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[完訳]東方見聞録2

2008年03月03日 00:07

『マルコ・ポーロ』 愛宕 松男 訳 平凡社 476ページ

マルコの旅も後半戦。

お母さんを探し回って三千里歩き回るアニメのマルコも大したものですが、こっちのマルコも負けてません。
1里って3.92kmくらいなので、3000里といえば1万1760km。地球の全周の10分の3くらいですか。
子供がそんな距離を移動してたのは驚嘆しますね。我らがマルコ・ポーロ氏はどうかというと、
ヴェニスから中国まで往復しているので直線距離でも地球の3分の2ぐらいでしょうか。

前回の内容は一巻を参照してください↓
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-44.html

しゃべりすぎて疲れてきたのか、旅の最後の方の解説が適当になっていくのが素敵です。
黒海の説明に入る時、「やっぱり知ってる人多いと思うから、飛ばしまーす」と一章分、軽々飛ばしてしまいます。
そういうの、私大好き(笑)。

後半は中国の天津辺りから、故郷イタリアまでの行程。
前半がシルクロードの紹介にあたったのに対して、帰りはユーラシアの南側、
ジャワ島やスリランカ、インドなどを経由していきます。
中国の都市の説明は、データの羅列の様で退屈です。
カーンに隷属してて、手工業が盛んで、紙幣は…と、正直あんまり面白くないかも。
脱線するけれど、この本って注釈が本当に多くて、しかも読んでもあんまり意味のない注釈だもんだから、
すっとばして読んでいきました。まあ、こういった類の本ではしょうがないことですが。

気になるのはやっぱり、日本国の話でしょう。
「黄金の国ジパング」といえば、有名ですからね~。
しかし、住んでる私たちからすれば、「国人は誰でも莫大な黄金を所有している」という紹介のされ方は、
甚だ疑問を感ぜざるを得ない。いや、持ってないし。むしろ欲しいし(笑)。
マルコ氏自身は日本に行っていないので、中国で聞いた話によれば…という感じなのでしょうが、
建物は黄金でできていて(それは金閣寺だけや~っ)、偶像教徒で、人肉を食す…とは、遺憾ですねえ。
他にも、海外側から見た蒙古襲来の話も面白く、興味深いです。

他にはユニコーンの話で、
「乙女の膝元に寄ってくるといわれるユニコーンだが、とんでもない。
でかいし、ずんどうだし、恐ろしい猪みたいなヤツだ」との評価。
地域的に見て、野生のサイのことを指しているのでしょうが、
ヨーロッパの人たちは、これを聞いたらショックを受けただろうなあ…。
後は全裸のバラモン修行僧の話とか(笑)。

後半になってくると、マルコさん牢獄生活でボケが早まったのかな?(失礼)
戦争の話で、何度も同じフレーズが出てくるのは、おばあちゃんの話を何回も聞かされた子供の気分になりました。
そんなこんなで、とにかくマルコ氏の旅も終り、後には偉大な見聞録が残された訳ですね。すばらしい!
ストーリー性は無かったんですが、世界史好きの私には興味深い部分の多い本でした。


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ロマノフ朝最後の皇女 アナスタシアのアルバム -その生活の記録

2008年02月28日 22:47

『ヒュー・ブルスター』著 河津 千代 訳 リブリオ出版 64ページ

ロシア革命とは封建的専制政治体制を原因として勃発した革命。
猿でもできる説明を終えたところで、自分があんまり分かってないのを白状します。すいません。
ロマノフ朝最後の皇女、アナスタシアの事件は有名ですね。死んだと思われていたアナスタシアが、
のちに「私です」といきなり登場し、本当かどうか問題となった事件です。
結局は偽物という事で一件落着したようですが、ちょっと本物であって欲しかったというのも正直なところです。

近代の国家が専制政治から民主主義へ移行する動きは、皇帝であろうとも時代に逆行する事はできず、
フランス革命同様、皇帝一家は死んでしまう運命にあるのです。
「皇帝は悪い!」そんなイメージの強い革命ですが、皇帝側から見た家庭には、
必ずしも特別ではない普通の親子愛に溢れた空間がありました。

アナスタシアは、アレクサンドラ王妃の第4皇女として生を受けました。
4人続けて女の子が生まれた事に、皇帝ニコライ2世は落胆しましたが、
その後皇太子アレクセイも生まれ、5人兄弟は仲良く過ごしていました。

アナスタシアは芸術センスのある子供で、写真を撮り、それに装飾を施したり、絵を描いたりするのが得意でした。
彼女が父親や先生に送った手紙は、愛情に溢れて生き生きしています。
革命勃発によって、シベリアへ送還された皇帝一家は、その後射殺されます。
アナスタシアとその姉妹は、林の奥で同じく射殺されているのが見つかりました。

悲しいのは皇帝の側、市民の側、どちらも非難できない事です。
いくらこういう本を読んで、アナスタシアの純粋さに打たれても、
一方では餓死していく子供たちを、ただ見ている事しかできない貧しい市民がいたことも事実なのだから。
いつの時代も犠牲になるのは子供たちで心が痛みます。

アマゾンでも5つ星の評価と高い本で、貸してくれた友達もお薦めの一冊です。
非常に簡単に書いてあって、アナスタシアが撮った写真が溢れています。
通常であれば見ることのできない皇帝一家の暮らしぶりが、よく分かります。


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[完訳]東方見聞録1

2007年12月16日 23:55

『マルコ・ポーロ』 愛宕 松男 訳 平凡社 476ページ

言わずと知れたマルコ・ポーロの旅行記。
手に入れるのに苦労した一冊。定価1300円以下でなかなか見つからない。
古本屋で探しまわった挙句、最終的には高値で購入。とても悔しい(笑)。

長年ドラクエを寵愛してきた私なので、こういう冒険談は大好き。
が、ストーリー性が乏しいのが残念なところ。
マルコは26年間ユーラシアを旅し、
ヴェニスに帰ってきてから戦争で捕虜の身になった。
その時彼が、牢獄で口述した事をまとめたものが東方見聞録だ。

私が思うに、寂しい牢獄で懐かしい旅の思い出を振り返って、随分ホラも吹いたことだろうと思う。
あの頃は色々あったなあ~。フビライ・カーンには厚くもてなされていたし…。
旅の途中、熱病にかかったこともあった。辛かった時もあるが、自由だったなあ。てな感じ。

作品は一巻と二巻に分かれているが、一巻ではマルコの父親のニコロと、
その弟であるマテオが東方へ旅するところから始まる。
そこからマルコがカーンに仕えたことや、カーンの宮廷の説明などが取り上げられている。

当時のヨーロッパではモンスターといわれる幻獣や、妖精たちが信じられていたのだろう。
マルコはそんな夢物語を織り交ぜて語っている。

例えば現在の中国西北にあるロプ市の話。
夜間この地方の砂漠を横断している際、たまたま眠り込んでしまったとか、
あるいは他の理由で仲間から遅れたり取り残されたりした時、
多数の精霊が彼に向って仲間のような声で話しかけてきたり、時には彼の名前を読んだりする。
すると旅人はこれに惑わされて、あらぬ方向に誘い込まれ、二度と姿を見せなくなってしまう。

なんとも奇妙な話で、にわかに信じがたい。
きっと、当時その話を聞いた人たちもそう思った事だろう。
最初に述べた通り、多少大げさに語ったかもしれないが、
明らかに非現実的なものを除けば、ある程度、姿形が合致する生き物は確認されている。

カーンに関しては、その宮殿の豪奢さ、権力の範囲、財宝の多さ、偉大さなどが語られる。
でも、もう規模がデカすぎて、笑うしかない。ホラ吹きマルコと言われてもしょうがない。

淡々と内容が綴られていくので、つまらないと感じる人も多いかと思う。
ただ、今は何でも情報が手に入る時代。昔とは違う。
地球の果てが未知の世界だった当時は、夢膨らむ冒険だったに違いない。
この本を読むにあたって大切なことはイメージである。
あなたもページを開いて、マルコと雄大な旅に出てみませんか。


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