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O譲の物語

2008年11月05日 02:52

『ポーリーヌ・レアージュ』著 澁澤 龍彦 訳 河出文庫 264ページ

話の流れだけ見ると、どこにでもありそうな調教もの。
しかし、普通の官能小説とは違う、この不思議な感動は何なんだろう。

その館での決まり事はこうだ。

口をきいてはいけない。
主人たちの顔を見てはいけない。
求められたら、いつでも要求に応じて奉仕をしなければいけない。
常に口と膝を開いた姿勢で、いつ何時でも男を受け入れる態度を示すこと。

パリ郊外に建てられた館では、数人の男たちが性の奴隷として女を調教していた。
Oは恋人に連れられ、この屋敷にやってくる。サディスティックな扱いで、
数人の男に犯されるところから始まり、鞭の折檻へ続く。

その館では多くの女がこうして調教されている。
首輪と腕輪をつけ、乳房をあらわにした格好の女給たち。
彼女がこの館を出ていく時には、鉄の指輪をはめられる。
そとの世界でその意味を知る者がおり、求められたならばやはり
何時いかなる時でも要求に応じなければならない。
どこにいても彼女達は自由はない。

Oはその調教を受け入れる。恋人をどこまでも愛していた彼女は、
男たちから受ける凌辱は、「彼から受ける愛撫」であって、愛すべき恋人との行為と変わりないからだ。
事実彼女は行為を重ねるたびに晴れやかに、美しくなっていく…。

そこには通常の恥辱であるとか、価値観であるとかは通じない。
むしろそれを超越した領域であって、性の奴隷としての極みだ。
それをOは誇りに思うのであり、彼女の姿は澁澤氏の筆で気高く美しく描かれる。

とてもエロチシズムを感じる小説ではあるが、セックス描写には文章の脚色が少なく、
いざ行為に入っても描写はあっけない。ハイ、入れました、ハイ、終わりました。みたいな。
しかし、どうして、不思議と引き込まれるものがあるのです。

メイド服だの、洋風な本格的な道具だの、萌える要素は満載。
しかし、そんな外面的な内容より、想像していた以上の(いい意味で期待を裏切られた)心理展開に満足!
冒頭の序説にあるように、読む前と読んだ後で少なからず人を変えてしまう作品。


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