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ガリバー旅行記

2007年08月30日 19:46

『ジョナサン・スウィフト』著 加藤 光也 訳 講談社青い鳥文庫 281ページ

言ってくれるなあ…。何度こう思ったかわからない。
通算して20回は軽く超えるだろう。それだけスウィフトの皮肉は強烈だった。

子供のころに見た映画を、大人になって見てみると、
受ける印象の違いに驚くことがある。
しかし、このガリバーの大旅行ほどギャップのある物語も珍しいんじゃないか。

小人の国でしばりつけられるガリバー。昔いつか見た風刺絵。
子供のころには、なんて楽しくて愉快な冒険なんだろうと思ったか。
本の裏表紙には「小学上級から」と書いてあって、文章も極力易しい。
子供のころにこんな人間に対する皮肉が込められた内容を
胸ときめかせながら読んでいたなんて。
まさか、スウィフトがこのギャップまでを考えて書いていたとは思えないが…
いや、わからない。大いにあり得ることかもしれない。

小人国、大人国、飛ぶ島の国、馬の国、四つの国をめぐって懲りもせず
旅を続けるガリバー。どこにいっても珍しがられ、馬鹿にもされ、見世物にされと、
さんざんな目にあいながらも航海に出ていく。

最初の旅立ちが1699年で、最後の国を出立してペドロ船長にイギリスへ
送り返してもらったのが1715年。なんと16年も家族をほったらかして、
たまにフラフラ帰ってきたと思ったら、また旅に出てを繰り返していたらしい。
よく奥さんに逃げられなかったなという感想はおいといて、
その「言ってくれるなあ」のひとつを紹介しようと思う。

飛ぶ島から降りた後に立ち寄ったラガート大研究所では多くの研究者が色々な研究をしていた。
その中で「人民を苦しめずに税金を取る方法」をある教授たちが考えていた。
一人は「悪徳や愚行に税金をかけたらいい」という。
これは一見、納得のいく考え方だと思う。もう一人は
「人々が自分の心や体でうぬぼれているところに税金をかけたらいい」という。

…う~ん、うまいなあ。。。大岡越前も顔負けだ。
歴史上のある皇帝なんて、一番の貧乏人になるんじゃないか。
現代でも答えの出ない問いかけを、この時から作家はしていたんだなあ。

私が年を重ねて、またこの本を読む機会があった時、
スウィフトの無数にある社会への問いかけがひとつでも解けているだろうか。
はたして……


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新約聖書を知っていますか

2007年08月29日 18:38

『阿刀田高』著 新潮文庫 295ページ 

ブラックユーモアで世界のキリスト教にメスを入れる!
タイトルの通り新約聖書を紹介する内容であることはもちろん、
阿刀田さんの推理小説家視点で、イエスに迫る。

姉妹本の「旧約聖書を知っていますか」とセットで
10年の取材の上で著されたこの本は、絵画やその地方の情景まで
紹介されていて面白い。

著者自身は信仰を持たない人であるらしいけれど、
だからこそ持てた視点が日本人には共感が持てると思う。

マリアの受胎告知に関しても、正直なところのキモチ、
「処女が受胎するわけ………ないだろ」
それがいいたかった!を代弁。そして現代風に解釈。
歴史的な視点から見ても納得できる風に推察を重ねる…。

ただ、キリスト教を批判するだけの本ならつまらないことでしょうが、
阿刀田さん自身がイエスに共感し、ピエタを見て涙が溢れたりしたという
人柄だからこそ、読んでいて気持ちのいい内容になっているんでしょう。

しかしまあ、聖書を知ってる知っていないで、人生の楽しみ方が
なんと変わることか。世界は宗教の歴史の上に立っているといっても
過言ではない。ましてキリスト教ならなおさら。
阿刀田さん推奨派と云う訳ではないが、聖書の内容を軽く知りたい
というなら、是非最初に読んでみて!と薦めれる本です。


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千夜一夜物語3

2007年08月23日 22:07

『リチャード・F・バートン』版 大場 正史 訳 ちくま文庫 631ページ

2巻から続くオマル王と二人の息子の話が、ついにクライマックス。
2巻では騎士道的な印象の強かったオマル王の話ですが、
その中で語られる「アジズとアジザーの話」では一転して、
男女の恋愛の駆け引きが繰り広げられていきます。

いいなずけのアジズとアジザーは従兄同士で結婚をすることになりました。
しかし、結婚式の当日にアジズは街中の窓にたたずむ美女を見つけ、
とたんに恋慕の炎に包まれる。美女はアジズに謎のジェスチャーを残し、
家の中に消えてしまう…。
結婚式をほっぽり出されたアジザーは、悲しみにくれながらも、
謎の美女に恋い焦がれて苦しむ従兄の恋愛を、愛するが故に助ける。。。

そしていよいよ、アジズは従妹の手助けのおかげで謎の美女と
歓びと官能の言い尽くせない夜を過ごすことになる。
…が、しかし…。

まぁってました~!てな内容。これぞ千夜一夜~!(?)
オマル王の話も、前置きが長いな~と思ってたけれど、
最後の最後で全員集合!悪は必ず滅びる!てな感じで
大変気持ちよく終わってくれました。

読んでて面白い本っていうのは、読みながらその場面が頭で
ドラマのように同時進行で流れるものですが、まさにそれ。

だいたい千夜一夜のパターンは、美女が出てきて→眉目秀麗な男と恋に落ちて、
ってな展開になるけれど、それでも飽きないのはやっぱりすごい。名作。


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お仕事のマナーとコツ

2007年08月21日 19:59

『西田博子』監修 『伊藤美樹』絵 学習研究社 135ページ

仕事をする上での一般常識マナーと、前向きにとらえられる言い回しのコツ。
当たり前にできてることと、考えたらできてないなあ~と思うこと、
二つに分かれました。結婚式や葬儀に関することなど、
なかなか本を買ってまで学ぼうという機会がないので勉強になりました。

実は友達から貸してもらったものなんですが、なんせ読みやすい。
かわいいイラストの漫画形式なので、頭に入りやすい。
抑えるべきところは抑えている感じでした。

一番勉強になったのが、角の立たない会話の進め方。
「あえて反対意見を申し上げるのですが」
「できません」→「今日中というのは時間的に厳しいようなので、
もう一日お時間いただけるとありがたいのですが、よろしいでしょうか」

新人~部下を何人か持つようになったぐらいの人向け。
やや女性視点で書かれた内容。著者が女性だからしょうがないのかな。


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ギルガメシュ王ものがたり

2007年08月16日 22:07

『ルドミラ・ゼーマン』 文/絵 松野 正子 訳 岩波書店

メソポタミアの神話というとギルガメシュ。
ギルガメシュというとエンキドゥ。

ギルガメシュという名前は有名かもしれないけれど、
いざどんな話?と聞かれたら意外と答えられない。
ルドミラ・ゼーマンの絵本は業界では有名らしい。
細部まで当時の建築物などが繊細に描かれていて、
大人でも十分楽しめるというので読んでみる。

暴君ギルガメシュが神の遣わしたエンキドゥと戦って友情を得、
そこから二人でフンババという怪物を倒して凱旋する。

ギルガメシュ王は実在の人物だし、現実的な物語かと
思っていたけれど、いかにも神話的。
3巻シリーズで、最後は永遠の命を目指して旅をする王様。
そこにウトナピシュテムという人物が出てくるが、
彼の生涯が聖書のノアに酷似しているのも興味深い。

絵のスペースが大きくて、歴史的建築物ジグラットや
青いイシュタル門も描かれていて古代文明好きには嬉しい限り。

ちなみにエンキドゥは途中で死んでしまうが、
その原因となったのは女神のイシュタルの嫉妬から。
ギリシャ神話でもよく見られる女神の嫉妬は、
メソポタミアでも恐ろしいもののようだ。

子供に読んであげる分にも◎。
古代文明を気軽に楽しむなら大人でも◎。


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千夜一夜物語2

2007年08月11日 14:06

『リチャード・F・バートン』版 大場 正史 訳 ちくま文庫 633ページ 

千夜一夜物語の訳では、割と読みやすいと定評のバートン版2巻。
1巻から続いて「せむし男の話」~「オマル王と二人の息子の物語」、
27~95夜を収録。まだまだ千と一夜の夜は長い…。

オマル王の話は千夜一夜物語の8分の1を占めているらしく、
かなり長い。色々な本を平行して読む私なんかは、何度か
前の文章を読み直して進んでいく有様。
というのも、千夜一夜は物語の中の登場人物が、
さらに物語を語って…そして、さらにその登場人物が物語を…
といった具合に、さながら迷宮のような構造になることも多々あり…。
話も教訓めいたものもあれば、何が言いたいのか分からん!というのもあり…。

今回の2巻はわりとハラハラする展開でもなく、少し物足りない感じがしました。
千夜一夜というと、やっぱりちょっぴりエロティックな…という期待もあり(笑)、
言い回しの長い説法に飽きたり…という事になりました。
バートンも注釈で、「読者はこの説法については読み飛ばしても良い」と書いてたし。

シンドバッドの冒険や、アリババの話はまだ先で、
3巻以降の物語に期待して読み進めていこう…といった感じでした。


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ニーチェ入門

2007年08月07日 21:34

『竹田青嗣』著 ちくま新書 237ページ

ニーチェはどうして、こうも特色ある哲学者なのか?
彼の生きた時代背景は、宗教は?という基本スタイルから入る入門書。

一度、「ツァラトゥストラ」のページをめくってみて、「ああ、こりゃダメだ」と感じ、
本書でもってまずは思想の外郭を理解しようと試みました。

ニーチェを代表する書、「権力への意志」や「人間的、あまりにも人間的」など、
その思想の変容とともに時系列で追っていく。
解釈がいかようにも取れるニーチェを、「入門」というに相応しく、
一番スタンダードであろうと思われる見方で解説してくれるので嬉しい。

キリスト教を社会的弱者の「ねたみ」の宗教と言い切ってしまう点など、
なんともまあインパクトの強い説明文で、分かりやすい。

では、なぜキリスト教を批判するのか、その上での超人の思想、
そして「永劫回帰」へ繋がるまでの関連性が理解できます。
全部概略を説明するのは難しいですが、無理のない流れで自然と納得がいく感じ。
これを読んだ後に、「ツァラトゥストラ」を読むと、このベースの解釈で読んでしまいますが…。

全体的にニーチェ思想のみスポットライトが当たっているわけではなく、
プラトンショーペンハウエルなどの影響のもと、思想の変遷を追うので、
哲学全体の繋がりも若干理解できたように思います。

しかし、竹田氏の考え方がすべてではないし、永劫回帰をする人間たちの
行くべき場所は何なのか、生きる理由は何なのか。
最後の最後で答えが分からなかった、矛盾が払拭されなかった印象。
(私が理解できてないだけかも…すいません!)

書評を見る限り、この本とライバル格扱いされてる、永井氏「これがニーチェだ」よりかは、
竹田氏の本書の方が、概要を理解するのには向いてるようですね。


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はてしない物語

2007年08月05日 22:38

『ミヒャエル・エンデ』著 上田 真而子・佐藤 真理子 訳  岩波書店 589ページ 

The Never Ending Story の名前の方がポピュラーな作品。
映画観た事無いですが、借りた方からは「その方が楽しんで読める」と貸してもらいました。

<あらすじ>
「はてしない物語」と書かれた不思議な本を手に入れたバスチアン。
それはアトレーユという勇者が、ファンタージェンという世界を救う話だったが、
読んでいくうちに、どうも自分が物語に関係していると感じ始める…。
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お気に入りは「元」帝王の都のシーン。
自分のひげを剃ろうと鏡にカミソリを当てる男や、
乳母車を押す女の子が、車輪が四角なのに気づいていないところ、
ぞっとしましたが、ため息が出る想像力に尊敬せずにはいれないです。

主人公バスチアンも大好きですが、アトレーユの活躍ははずせない!
基本的に主人公より脇役、敵役を好きになる私ですが、
アトレーユに関してはファンの方も多いのでは?

ミヒャエル・エンデ作品は、この他にも代表作「モモ」を始めとして
おもしろそうなのが多数ありますね。最初に手を出した作品としては
大当たりでした。もっと読んでみたくなりますね。


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