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「天使」と「悪魔」がよくわかる本

2009年09月24日 23:45

『吉永進一』監修 『造事務所』編著 PHP文庫 317ページ

前回の「世界の神々がよくわかる本」に続いて、今度は「天使と悪魔がよくわかる本」
内容が重複しているところもありますが、僅かなので続けて読んでも大丈夫です。

東洋と西洋で、それぞれ分類して天使と悪魔を紹介しています。
簡単に「天使」と「悪魔」、「東洋」と「西洋」といっても、住み分けは難しい。
そこのところ、どうするのかなぁと思いましたが、結論的には無理やり分けた感があります。
もともとはある民族の神として祭られていたものが、キリスト教が普及したために、
「悪魔」とみなされてしまった…とか。世界中に色々な解釈があるので仕方ないでしょうが…。

代表的な例をあげてみると…
「天使」… ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル、メタトロン、ラジエル 等 (西洋)
       梵天、帝釈天、毘沙門天、阿修羅王、弁財天、哪吒、アプサラス 等 (東洋)

「悪魔」… ルシファー、バール、ベルゼブブ、アスモデウス、リリス 等 (西洋)
       アーリマン、カーリー、イブリース、ラーヴァナ、ティアマト 等 (東洋)

まあ、何とも多種多様な顔ぶれ。ああ、この悪魔はゾロアスター教発祥だったんだ…とか、
意外な発見などもあって、この値段、この容量であれば、満足できる内容かなと思います。
しかし、やっぱり悪魔の方が読んでて楽しいもんですね。天使はお堅いわ~(笑)。

巻末の方には、「聖人」と「魔導師」というのもオマケでついていて、
玄奘三蔵や、ファウストなどの「天使とかかわった人」「悪魔とかかわった人」が紹介されています。

有名な天使や、悪魔はどうしてもエピソードが多いため、
そのすべてを紹介しつくすのは文庫の容量から、当然無理というもの。
知っている人からすれば、「そんなこと当たり前!」という事ばかり出てきて、
物足りない…という内容です。浅く、広く、まさにそんな感じです。

ここの造事務所さんが出してるシリーズは、あくまで「入門書」としてみるべきですね。
イラストもイメージが湧きやすいように…という感じがします(今回も仙田聡さんです)。
ただ、前にも触れたように、コラムは面白い!
『魔法円の描きかた』とか、『「ソロモン王の鍵」にみる惑星天使』など、
ちょっとした豆知識(?)みたいなサービスが嬉しい。
監修の吉永進一さんの趣味が入ってるんでしょうか…。


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「世界の神々」がよくわかる本

2009年08月26日 20:28

『東ゆみこ』監修 『造事務所』著 PHP文庫 317ページ

非常に読みやすく、簡略化された神様図鑑。
唯一神を崇めるキリスト、ユダヤ、イスラムは除外され、
ギリシャ、北欧、ケルト、インド、メソポタミア、エジプト、クトゥルーの
計7つの神話を取り上げて神様を紹介しています。

一つの神話につき、大柱になる3神ほどをイラスト1ページ、
解説3ページの計4ページで紹介し、次席の神を2ページ、
その他の神を1ページ…と紹介している。

内容は本当に「さわり」部分にとどまり、神話に慣れ親しんだ人には、真新しい発見はない。
今の日本ではゲームなどでも、神々の名前が至る所に使われているので、
その神々がどういう存在なのかを知るための初心者向け本。

最近、ひそかに神話とか古典のブームが来てるのかなあ…と感じますが、
時代の波にうまい具合にこの本も乗ったようで、36万部突破だとか。
少し俗っぽく書きすぎてるきらいはありますが、まあ許せる範囲かと。
有名とは言い難い、ケルト神話とかになると、読んでない人には、
「ふーん」と読み飛ばしてしまうところがあるかも。

神話といっても世界各国に無数にありますが、基本的なのは上記7つと、
アメリカ(マヤ・アステカ)、日本、中国くらいが主だったもの。
ケツァルコアトルなどの有名な神がコラム程度でしか触れられてないのも、
あまりゲームとかで活躍していないから??と、人気取り的な部分を感じる…。

ただ、「武器」や「食べ物」に注目したコラムは面白い!編集の遊び心が感じられます。
それに加えて本書の魅力はイラスト。表紙と中のイラストは別の人が担当してますが、
挿画の仙田聡さんの描く神々は迫力があり、イメージとして頭に描きやすいです。

「世界の神々がよくわかる本」の東ゆみこさん以外にも、色んな人の監修のもと、
「天使と悪魔がよくわかる本」や、「伝説の武器防具がよくわかる本」など、
シリーズ化されて出版されています。アマゾンから広告メールが来ること来ること。

こうして神話の世界が、一般的に広がりを見せるのは、一時的なブームだとしても喜ばしい事ですね。
もっと広範囲を網羅している説明を!という方には「世界神話辞典」など。


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タオ 老子

2009年01月24日 01:27

『加島祥造』著 ちくま文庫 284ページ

老子とは何ぞや?
その入り口の部分がとてもよく分かります。
小学生でも読めそうな詩の中に、とても深い意味がこもっています。

老子といえば、道家。私的には、孔子が学校の先生なら、老子は用務員のおっちゃんのイメージ。
先生みたいに、小難しいことばっかりじゃなくて、なんか一緒にいたら落ち着くというか、安心する感じ。
まあ、この口語訳がそういう印象を与えるからかもしれませんが。

老子で説いているのは「道(タオ)」。
これを説明するのはちょっと難しい…本書の中の言葉を借りれば、

「 タオの在り方にいちばん近いのは
  天と地であり
  タオの働きにいちばん近いのは
  水の働きなんだ。
  タオの人がすばらしいのは
  水のようだというところにある。
  水ってのは
  すべてのものを生かし、養う。
  それでいて争わず、威張りもしない。
  人の厭がる低いところへ、先に立って行く。
  水はよほどタオの働きに
  近いんだ。                   」

訳がかなり口語的で、英単語とかも入っているから斬新。
原文とは印象が違うけれど、思想を平易に理解するだけなら充分かなと。
この本のいいのは、口語詩文になっているのに(その内容が深いだけに)、
最初の一章を読んだだけで、そこいらの詩とは違った感動を受けること。
忙しくて仕事に疲れて凹んでた私も、元気をもらいました。

なんかね…用務員のおっちゃんが語りかけてくるんですよ。
混沌の中から天と地が生まれて、その間に命が生まれた。
私たちは犬や猫とおなじだよ、同じ命だ。
天を目指して上に行きつきゃ落ちるだけだし、
どん底に落ちたらあとは上るだけだ。
なんでもバランスが大切さ、まんなかでゆっくり漂えばいいんだ。
あくせくせず、水のように生きようよ…。

そうやって語りかけてくる。だから、仕事が忙しくても、
「アカンあかん。バランスや、バランス…」と自分に言い聞かせると、楽になる。

この本はゆ~っくり読んでほしいです。
仕事に疲れたサラリーマン、OLの方、本書でほっとする時間をどうぞ。


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新約聖書物語

2008年10月08日 18:44

『谷口江里也』著 ギュルダーヴ・ドレ画 アルケミア出版 223ページ

ホテルに備え付けられてる机の引き出しを見て、聖書が置いてるのに気がついた人は多いでしょう。
あれを手にとって最初のページを見たら、なんじゃこりゃ?と思わなかったでしょうか?

聖書には「旧約聖書」と「新約聖書」があって、ホテルにあるのは「新約」の方。
(たまに旧約と一緒になっているのもありますが…)
「○○は△△の息子」…といった退屈な冒頭部分が続き、キリストの系統が説明される。
聖書を題材にした映画は、「十戒」や「ベンハー」など有名なのがありますが、
基本的にその内容は「旧約聖書」のウェイトが高いのかなと思います。
それは何故か?

うーん、やっぱりダイナミックさが違うからかな。
海をズバーンと真っ二つに割ってしまったり、街を雷で一掃してしまったり。
「新約」はイエス・キリストの生涯を追う物語だから、少し控え目。
水面を歩いたり、水を葡萄酒に変えたり…ちょっと地味(失礼)。

前回の「旧約聖書物語」はコチラから↓
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-151.html

「新約聖書」の内容は、もうご存知の前提で今回は省略。
構成はマリアの受胎告知からイエスの誕生、ヨハネの洗礼、
布教を始めるイエスと続いて、エルサレムで十字架にかけられるいつもの流れ。
そして、復活、昇天、弟子たちの布教活動、ヨハネの黙示録と続く。

イエスのセリフっていうのは、ちょっとよく分からないのが多い。例え話も多い。
いや~、神の子はやっぱり言うことも違うわな…意味は分からないけど厳かな感じだし。
正直こんな感想を持ってしまうのが、だいたい一般人の共通するところ。
谷口さんの訳は前回も読みやすかったのですが、今回のも分かりやすい。
すべてを網羅したわけではないけれど、必要な場面は押さえてますって感じ。
極力、普通の日本人が読んでも分かるように訳してくれているので、
ホテルの聖書のように投げ出してしまう事は無いと思います。

特に興味深かったのは「ヨハネの黙示録」。
キリストの話はだいたい分かったけれど、これについては触れる機会が少なかった。
これはいわゆる「預言書」。ヨハネさんが受けた啓示をそのまま書き記したもの。

これがまたドレの絵に合う。四頭の馬が天から降りてくる姿や、
大天使ミカエルと竜の戦いなど、荘厳な雰囲気がよく分かって面白い。
普段読む機会がなかったので、勉強になりました。

現在出ているアルケミア出版のドレ画作品は、今のところこの新・旧聖書と、
ダンテの神曲、寓話1~3までですが、もっと見てみたいですね。
大型本で値段も張って、本棚を見ると結構なスペースも占領してますが…(笑)。


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仏教(下)第二部 教理

2008年08月15日 11:43

『ベック』著 渡辺 照宏 訳 岩波文庫 168ページ

上巻では仏陀についての紹介と考察が主だった本書は、下巻で仏教の教理に移る。
上巻参照はこちらから→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-153.html

仏教は瞑想に始まり瞑想に終わる。
人が生きてる理由とか、死んでいく理由とか、哲学的な事を仏陀は求めた訳ではない。
その答えを求めるよりも実際に瞑想をして、二度と輪廻で生まれ変わらないように
俗世への欲望を捨てる事が第一であった。仏教は実践的な宗教なのだ。

信者の中には、そういった哲学的な疑問の回答を聞きたがる人もいた。
しかし、仏陀はその危険性を知っていた。すなわち、質問者をその答え、
言葉の中に束縛し、心の解脱を妨げることを。

仏陀といえば、仏像とかに見られるように、瞑想をしているイメージがありますが、
実際にその瞑想の中身はどうなっているのか。
仏教の最終目標は「解脱」。いわゆる「涅槃」と呼ばれるものです。
色々な欲望を捨てることによって、輪廻の生まれ変わりの輪から抜け出す。
その為、瞑想をして欲望を捨てる。欲望のすべてが無くなった時が、「解脱」である。

解脱へ至る道にはいくつか道程があって、予備段階を入れると5つの道がある。
まず第一は「信仰」。仏陀の説法で道を踏み出す決意を固める。
簡単に言うと、贅沢な暮しを辞めて坊さんになるということ。
托鉢をして、瞑想をして、清楚で正しい生活をする道へ踏み出すこと。

第二は「戒律」。決意をした後は実行に移す。
言葉も坊さんらしく丁寧に話し、性交を避け、解脱へ向けて努力する。
最終的に欲望をなくすことが大事なので、イメージにあるような「苦行」を必ずしも勧めていない。
仏陀もその昔、苦行をもって欲望を捨てようとしたけれど、途中で「これは違う」と思って辞めている。
その人が、苦行によって欲を切り捨てられるならいいけれど、絶対にしないといけないという訳ではない。

第三は「瞑想」。精神を集中して瞑想にふけると、何も聞こえなくなるという。
仏陀が瞑想をしている時に、その傍に雷が落ちたことがあったが、瞑想中の仏陀には何も聞こえなかったという。
瞑想にも段階があり、上の段階に行く毎に神様の世界を通ったりすることができる。
最終的な解脱に至ると、人は神より偉くなることができる。

第四は「英知」。瞑想にふけることで、人は神通力や千里眼といった能力も手にすることができる。
神様の世界を通っていくのだから、むしろそれ位はできて当然の世界になってくるのかもしれない。

第五は「解脱」。人間の宿命である、「病む」、「老いる」、「死ぬ」の輪廻から脱する。

最後の方になってくると、なんだか現実味のない話になってくるので、
シュールな宗教だと思っていただけに、少し拍子抜け。
本の方は、文献も多く、文章全体も読みにくく論文的。
底本が古い割に内容はしっかりしていると思うけれど、
最後の方で作者自身仏教信仰の厚さが見える気がするので、そこが残念。

仏教を知るという意味では参考になりましたが、もう少し簡単な本でも良かったかなと思います。
最近は宗教が徐々に生活に浸透しているので、「世界の神様がわかる本」とか、書店で見かけますね。
ああいった本でも十分仏教の面白さは分かるのではないかなという気がしました。


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仏教(上)第一部 仏陀

2008年08月05日 20:30

『ベック』著 渡辺 照宏 訳 岩波文庫 177ページ

最近モーニング2で連載されている『聖☆おにいさん』という漫画にハマっています。
漫画といえば、横山光輝氏の『三国志』と、『新世紀エヴァンゲリオン』くらいしか
最近は興味のなかった私ですが、友達に勧められたこの漫画にはかなり爆笑しました。

結構人気もあるようで、作者のサイン会とかも催されているそうな。
内容は、世紀末のお勤めを無事に終えたイエス・キリストと仏陀が、
東京のアパートで部屋を借りて生活しているというもの。
宗教を知らなくても充分楽しめる内容ですけど、知っているとなお面白い。
借りて帰ったあと、電車で読んでましたが、笑いを抑えるのに必死でお腹がよじれそうでした。

とまあ、漫画の話は置いといて…。最近は宗教を知ってると随分便利ですね。
ロシア文学がジュンク堂で平積みになっていてビックリしましたが、
読書が流行りに乗ってきた感じがします。これを機に、古典文学の見直しも起こっているようですね。

ただ、仏教とキリスト教では絵的にもストーリー性も、
ドラマチック感が大きく違うのでしょう。仏教を元にした作品はあまり見かけません。
今回この本を読んで思ったのは、いやいや仏教も負けてないよ!ということ。

キリスト教との大きな違いは、仏陀自身が神や教祖となっていないこと。
イエス・キリストは「神の子」として地上に降り立ったのであって、
キリストの像に向かってお祈りするのは、神様にお祈りしているのと同義。
しかし、仏陀は教えを広めただけであって、自らを教祖として崇める事を、むしろ反対している。
「自分が死んだら、教理を師と思って修行に励みなさい」と、死ぬ時にも弟子に言う。

じゃあ教理とは何なのか。意外に仏教の教理って知らないんじゃないでしょうか。
教典がないと仏陀は現れなかっただろうし、仏陀がいないと仏教は世界に広がらなかったでしょう。
この本の第一部は、仏陀の生涯と、仏陀という人間の考察、文献の考察などが主だった内容。
前半部分、仏陀の生涯はストーリー性があって面白いけれど、後半は興味のない人には大学の講義のようでつまらないかも。

先ほど、仏教もストーリー性は負けてないと言いましたが、
なにせその生い立ちがシュールな事と言ったら、キリストに対してもタメを張るでしょう。
生まれた時は、母親の右脇からポロっと出てきて、いきなり7歩歩いたかと思うと、
「天上天下、唯我仏尊」と言い放つ。すごいエラそう(笑)。王子として何不自由なく過ごして結婚もする。
しかし、ある日外に出かけた王子は、年老いた人と、病に苦しむ人、そして死んだ人を見る。

美女に囲まれ、おいしいものを食べ、金銀宝石に彩られ生活してきた王子は、
いずれ行き着く人の運命を見て、虚しさを覚える。
どうせ人は死ぬのだ。しかし、こういう俗世の欲望があるためにまた生まれたいと望む。
そしてまたこの世に生まれ出ては、死という運命を背負って苦しむ。その繰り返しなのだ。

死という苦しみを避けるにはどうしたらいいのか。
ピコン!(クイズ大会のあれ)
そうだ、生まれてこなきゃいいんだ!!

少し乱暴すぎる解説になりましたが、簡単に言うとそういう感じ。
ブッダが苦行を行うのも、俗世の煩悩や官能欲を断ち切って、死を繰り返す輪廻転生を断ち切るため。
輪廻で生まれ変わるのは、私はいいことだと思ってたのですが、認識違いだったようです。

すべての人は「患者」であって、病める精神の持ち主。
仏陀はその人々を救うため(輪廻を断ち切るため)に立ち上がり、仏教を広める。
仏教の基本的な部分を理解するのは、意識的に本を読まないと分からないものですね。
なかなか読む機会がなかったので、今回は勉強になりました。


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旧約聖書物語

2008年07月31日 23:22

『谷口江里也』著 ギュルダーヴ・ドレ画 アルケミア出版 431ページ

私はすっかりドレ画と谷口さんの織り成す世界にハマったようです。
アルケミア出版から出ている大型本、豊富な絵と共に読みやすく話を綴ったこのシリーズは、
本棚を飾る事のできる価値ある一冊だと思います。
「神曲」、「寓話」に続き、ドレの描く版画を豊富に収録した今回の題材は「聖書」。
人類になくてはならなかった物語、そして今まで一番人々に読まれてきた物語といってもいい聖書に、ドレが挑む!

ドレの作品は、どれも版画の可能性を究極まで追い求めている。
彼の活躍した時代は新しいアート、写真が登場した時代でもある。
そんな中で、ドレは版画によって物語を場面ごとに描き、新しい表現を生み出した。
絵を連続で映すのは、まさに私たちが見ているテレビの原理だが、それの原点でもある。
ドレの描く細かな表現は、写真に劣らず木版とは思えない完成度の高いものばかり。
今回もおなかいっぱい楽しめました。

さて、翻訳の方は谷口さんの手腕が今回も光る。
有名なストーリーが多いだけに、簡単にしすぎると翻訳者の個性が出すぎるし、かといってありきたりな書き方もつまらない。
そこらへん、難しすぎる言葉を使わない谷口さんらしさも出て、読みやすい文章でした。

内容はご存じの通り、アダムとエバの創世記から始まって、アブラハム、ヤコブと繋がり、
モーセの出エジプト、ヨシュア記、サムソンの出てくる士師記、ダビデの活躍が有名なサムエル記、
ソロモンなど有名な王が続く列王記、そして預言者たちが綴ったストーリーへ展開する。

列王記くらいから、王様の名前も立ち替わり入れ替わりで、ややこしくなってくる。
内容的は、王様が他宗教になびく→天罰が下る→信仰に厚い王様が出現→またその後継ぎが他宗教になびく、
この繰り返しのような気がする。要するに、一気に聖書の中身が政治的になり、物語から世界史へと内容が変化していったのだろう。
やっぱり絵的にも面白いのは前半の創世記~出エジプト記。
あらかじめ知ってる内容が多いだけに、絵を存分に楽しむことができました。

預言者たちの所に入ってくると、神様の嫉妬深さがMAXに。
自分を信じない民衆にかなり厳しいお言葉を下す。読んでると嫉妬深い女みたい。
いいわよ、いいわよ、私を信じないなら疫病流行らせちゃうんだから。
後で私を頼っても助けてやらないからね。後悔しても遅いわよってな感じ。

さて、こうして読んでいると、ふっと思う。
歴史上、今まで色んな宗教が発展してきたけれど、どうしてこの聖書が一番受け継がれたのか。
世界中に似たような伝承があるので、それをまとめた…という意見もある。
しかし、それだけでは説明がつかない。
やはり詩的でストーリー性豊かな物語が、大衆に受けたのだろう。
そして、それを政治に利用したという点も見逃せない。

新約聖書になると、隣人愛とかも含んできて、哲学的な面が入ってくる。
旧約聖書は純粋に物語として楽しむこともできる、ユーモアに溢れた話が多い。
こういう本は、目で見て楽しめる、読んで楽しめるの二重まるな入門書だと思います。


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