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踊る男

2009年04月28日 01:18

『赤川次郎』著 新潮文庫 196ページ

久々の赤川さん。
古本屋でのこの人のスペースは半端なく広いですね。
5~6段分くらいはゆうに占拠してます。
三毛猫ホームズのシリーズなんかは40作もあるんですね。
シリーズは制覇しないと気が済まない某氏は、なかなか手が出せないそうです。

今回はショートショート34篇収録。
赤川さんのショートショートは初めて読みました。
この分野はユニークさと落とし所が勝負だと思うのですが、
赤川さんもこの分野に関してのお力を充分に持っておられるようで、
一般人には思いもよらない着眼点でオチを持ってこられます。

初めて読む人に、ショートショートとはこういうものなんだ、
というお手本になる一冊だと思います。
最後の一行でガラリと変わるお手並みは、
いろんな作家のショートショートと是非読み比べていただきたいところ。
それぞれの「味」というものがあって、楽しめると思います。

個人的に好きなのは「命取りの健康」。
ジョギングを始めた夫が、せっかく痩せたのに食べて太り、
またジョギングをしては食べて太りを繰り返していた理由…。

「むだ遣いの報酬」なんかは夫の小遣いを切り詰める奥様方が身につまされる内容。
ネタが言えないところが非常に残念なところです。
読みやすく、流れがとても整っているのですぐに読み終わってしまいました。


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三姉妹探偵団2 キャンパス編

2008年05月29日 21:37

『赤川次郎』著 講談社文庫 293ページ

前回、珍事件に巻き込まれて、家は丸焼け、身近な人は殺されて…と、
散々な目にあった三姉妹が、今度も事件に巻き込まれる。

前回のあらすじはこちら↓
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-120.html

今回の舞台は一番上の姉、綾子の大学で開かれる文化祭。
なぜかイベント担当にあたってしまった不幸な?綾子。
およそ務まることのない役目を負わされている割に、本人は暢気なもの。
あと一週間あるし、それまでにどこかのプロダクションに電話して、タレントをよべばいいんでしょ?と気楽なものだ。

見るに見かねた妹の夕里子はおせっかいにも、妹の珠美を使って手伝うことに。
前回一緒に行動した刑事の国友の紹介で、数年前には売れっ子だった歌手の神山田タカシを呼べることになる。
神山田のマネージャー黒木が舞台の下見に来たが、そこで事件は起こる。

とつぜん黒木の頭上にハンマーが落下してくる、もちろん黒木は死亡。その場に居合わせたのは綾子のみ。
誰が殺したのか、動機は何なのか。黒木の奥さんが神山田とデキている事から、その線での殺人かと考えられたが、どうやらそうでもない。

そして第二の殺人。大学教授の梨山の奥さんが文化祭開催場所の講堂で殺される。
そこに残されていた人間は、文化祭委員の石原茂子だった。

この二つの殺人、関係していないように見えるけれど、どうもおかしい。
いつもの探偵本能が目覚めてピンとくる夕里子。綾子を狙った爆弾騒ぎも起こり、
ますます捜査に乗り出さないわけにはいかなくなってきた。

三姉妹の性格が前回にもまして特徴を帯びてきて、夕里子は相変わらずのおせっかいぶり、
珠美はお金にまたがめつくなって、今回最後には姉に負けない推理力を披露する。
そしてなんといっても長女の綾子が大活躍。自分が危うく殺されそうになっても、
「いい天気ね~」なんて言ってるから大したもの。綾子の中では「自分は悪い事をしていないんだから、
殺されるわけない」と妙に純粋なところがあって、殺されそうになっても「何かの間違い」で済ませてしまう。
ただ、その純粋さがあるからこそ、綾子にしかできないこともあって、夕里子の推理もそこに助けられる事があったり…。

「三姉妹」というタッグがこの二巻にきて、とても前面に出されていく。
この作品、推理小説でなく他のジャンルでも十分に楽しめるのではないかなあ…。
第三巻では今度は末っ子の珠美が活躍します。


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三姉妹探偵団

2008年05月07日 19:52

『赤川次郎』著 講談社文庫 291ページ

赤川次郎作品で新しい探偵たちが誕生。今度の探偵は三姉妹。
父親が出張でいないある夜…。次女の夕里子は奇妙な臭いに目を覚ます。

煙の臭い…火事だ!

慌てて姉の綾子と、妹の珠美をたたき起す。
命からがら窓から逃げ出した三人。
原因は放火。けれど事件はそれで終わらなかった。

なんと父親の部屋から裸の女性の遺体が発見される。
しかも、警察の調べでは出張だと思っていた父親は、なんと休暇届を出して行方不明。
当然殺人容疑で父親は指名手配されてしまう。

人のいいお父さんがそんな事をするわけない…。
三人姉妹は事実を解明するため、犯人逮捕に乗り出す。

誰が読んでも抵抗のない赤川次郎作品。
それは彼の作品に出てくるキャラクターの魅力が高いことと、
万人が共感できる生活感あふれる舞台設定。
この人の作品は、「すごい興奮した!」とか、「泣きまくった!」とか、
そういうのはないけれど、親近感が他の作家に比べてすごい。
数行読むだけでその世界に惹き込まれてしまうことは必至。

今回の主役の姉妹も相当キャラが濃くて、一番上の姉、綾子はおっとり屋さん。
極度の方向音痴で、うぶ。今時の子にしては珍しい。アルバイトで得意な事はコピー取り。
逆に末っ子の珠美は現実主義者。同じ親からよくもこんなタイプの違った子供が生まれてくるのかというくらい。
探偵業を営むにつき、お金の管理をするのも珠美で、切り詰めた末に「売春でもするか…」とつぶやく始末。
そうなってくると、一番まともなのが次女の夕里子で、探偵業も主に彼女が中心になって動いていく。
そのフットワークの軽さは一緒に行動する刑事の国友も一目置くほど。

そんな三人三様の姉妹が、なんだかんだで犯人を追いつめていく様は、
なんだか現実離れしているようで、身近な感じがするから不思議だ。
やっぱり赤川次郎氏は推理小説作家という感じではないよなあ…と毎回思います(笑)。


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天使よ盗むなかれ

2008年04月21日 23:45

『赤川次郎』著 角川文庫 259ページ

前作「天使と悪魔」の続編。落第した天使と、成績不良の悪魔。
なんだかんだで仲のいい?二人は今日もゆく。

前回の参照はこちら↓
http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-26.html

ネタばれしてしまうと、天使は人間の事をもっと勉強するために下界へやってきている。
悪魔は地獄へ戻るためには、「堕ちた天使」を道連れにしなくてはいけない。
それには、天使が「人間なんて信じられない」と言う事が条件になっている。
この世知辛い世の中を、世間知らずの天使が渡っていくのだから、
人間なんて…というセリフを吐く機会はあるだろう。
しめしめ。いっちょこいつに付いてってやるか。

こんな感じで行動を共にしている二人。
天使は十代の女の子に身をやつし、悪魔は何故か黒い犬の姿でいる。
もちろん、生身の体である以上、お腹も空いてくる。
そこで、二人はある一計を模索して、大会社の社長の家に転がり込むことに成功する。

しかし、そこでまたまた事件は勃発し…。

赤川次郎さん作品は、ミステリーとして読むよりも、
登場人物の魅力で楽しむ方が個人的には好きですね。
主人公の凸凹コンビも好きですが、そこに絡んでくる人間関係も、
皆愛すべきキャラクターばかりです。

特に今回は、大財閥の恋多き女社長、できそこないの刑事。
そして「夜の紳士」と名乗る泥棒と、魅力あふれる登場人物ばかり。
天使は巻き込まれつつ、やっぱり人間の温かさを再確認するのでした。。。

裏事情があるとはいえ、前回に引き続き悪魔の出番が少ない~…。
「夜の紳士」という怪盗ルパンのような人物が出てきているくらいだから、
どちらかというと少年向けの小説のような感じがする。
だからこそ、悪魔にはもっと超能力的な事を期待していたんだけど、
したことと言えば尾行ぐらい?あとは、傍観してるか食事をしてるくらい…。

次回の舞台は新興宗教の総本山。
今度はどんな冒険が待ち受けてるのか楽しみです。
そして、悪魔がどんな活躍をしてくれるのかも…。


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ふたり

2007年12月25日 21:00

『赤川次郎』著 新潮文庫 304ページ

交通事故で死んだ千津子は、妹の実加の心で生き続けていた。
生きること、死ぬこと、家族、生活、愛。読み終えて、本を閉じ、思わず拍手。
これまで読んできた赤川次郎作品で、最も感慨深い作品。

千津子と実加は仲のいい姉妹。エスカレーター式の同じ学校に通う、中学生と高校生だった。
姉の千津子は面倒見のいい優等生。妹の実加の方は、才能はあるけれど甘えん坊。
その日も、いつもと変わらない日常だった。朝ごはんを食べ、母親に急かされて家を出る。
毎日二人で歩いてきた駅までの道を急ぐ。そこに身を潜める悲劇に気付かずに。

突然トレーラーが姉の千津子の前に現れた。瞬間、細い体は何倍もの質量に押し潰される。
わずかに支えていた雑貨屋の梁が、残された姉妹の時間だった。
残酷に過ぎていく残りの時間を、千津子は冷静に受け止めていた。
自分が死んだ後、母親の事を頼む、と姉は言った。
そして、妹に「また、二人であのお好み焼きを食べたいね」と告げて逝った。

家族一人がいなくなるという事の大きさを、考えた事があるだろうか。
およそ14歳の女の子に、そんなことが想像できるはずがない。
ガラリと変わった家の雰囲気を、極力明るくしようと努める実加。
しかし、家族の負った傷はあまりに大きかった。

姉が亡くなってから二か月、実加は夜道で暴漢に襲われる。
必死にもがく彼女の体を押さえつけ、男は馬乗りになる。
「殺される…!」そう思った瞬間…

「実加!私よ!」
お姉ちゃん?
「しっかり!左手を伸ばして、石を取って!」

姉の声を頼りに石をつかみ、振り上げる。
ガツン!鈍い音と共に、男の腕から力が抜けていった。

その日以来、実加の頭の中には姉の声が聞こえるようになる。
生前のように変わらず言葉を交わす二人。
しだいに前向きに明るくなっていく実加。
暴漢事件後から、家族はしだいに明るさを取り戻していった。

実加は高校へ入学し、姉が亡くなった年齢になりつつあった。
家族を取り巻く環境も変わり、姉へ話しかける事も少なくなった。
実加はそんな自分が薄情に思えて後ろめたかった。

「いいのよ。私の事、いつまでも忘れないようにしようって、努力しなくても」

千津子の言葉に怒りをあらわにする実加。死んだ人を忘れていくのは酷い事なのか。
前向きに生きる事=悲しい事を忘れること。それは違うんじゃないのか。
実加が姉の力を借りず、自立の一歩を踏み出し始めた時…千津子は…。


家族の大切さ、人間が成長するすばらしさを、
死を経験した、ふたりの姉妹を通して語っていく傑作です。
赤川次郎さんが、ますます好きになりました。


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正義の教室 闇からの声

2007年12月10日 23:33

『赤川次郎』著 角川文庫 237ページ

赤川次郎作品では、初の推理小説以外のもの。
「大人になる」という事を考えさせられる作品。5本の短編を収録。

ポイントは登場人物の中心が中学生くらいの子供のだという事。
「子供は純粋」とよく言うけれど、「純粋」とは一体何だろう。
「大人は汚い」とよく言うけれど、「汚い」とはどういう事なのか。

シザーハンズという映画をご存じでしょうか?
手がハサミの人間…という設定のアレです。
「財布を拾ったらどうする?①自分で使う、②好きな人にあげる、③警察に届ける」
この問題に対して、主人公のエドワードは「②番」と答える。

純粋とはこういう事をいうのかな…ふと私はこのエピソードを思い出した。
人にあげるのは罪になるかもしれない。だがそれは、無邪気な罪だ。
それが子供の純粋さであり、怖さでもあると思うのです。

「正義の教室」という作品は、この逆パターンの話だ。
文部科学省の発行した「心のノート」という、ゆとり教育の産物のような教科書を読んだ少年が、
その中の「この学校に正義はあるのか」という文言をうけ、学内の不正を告発していくというもの。

少年の告発はエスカレートしていき、ついに先生と女生徒が関係を結んだ事まで、
マスコミに公表してしまう。
彼の告発は、「正しい」かもしれない。
だが、結果的に少年の心には後悔しか残らなかった。
彼は「大人」へ近づいたのではないだろうか。


小さい頃は、早く大人になりたいと思っていたけれど、どうだろう?
逆に人はいつまで罪に純粋であり、また正しい事を貫けるのだろうか。
そして、それが良いことか、悪いことかは、きっと誰にも分らないのだろう。


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天使と悪魔

2007年10月19日 22:56

『赤川次郎』著 角川文庫 243ページ

お手軽ミステリーといえば…この人。

私の中ではそんな位置づけの赤川次郎さん。
有名作家相手に、なんちゅーことを…と思われるかもしれません。すいません。
けど、ミステリー苦手の私も、抵抗なく読めるから嬉しい。

こう見えて私、物事を深く考えるのキライなんです。あはっ☆
だから、推理小説の犯人が誰かなんて、途中で考えたりしません。
ミステリーファンの方にとっては、一番の醍醐味なんでしょうね。

ただ、物事は最初が肝心というように、読書も最初の一冊が大切だと思うのですよ。

あるお父さんが、子供向けのトム・ソーヤーの冒険を息子にプレゼントしたところ、
その本がきっかけで、読書好きの子供に育ってくれました。

こんな記事を見てると、なるほどな~、今の私にも当てはまるな~と思えてくる。
ミステリー本をことごとく読んでない私は、いかんよなあ~食わず嫌いは…と、
知り合いに勧められたのをきっかけに読み始めているのである。

結果、どうなのか…というところだが。
正直に申し上げて、やっぱり一度も犯人が誰なのか考えませんでした(汗

いや、おもしろいことは、おもしろかった。

天国から研修にきた天使と、成績不良の悪魔がコンビを組んで、
少女と犬の姿で殺人事件に挑む。若い刑事が殺人の罪を着せられ、
凸凹コンビは犯人捜しに協力する。

天使は16、17くらいの少女の姿で現れているのに対し、
なぜか悪魔は黒い犬の姿でポチと呼ばれている。
悪魔の方は非協力的で、途中まで「この犬意味ねえじゃん!」と突っ込んでたんですが、
実は二人が一緒にいるのには、一つの理由があって…。

と、こんな内容。ちょっと変わった登場人物たちの、珍しいミステリー。


ん?まてまて…よく考えたら、「夢中になって考える間もないほどおもしろいミステリー」だったんじゃないか?
そ、そうか!そうに違いない!この本がおもしろかったせいだ~!

…理由をつけて、できなかった事を正当化する話。
「あのブドウはすっぱいから、取れなくてもいいんだ!」
ふとキツネとブドウが頭の中で浮かんで消えた。。。


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こちら、団地探偵局PART2

2007年09月11日 23:32

『赤川次郎』著 角川文庫 294ページ

第一弾から引き継いで、また主婦探偵登場。
前作とは異なり、一話が少し長めで構成されている。

一作目参照→http://hihidx.blog115.fc2.com/blog-entry-11.html

私的には、この二人コンビの主婦探偵は、
「お魚くわえた犯人のドラ猫を捕まえる」ような
ほのぼのストーリーのイメージが強かったんですが、
今回は一転して殺人の起こること起こること。

家政婦は見た!をついつい連想してしまう内容。
いますよね~、どーでもいいことをちゃんと見てる人。
私としては前作の方がほのぼのしてて良かったかな~なんて思ったり。
望遠鏡を異常なまでに覗く夫の話とか、結構好きだったな~。

今回は割と、不倫やら妬みやら、大人のカンケイ的な部分が多くて、
助手の探偵も男にヤられそーになったりと、昼ドラ的。
推理モノにありがちな動機という部分では意外性に欠けたかな。

さくさく読みやすい点と、日常的な親しみやすさは
相変わらず健在で、さらに磨きがかかってて嬉しいところ。
一日とかからず読んでしまった。


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こちら団地探偵局

2007年09月05日 20:12

『赤川次郎』著 角川文庫 295ページ

どこにでもあるような団地で、
どこにでもいるような主婦が、
どこでも見られるように子供をあやしながら、
探偵業をやっている話。

推理小説は苦手な私でも読めました。
私はどうにも頭脳活動に向いていないらしく、
犯人なんて誰だっていいじゃん、物語なんだから。と、
小説家の立場からすれば身も蓋もない読者なのです。

そんな私でも、ついつい最後のページを見て、
犯人が誰だかカンニングしてしまうこともなく読み進めていけました。

ポイントは一話の短さと、セリフの読みやすさ。
べらべらと推理した事をページいっぱいに書き立てられても、
正直疲れる。推理小説という点では物足りないかもしれないが、
私には調度いい具合にマッチングしていたと思う。

主人公が主婦という点もいい感じ。
料理をして、掃除をして、お金の事に細かくて、卵は安い時に買う。
探偵モノって、どこか現実離れしているけれど、
こんな私立探偵なら想像しやすい(笑)。

ただ、推理はもっぱら主人公の頭の中で自己完結!が多く、
助手の主婦が「かっこつけて、またもったいぶって」という文句をいうが、
まさに読者の気持ちに当てはまる。
推理小説が読みたい!!って思って、読むものでは少なからずないかも。


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