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新約聖書物語

2008年10月08日 18:44

『谷口江里也』著 ギュルダーヴ・ドレ画 アルケミア出版 223ページ

ホテルに備え付けられてる机の引き出しを見て、聖書が置いてるのに気がついた人は多いでしょう。
あれを手にとって最初のページを見たら、なんじゃこりゃ?と思わなかったでしょうか?

聖書には「旧約聖書」と「新約聖書」があって、ホテルにあるのは「新約」の方。
(たまに旧約と一緒になっているのもありますが…)
「○○は△△の息子」…といった退屈な冒頭部分が続き、キリストの系統が説明される。
聖書を題材にした映画は、「十戒」や「ベンハー」など有名なのがありますが、
基本的にその内容は「旧約聖書」のウェイトが高いのかなと思います。
それは何故か?

うーん、やっぱりダイナミックさが違うからかな。
海をズバーンと真っ二つに割ってしまったり、街を雷で一掃してしまったり。
「新約」はイエス・キリストの生涯を追う物語だから、少し控え目。
水面を歩いたり、水を葡萄酒に変えたり…ちょっと地味(失礼)。

前回の「旧約聖書物語」はコチラから↓
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-151.html

「新約聖書」の内容は、もうご存知の前提で今回は省略。
構成はマリアの受胎告知からイエスの誕生、ヨハネの洗礼、
布教を始めるイエスと続いて、エルサレムで十字架にかけられるいつもの流れ。
そして、復活、昇天、弟子たちの布教活動、ヨハネの黙示録と続く。

イエスのセリフっていうのは、ちょっとよく分からないのが多い。例え話も多い。
いや~、神の子はやっぱり言うことも違うわな…意味は分からないけど厳かな感じだし。
正直こんな感想を持ってしまうのが、だいたい一般人の共通するところ。
谷口さんの訳は前回も読みやすかったのですが、今回のも分かりやすい。
すべてを網羅したわけではないけれど、必要な場面は押さえてますって感じ。
極力、普通の日本人が読んでも分かるように訳してくれているので、
ホテルの聖書のように投げ出してしまう事は無いと思います。

特に興味深かったのは「ヨハネの黙示録」。
キリストの話はだいたい分かったけれど、これについては触れる機会が少なかった。
これはいわゆる「預言書」。ヨハネさんが受けた啓示をそのまま書き記したもの。

これがまたドレの絵に合う。四頭の馬が天から降りてくる姿や、
大天使ミカエルと竜の戦いなど、荘厳な雰囲気がよく分かって面白い。
普段読む機会がなかったので、勉強になりました。

現在出ているアルケミア出版のドレ画作品は、今のところこの新・旧聖書と、
ダンテの神曲、寓話1~3までですが、もっと見てみたいですね。
大型本で値段も張って、本棚を見ると結構なスペースも占領してますが…(笑)。


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旧約聖書物語

2008年07月31日 23:22

『谷口江里也』著 ギュルダーヴ・ドレ画 アルケミア出版 431ページ

私はすっかりドレ画と谷口さんの織り成す世界にハマったようです。
アルケミア出版から出ている大型本、豊富な絵と共に読みやすく話を綴ったこのシリーズは、
本棚を飾る事のできる価値ある一冊だと思います。
「神曲」、「寓話」に続き、ドレの描く版画を豊富に収録した今回の題材は「聖書」。
人類になくてはならなかった物語、そして今まで一番人々に読まれてきた物語といってもいい聖書に、ドレが挑む!

ドレの作品は、どれも版画の可能性を究極まで追い求めている。
彼の活躍した時代は新しいアート、写真が登場した時代でもある。
そんな中で、ドレは版画によって物語を場面ごとに描き、新しい表現を生み出した。
絵を連続で映すのは、まさに私たちが見ているテレビの原理だが、それの原点でもある。
ドレの描く細かな表現は、写真に劣らず木版とは思えない完成度の高いものばかり。
今回もおなかいっぱい楽しめました。

さて、翻訳の方は谷口さんの手腕が今回も光る。
有名なストーリーが多いだけに、簡単にしすぎると翻訳者の個性が出すぎるし、かといってありきたりな書き方もつまらない。
そこらへん、難しすぎる言葉を使わない谷口さんらしさも出て、読みやすい文章でした。

内容はご存じの通り、アダムとエバの創世記から始まって、アブラハム、ヤコブと繋がり、
モーセの出エジプト、ヨシュア記、サムソンの出てくる士師記、ダビデの活躍が有名なサムエル記、
ソロモンなど有名な王が続く列王記、そして預言者たちが綴ったストーリーへ展開する。

列王記くらいから、王様の名前も立ち替わり入れ替わりで、ややこしくなってくる。
内容的は、王様が他宗教になびく→天罰が下る→信仰に厚い王様が出現→またその後継ぎが他宗教になびく、
この繰り返しのような気がする。要するに、一気に聖書の中身が政治的になり、物語から世界史へと内容が変化していったのだろう。
やっぱり絵的にも面白いのは前半の創世記~出エジプト記。
あらかじめ知ってる内容が多いだけに、絵を存分に楽しむことができました。

預言者たちの所に入ってくると、神様の嫉妬深さがMAXに。
自分を信じない民衆にかなり厳しいお言葉を下す。読んでると嫉妬深い女みたい。
いいわよ、いいわよ、私を信じないなら疫病流行らせちゃうんだから。
後で私を頼っても助けてやらないからね。後悔しても遅いわよってな感じ。

さて、こうして読んでいると、ふっと思う。
歴史上、今まで色んな宗教が発展してきたけれど、どうしてこの聖書が一番受け継がれたのか。
世界中に似たような伝承があるので、それをまとめた…という意見もある。
しかし、それだけでは説明がつかない。
やはり詩的でストーリー性豊かな物語が、大衆に受けたのだろう。
そして、それを政治に利用したという点も見逃せない。

新約聖書になると、隣人愛とかも含んできて、哲学的な面が入ってくる。
旧約聖書は純粋に物語として楽しむこともできる、ユーモアに溢れた話が多い。
こういう本は、目で見て楽しめる、読んで楽しめるの二重まるな入門書だと思います。


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