スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シンドバッドの冒険

2008年04月17日 00:55

『ルドミラ・ゼーマン』文/絵 脇 明子 訳 岩波書店

シンドバッドの冒険は、千夜一夜物語、いわゆるアラビアン・ナイトの中の一つのお話です。
そもそもの千夜一夜物語の話が始まった経緯は、ブログ内検索「千夜一夜物語4」を参照にしていただければと思います。

ルドミラ・ゼーマンは前回も「ギルガメシュ王物語」で紹介させて頂きましたが、
絵本業界では有名な方で、その独特なタッチと歴史を感じさせる背景などが印象的です。
作品は三部作になっていて、
「シンドバッドの冒険」、
「シンドバッドと怪物の島」、
「シンドバッドさいごの航海」の三本立て。

荷物担ぎのシンドバッドが、ある日通りすがりに大商人と出会います。
その人が召使に呼ばれた名前は、自分とおなじ「シンドバッド」。
一方は大金持ちで、一方はしがない荷物担ぎ。世の中、なんて不公平なんだ。

そんな不平を洩らす荷物担ぎのシンドバッドを、商人のシンドバッドは家へ招待します。
「君ねえ、私はこれでも昔は生きるか死ぬかの苦労をしたんだよ。
 最初っからずっと、こんな裕福な暮らしばかりしてきた訳じゃないんだから。まあ、お聞きなさいよ」
こんな感じで、若かりし頃の話を始める。

これがいわゆる「船乗りシンドバッドの冒険譚」。
最初はクジラの島に行き着いて、知らずにその背中をナイフで刺しちゃったから、クジラが怒ってさあ大変。
結局タルにしがみついて、一人漂流するハメになり、ロック鳥という巨大な鳥の島へ。
故郷へ帰るために、ロック鳥の足へしがみつき、どこかの谷へ下りたものの、そこは蛇の巣窟。
しかし、谷底にはダイヤモンドの絨毯。すばらしいものばかり。

どうかしてこの谷から抜け出せないかと思案しているところへ、目の前に羊の生肉が降ってくる。
落ちた勢いで生肉にダイヤモンドが刺さって、それをロック鳥が餌と思い、拾い上げたところを狙って
人間が手に入れるというという作戦のようだ。
これだ!とばかりにシンドバッドは生肉に体をくくりつける。

ロック鳥がやってきて、上手い具合に空中へ舞い上がった。
どうやって降りようかと思案しているときに、ドラや鐘の音がやかましく響いた。
驚いたロック鳥は肉を離してしまう。まっさかさまに下へ落ちていったシンドバッドだけれど、
なんとか木の枝に引っかかることができ、一命を取り留めた。

しかしまあ、びっくりしたのはダイヤモンドを拾おうと生肉を仕掛けた人たちだ。
人間がおまけについてきた。しかも、見たことのない大粒のダイヤモンドを手に持っている。
シンドバッドは事情を説明し、船に乗せてもらって故郷まで送ってもらうことにした…。

まだまだ冒険は続くのですが、一巻はここまで。こんな感じで他にも色々な島へ漂流します。
気になったのは二巻の怪物のいる島ですが、どうも背景がカンボジアのアンコールワットに見えます。
というかそのままなんですが、これも興味深いところです。
当時のアラビアの感覚では、アジアは未開拓の未知世界だったのでしょうか。
ちなみにダイヤモンドの谷はどこらへんなのかという疑問ですが、地図ではスリランカの沿岸あたりのようです。
クジラの島はさらに南、インド洋の中腹あたりでしょうか。そういう推測も楽しいものです。

そして、相変わらずクオリティが高い絵本です。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

スポンサーサイト

アラジンと魔法のランプ

2007年12月31日 21:48

『エロール・ル・カイン』絵 アンドルー・ラング 再話 中川 千尋 訳 ほるぷ出版

エロール・ル・カインは「アーサー王の剣」でも紹介した絵本作家。
アーサー王は暗い目の色彩で、おどろおどろしい感じがしていたんですが、
打って変って、鮮やかなアラビア風の細かい模様で、違う作家の作風のよう。

有名すぎるほど有名な話なので、今さら解説する必要もないかもしれませんが、
アラジンが魔法のランプを手にいれ、魔人に頼んでお姫様とラブラブになる話です(?)。

宝石を出してれと言えば、籠に山盛りの宝石。
宮殿を出してくれと言えば、目の前に壮大な建物が。
昔っからこのテの話には胸ふくらませて読み入りましたね。

悪い魔法使いが、何故かアラジンしか取ってこれないというランプを取りに行かせ、
手に入れるはずがすんでのところで、アラジンがよこさない。
怒った魔法使いはアフリカへ帰ってしまう。

家に帰ったアラジンは、ランプを売りに出そうと磨き始める。
するとあら不思議、巨大な魔人が現れて、「おのぞみのものは何でしょうか」。
そこで、欲張らないのが主人公のお約束で「食べ物を持ってこい」。
アラジン、結構えらそうにものを言うんです(笑)。

そして、アラジンはお城のお姫様に恋をして…。

絵の具に砂を混ぜたような?色彩で、少し濁りがあるのが特徴。
とても美しくて味のある絵。独特さはアーサー王に劣るものの、
私はどちらかというと、こっちの方が繊細で好き。

見開きの半分が文章、半分が絵で、文字は絵本にしては多め。
お子さんのいらっしゃる家庭に絵本はたくさんあると思いますが、
結構一冊が高いんですよね。
でも、これは1400円の価値はあると思いますよ。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

アリババと40人の盗賊

2007年11月22日 22:39

『マーガレット・アーリー』再話/絵 清水 達也 文 評論社

「ひらけ、ゴマ!」

で有名な、あの千夜一夜のお話。
アリババというのは商人の名前で、彼はある日森で盗賊を見かける。
あわてて、木の上に身を隠したところ、盗賊たちが叫ぶとあら不思議、
大岩が開いて、洞窟の中に大量の宝が納められているではありませんか。

しかし、こういう主人公は欲のない男でして、
ロバ2匹に積める分だけ金貨を持って帰りました。

突っ込みを入れるようだが、ロバ2匹に積める分だけ持って帰るっていうのは、
割りと欲深いんじゃないかと思うんだが…。

兄のカシムは、それを見てびっくり!
「俺にも教えんかい!」
ここらへん、日本でも似たような話がありますね。
お花を咲かせる爺さまのヤツです。

兄も同じく今度はロバ10匹を連れて洞窟まで来て、
中に入ってみてびっくり!金銀財宝、美しい絨毯。
持ち出そうとして、ちょっと待て…例の呪文は何だっけ?

「ひらけ、セリ!」
「ひらけ、ライムギ!」

そうこうしてるうちに、盗賊たちが帰ってきて…。


千夜一夜物語は、どちらかというと教訓を暗示している物語は少ない。
しかし、アリババの話はまとまりもよく、絵本にもしやすい内容である。
後半は仕返しにきた盗賊たちを、召使のモルジアーナが裏をかいて退治してしまう。

マーガレット・アーリーの絵本はこれが処女作ということだが、
独創性の観点から言えば△といったところ。
アラビアの派手なカラーで背景が彩られているのは美しい。

アリババはシンドバッドと、アラジンのランプの次くらいに
アラビアンナイトでは有名な話だから、子供に読んで聞かせてあげるのに、
一冊くらいはもっておきたいところ。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

アーサー王の剣

2007年09月11日 00:24

『エロール・ル・カイン』文・絵 灰島 かり 訳 ほるぷ出版

ずいぶんと簡単に描かれたアーサー王物語。
円卓の騎士?知るかい、そんな連中。
みごとに一人も出てきません(笑)

かろうじてマーリンは出てきますが、
目立った活躍は雨を降らすシーンくらい。

アーサー王の話といえば、騎士ばっかり目立ってて、
実はアーサー自身は弱っちいんじゃねーの?と密かに
思ってる人も多いはず。
そして、この本も例外ではなさそうです。

エクスカリバーを取り上げられたアーサー王の弱いこと。
「剣さえなければこっちのものよ!」
敵役も押さえるべきところを押さえてます。さすが。

笑えるのがエクスカリバーがどんなに便利かということに
結構ページを使ってる点。船になったり、傘になったり、
しまいにゃつまようじになったりするんだから、
名剣エクスカリバーも口臭でにおったりするんでしょうか。失礼、言い過ぎました。

エロール・ル・カインの絵は独特で暗いめの色彩と、
鮮やかな色の組み合わせが新鮮です。

とにもかくにも、魔法使いマーリンの鬚が
顔面の3.2倍くらいあるのは指摘しておくべきでしょう。
アーサー王の話を知ってる限り、突っ込みどころの多い内容。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ

ギルガメシュ王ものがたり

2007年08月16日 22:07

『ルドミラ・ゼーマン』 文/絵 松野 正子 訳 岩波書店

メソポタミアの神話というとギルガメシュ。
ギルガメシュというとエンキドゥ。

ギルガメシュという名前は有名かもしれないけれど、
いざどんな話?と聞かれたら意外と答えられない。
ルドミラ・ゼーマンの絵本は業界では有名らしい。
細部まで当時の建築物などが繊細に描かれていて、
大人でも十分楽しめるというので読んでみる。

暴君ギルガメシュが神の遣わしたエンキドゥと戦って友情を得、
そこから二人でフンババという怪物を倒して凱旋する。

ギルガメシュ王は実在の人物だし、現実的な物語かと
思っていたけれど、いかにも神話的。
3巻シリーズで、最後は永遠の命を目指して旅をする王様。
そこにウトナピシュテムという人物が出てくるが、
彼の生涯が聖書のノアに酷似しているのも興味深い。

絵のスペースが大きくて、歴史的建築物ジグラットや
青いイシュタル門も描かれていて古代文明好きには嬉しい限り。

ちなみにエンキドゥは途中で死んでしまうが、
その原因となったのは女神のイシュタルの嫉妬から。
ギリシャ神話でもよく見られる女神の嫉妬は、
メソポタミアでも恐ろしいもののようだ。

子供に読んであげる分にも◎。
古代文明を気軽に楽しむなら大人でも◎。


参考になった!という方はゼヒ押してくださいッ →  にほんブログ村 本ブログへ




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。