですね~。

話はアロナックス教授の日記形式で淡々と進んでいきます。
この作品ではネモ船長は「謎の人」で終わってしまいますが、
「神秘の島」では過去が明らかになったりしているので、そちらも参考にどうぞ。

ああ~~、一度でいいから、こんな旅をしてみたい!
そりゃ、ディズニーシーさんに期待もかけちゃいますよ。
ネプチューン号だか知らないが、どうせならノーチラス号に乗せてくれYO!!
ディズニーシー好きで、ヴェルヌを未読の方は、「センター・オブ・ジ・アース」の元ネタ、
「地底旅行」と合わせて、是非本作を読んでみてくださいねえ~~♪


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日本史泣かせるいい話

2007年09月28日 18:02

『後藤寿一』著 KAWADE夢文庫 221ページ

日本人の純粋で誠実な姿は、「その時、歴史が動いた」を始めとして、
多くのテレビ番組でも紹介され、人気も高い。

その名の通り、日本史のいい話を取り上げているのだけれど、
ほとんど、いやすべて知らない内容。

私はそもそも日本史が苦手で、世界史ばかりに目を向けている。
本自体も借り物で、自分でならおそらく購入していなかった。
しかし…まあ、日本もいいものじゃの~(何様)。

ひとつだけ紹介してみよう。

忠臣蔵で有名な大石内蔵助は、出入り商人の天野屋利兵衛に目をかけていた。
ある日、城内の什器の虫干しをした際に、利兵衛は内蔵助に申し出て、
それらの什器を見せてもらうことにした。

虫干しも終わって、いざ片づけてみると椀が一つなくなっている。
利兵衛だけがそこに出入りしていたことから、疑いをかけられ問いただされた。
すると利兵衛は、

「私が盗みました」
と、あっさり罪を認めた。

真面目な利兵衛が盗みを働いた!内蔵助は大いに驚く。
殿様の物を盗む事は、死罪を意味する。
城主である浅野内匠頭に、どう申し上げようかと迷っていると、
口の軽い家来から内匠頭に事実が漏れてしまった。

驚いたのは内匠頭だった。
「何を申すか、天野屋は盗んでなどおらぬ。わしがふと懐かしさを覚え、
懐に入れて部屋に持ち帰ったまでじゃ」
そう言って、袖から椀を出した。

利兵衛は、自分が「知らぬ」と言えば、内蔵助に罪が及ぶと思い、
自らが罪をかぶったのだった。
それを知った内蔵助は、前にもまして利兵衛を取り立てるようになった。


こういう話は世界史にも多い。
けれど、どこかが違う。
日本史独特の「気持ちよさ」「潔さ」。
きっと、日本人のもつ「武士道」が関係しているんじゃないか。

日本史苦手の私でも、きっとこういうところから入れば、
のめり込んでいくのだろうな、と思わせる「いい話」ばかりです。


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家畜人ヤプー

2007年09月26日 01:21

『沼正三』著 幻冬舎アウトロー文庫 358ページ

ブログに感想を書くべきなのか迷った一冊。
漫画にもなっているので「知ってるわ~」という人も多いかもしれない。
知らなくても「よく知らんけど、エロいやつだ~」という印象の人もいるでしょう。
まず言っておく。この本は「エロい」の一言で片づけられない。

最っっっ強のドM本であり、ドS本であり、奇想天外SFであり。
興味本位で読んだらエライ目にあうこと間違いない。

沼正三という著者から話を進める。
彼の存在は全くの謎で、出版社にも原稿は代理人を通して届けられた。
当時、SMを題材にした雑誌「奇譚クラブ」に掲載されたこの小説は、
三島由紀夫らに大絶賛され、作者はどういった人物なのかが噂された。

なにせ右翼からも左翼からも攻撃されそうな内容、
作者も老人なのか、女性なのか、権力者なのか、科学者なのか、全く謎に包まれていた。
※代理人である天野哲夫氏が本人であり、天野氏の名義での著書も出版されている。

簡単に書くと、要するに未来の世界の話なのだが…。

時は1600年ほど未来の世界、宇宙帝国『イース』では、白人帝国が成り立っていた。
黒人は奴隷として扱われ、そしてその下には、家畜と同類に黄色人(日本人)が「飼われて」いた。

その世界では黄色人は「ヤプー」と呼ばれ、人ではなく家具や、食肉、便器として「使用」され、
その用途に応じた人体改造がなされていた。

知性のある家具としてテレパスを有するヤプーは、
人(白人)が「トイレしたいな~」と心に思うだけで
主人の股の間にスルリと入り込み「食べ物を頂く」。
イースには「下水道」がない。最終的な汚水処理場は「ヤプー」であり、
ヤプーの体内には「エンジン・ワーム」と呼ばれる寄生虫がいて、
その虫がすべてを消化してしまうからである。

「そんな事して、知能をもってるのにイヤじゃないのか?」

そんな事を考えるのは、ヤプー理論を理解してないから。
ヤプーは神である人(白人)から、食べ物を直接頂けるのであり、
肉便器(セッチンという)家具に関しては、それを他の家具より誇りとしているくらいだ。

分かりやすくトイレを例にとってみたけれど、話を元に戻すと、
タイムマシンで時間旅行をしていた貴族のポーリーンは、
196×年のドイツにマシンの故障で着陸する。

日本人の麟一郎は、恋人であるドイツ人のクララと乗馬を楽しんでいた。
麟一郎が、泳ごうと裸になったところでUFOが着陸、
船内に足を踏み入れたのが運のつきだった。

途中省くが、あれやこれやでイースに行くことになった二人、
だんだんヤプー論が芽生えてくるクララと、ヤプー扱いされる麟一郎。
皮膚を強化され、二度と服を着れない体にされ、さらに去勢まで…。
また、このやり方がエグい。詳細は本編を参照されたい。

この本のすごいところは、最初に『人(白人)』と記載されていたのに、
読んでいくうちに『人』だけで白人のことのみを指すのだと、
自然に思えてしまうところ。人=白人、ヤプー=黄色人。
この感覚が勝手に植え込まれてしまっている。恐ろしい!!!

そして、そんな価値観が「そうあるべき」と自然に思えてくる。
世界観もリアルで、まるで作者が本当にその世界の住人であるような
錯覚に陥る。社会構造も将来的には科学で実現できそうだから怖い。

一つ一つの説明がくどすぎる!という批判もあるけれど、
わざわざ、文章の最後に「~議事録より」とか参考文献まで
作り上げて記載しているのだから、リアリティ抜群。
ただの、マゾヒズム小説で片づけるにはもったいないSFでもある。

日本人をこんなに腹立たせる小説は、めったにない。
けれど、それなのに人を惹きつけるこの内容に、危険な領域を垣間見てしまう。
この時、シンガポールという国で一人旅していた私は、
白人、黒人、黄色人のそろうこの地に、イース社会を少しだけ…
いや、かなり連想せずにはいられなかった。。。。


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マクベス

2007年09月26日 00:25

『シェイクスピア』著 福田 恆存 訳 新潮文庫 158ページ

四大悲劇のひとつ。今更だけど、やっと4話とも読み終えました。
4つの中では比較的スムーズに勧善懲悪でストーリーが完結したもの。
やたら死ぬのは変わらないところですが。

簡単な内容を説明すると、
勇猛果敢で誠実だったマクベス将軍は、ある日三人の魔女に出会う。

「いずれはスコットランドの王になられるお方!」
魔女たちはマクベスの未来を不気味に予告する。
そして隣にいたバンクォーには

「その子孫が、スコットランドの王になる」
と告げるではないか。

かくして誠実だったマクベスの心には野心が芽生え始める。
忠誠を誓っていた王を暗殺し、バンクォーも手にかける。
そしてスコットランド王になったマクベスだったが。。。

「ハムレット」では、主人公の父親が暗殺され、
亡霊として最初のシーンで現れ無念を訴えるが、
マクベスの場合も邪悪な魔女が現れて予告をしている。

マクベスの名シーンでは有名な「マクベス夫人の夢遊病」。
夫人は「あんたそれでも男なの?さっさと殺しちゃいなさい!」と
暗殺を推し進めた張本人。

「まだ、ここに、しみが…
 ひとつ…ふたつ…おや、もう時間だ。
 地獄って、なんて陰気なんだろう…」

夜な夜な、幻覚を見て歩きまわっては手についた血を洗うマクベス夫人。
舞台では見たことがないけれど、私の中では一番見どころではないかと思う。
それにしても、女は強い。この時代でも夫の尻を叩いて
暗殺までさせちゃうんだから、真の悪役はこの人なんじゃないかと思ってしまう。

ローマの暴君ネロは有名である。しかし、ネロは本来、詩を愛する優しい
少年だったらしい。暴君と呼ばれる裏には、皇后ポッパエアの影が見え隠れしている。

なるほど。そう思えば、マクベスの責念も多少は薄らぐ…かもしれない。


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旧約聖書を知っていますか

2007年09月16日 23:10

『阿刀田高』著 新潮文庫 317ページ

聖書っていきなり時代が変わったり、
今までの登場人物はどーなったんだ!?
そういう展開が多い。

読みにくいなあ…。なんか、簡単につながりがわかって、
お手軽に、浅く知識を詰め込んだ本はないものか。
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。と、この本の出番な訳で。

頼むから登場人物の会話を現代風にしないでほしい。
おもしろすぎますから、阿刀田さん。

旧約聖書はユダヤ教の聖典である。
正確にはキリスト教も入ってきたりするけれど。

それにしてもユダヤの神様って嫉妬深いんだな~と思う。
天上天下唯我仏尊じゃないけれど、「俺だけ敬え!!」と。

子供時代、本気の本気の本気に神様にお願いしたら、
願い事は叶うと思ってた頃。。。
「お願いします!お願いします!お願いします!」
本気になろうとするけれど、どうしても心の片隅では
神様のことが信用できない自分がいて。
「願い事がかなわないのは、本気で神様を信じることができないからだ」

な~んて思ったりしたもんです。
子供心にこんなことを感じていたんだから、本の中で
「悪いことばかり起こる…神様なんていないんじゃないか」
「それは神様を心から信じてないからだ」
「じゃあ信じます。でも、悪いことばかり起こる」
「それは神様を心から…」
「でも、悪いことばかり…」
「いや、それは…」


悪いことが起これば、神様なんていない…と思ってしまう。
願い事がかなわないから、神様なんていない…と。
この悪循環を指摘してるあたり、そうそう、そうなんだよ!と、
妙に納得してしまったり。

きっと私には一生理解できない領域なんでしょう。
だからこそ、バチの当たりそうなスレスレエッセイを書く
阿刀田さんの文章に惹かれてしまう。

聖書!と意気込んでみても、風船に針を刺したように
気が抜ける感じ。本当は奥が深いのだろうけれど…ね。


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こちら、団地探偵局PART2

2007年09月11日 23:32

『赤川次郎』著 角川文庫 294ページ

第一弾から引き継いで、また主婦探偵登場。
前作とは異なり、一話が少し長めで構成されている。

一作目参照→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-11.html

私的には、この二人コンビの主婦探偵は、
「お魚くわえた犯人のドラ猫を捕まえる」ような
ほのぼのストーリーのイメージが強かったんですが、
今回は一転して殺人の起こること起こること。

家政婦は見た!をついつい連想してしまう内容。
いますよね~、どーでもいいことをちゃんと見てる人。
私としては前作の方がほのぼのしてて良かったかな~なんて思ったり。
望遠鏡を異常なまでに覗く夫の話とか、結構好きだったな~。

今回は割と、不倫やら妬みやら、大人のカンケイ的な部分が多くて、
助手の探偵も男にヤられそーになったりと、昼ドラ的。
推理モノにありがちな動機という部分では意外性に欠けたかな。

さくさく読みやすい点と、日常的な親しみやすさは
相変わらず健在で、さらに磨きがかかってて嬉しいところ。
一日とかからず読んでしまった。


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アーサー王の剣

2007年09月11日 00:24

『エロール・ル・カイン』文・絵 灰島 かり 訳 ほるぷ出版

ずいぶんと簡単に描かれたアーサー王物語。
円卓の騎士?知るかい、そんな連中。
みごとに一人も出てきません(笑)

かろうじてマーリンは出てきますが、
目立った活躍は雨を降らすシーンくらい。

アーサー王の話といえば、騎士ばっかり目立ってて、
実はアーサー自身は弱っちいんじゃねーの?と密かに
思ってる人も多いはず。
そして、この本も例外ではなさそうです。

エクスカリバーを取り上げられたアーサー王の弱いこと。
「剣さえなければこっちのものよ!」
敵役も押さえるべきところを押さえてます。さすが。

笑えるのがエクスカリバーがどんなに便利かということに
結構ページを使ってる点。船になったり、傘になったり、
しまいにゃつまようじになったりするんだから、
名剣エクスカリバーも口臭でにおったりするんでしょうか。失礼、言い過ぎました。

エロール・ル・カインの絵は独特で暗いめの色彩と、
鮮やかな色の組み合わせが新鮮です。

とにもかくにも、魔法使いマーリンの鬚が
顔面の3.2倍くらいあるのは指摘しておくべきでしょう。
アーサー王の話を知ってる限り、突っ込みどころの多い内容。


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リア王

2007年09月09日 18:49

『シェイクスピア』著 福田 恆存 訳 新潮文庫 208ページ

言わずと知れたシェイクスピア四大悲劇のひとつ。
よく、四大悲劇といわれて、
「ハムレット」
「マクベス」
「オセロ」
「ロミオとジュリエット」

と、答えたもんです。
ロミオとジュリエットもそれなりに悲劇なんだし、
わかりやすく五大悲劇にしておきゃいいのになあと、
国語の授業の時に思ったもんです。

そんな若造のロミオ達に座を奪われそうなリア王です。

いや、若いもんにはまだまだ負けておれん!
悲劇に関してはワシも相当なものじゃ!!

てな感じで、リア王は残酷な二人の娘に城を追い出され
80歳の体に鞭打って、嵐の中を駆け回っていくわけです。
四大悲劇の例によって、「そして誰もいなくなった」
よろしく、みんな死んでいくわけです。

簡単に事の発端を話すと、リア王が引退を前にして、
三人の娘に領地を分け与えることになったという設定。
「お前たちの中で、誰が一番この父を愛しているのか。それを知りたい」
二人の姉達は、「とても言い尽くせませんわ、およよ」と、
言葉巧みに愛しているという事を並べ立てて、お父さんは大満足。
ただ、末娘だけは口下手で「特にありません」と言う。
怒った父は、末娘を勘当。そこから悲劇は始まる。

舞台は策略、不倫まで入り組んで、昼ドラかよ!と突っ込みたくなる。
それゆえ私たちからしてみれば面白い。他人の不幸の楽しいことよ!

王族というのは権力によって結ばれる特殊な親子愛という。
しかし、これを読んでると「はたして関係ないことかしら」と、
他人事ではなく思えてくる。
介護、遺産相続、孤独死、虐待、身近なニュースに多いことよ。

一番マイナーなリア王だけれど、一番身近に感じる四大悲劇…かもしれない。


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こちら団地探偵局

2007年09月05日 20:12

『赤川次郎』著 角川文庫 295ページ

どこにでもあるような団地で、
どこにでもいるような主婦が、
どこでも見られるように子供をあやしながら、
探偵業をやっている話。

推理小説は苦手な私でも読めました。
私はどうにも頭脳活動に向いていないらしく、
犯人なんて誰だっていいじゃん、物語なんだから。と、
小説家の立場からすれば身も蓋もない読者なのです。

そんな私でも、ついつい最後のページを見て、
犯人が誰だかカンニングしてしまうこともなく読み進めていけました。

ポイントは一話の短さと、セリフの読みやすさ。
べらべらと推理した事をページいっぱいに書き立てられても、
正直疲れる。推理小説という点では物足りないかもしれないが、
私には調度いい具合にマッチングしていたと思う。

主人公が主婦という点もいい感じ。
料理をして、掃除をして、お金の事に細かくて、卵は安い時に買う。
探偵モノって、どこか現実離れしているけれど、
こんな私立探偵なら想像しやすい(笑)。

ただ、推理はもっぱら主人公の頭の中で自己完結!が多く、
助手の主婦が「かっこつけて、またもったいぶって」という文句をいうが、
まさに読者の気持ちに当てはまる。
推理小説が読みたい!!って思って、読むものでは少なからずないかも。


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あなたの知らないガリバー旅行記

2007年09月04日 20:19

『阿刀田高』著 新潮文庫 234ページ

ガラガラと音をたてて、ファンタジーな世界が崩れていった。
前にガリバー旅行記を読み終わり、さらに理解を深めようと、
阿刀田さんの「あなたの知らないガリバー旅行記」を手に取った。

スウィフトという人物を前提としてみたガリバー旅行記。
いわば、作者の意図というフィルターを通して見る世界。

スウィフトさん自身はかなり偏った人だったようで、
阿刀田さんいわく「頑固で、偏屈者で、人付き合いが悪い」。
たしかに、こんな皮肉な物語をかける人っていうのは、多少の変人かもしれない。
たとえば、小人の国での話…。

小人の国では二つの国が対立していた。その原因というのが、
卵を割る時に弧の小さい方から割るか、大きい方から割るかというのである。

当時、イギリスはフランスと対立していた。
簡単にいえばカトリックとプロテスタントの宗派の違いで。
スウィフトは晩年牧師の職業についているが、どうにも
こういった事にはドライであったようだ。ガリバー旅行記にこんな風刺で残している。

スウィフトの功績はただの皮肉にとどまらない。
例えば「奴婢訓」(ぬひくん)という著書がある。
単純に言うと「召使がいかにサボって使用主に責められないか」という極意を
授けてくださるありがたい本な訳ですが、この本の本当の意図は
実は使用者側から見た召使への皮肉集である。
こういった天の邪鬼的な文章表現は、現代でも多く技法として用いられている。

「あなたの知らない」とはよく言ったもので、スウィフトの
グラックユーモアを理解するのに大変勉強になりました。
ただ、ガリバー旅行記を「少年の心」のままで思い出としたいなら、
胸を張ってお勧めできるシロモノではございません(笑)。


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